今年3月に成立した改正高齢者雇用安定法は以前ご紹介しました。2020(令和3)年4月1日から施行されます。「個々の労働者の多様な特性やニーズを踏まえ、70歳迄の就業機会の確保について、多様な選択肢を法制度上整え、事業主としていずれかの措置を制度化する努力義務を設けるものです。」というのが厚労省の説明書にあります。多様な選択肢のうち首を傾げたくなるのが二つあります。①業務委託契約制度の導入による働き場所の確保と②社会貢献事業に参加できる制度の導入です。①は明らかに労働者本人による起業が前提で個人事業主として元の会社と請負契約することです。②は地域ボランティア事業への参加を雇用確保とみなすということです。どちらも元の会社との雇用契約は存在しないのです。雇用契約を打ち切り、場所の斡旋で雇用確保の責任を果たしたというおかしな理屈です。この説明会が結構あちこちで開催され、10月23日には札幌市西区のポリテクセンター北海道で120名が参加し開催されました。今日の北海道新聞朝刊で様子を報じています。
11月8日の北海道新聞朝刊「くらし」欄に掲載された記事です。
労政審で労働者委員が参加して議論された改正内容です。本当に労働者が望む雇用が確保されるのか疑問です。新聞報道で知った労働者が大半でナショナルセンター加盟の何人の組合員がこの改正内容を知らされていたのか、組織内で議論があったと聞いたことはありません。それでも、労使協議の中で何とか対象労働者の望む働き場所の確保が適うよう頑張りましょう。労働組合の責務として。