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カテゴリー: 相談現場から
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高年齢者雇用に我慢を強いるな❕
12月27日、労働政策研究・研修機構(JILPT)はメールマガジン労働情報第第1927号を配信し 、厚生労働省が12月22日に公表した2023年「高年齢者雇用状況等報告」の内容を紹介しました。以下の通りです。
●29.7%の企業が「70歳までの就業確保措置実施済み」/厚労省 厚生労働省は22日、2023年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表した。 2021年4月に努力義務化された70歳までの就業確保措置の実施済み企業は29.7% (前年度比1.8ポイント増)、中小企業は30.3%(同1.8ポイント増)、大企業 は22.8%(同2.4ポイント増)。従業員21人以上の約23万7,006社からの 報告に基づき、6月1日時点での実施状況をまとめた。 厚労省12月22日発信「令和5年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果を公表します」 厚労省12月22日報道発表資料
人手不足の中小の状況も含まれているかの表記ですがどうでしょうか。望むもの全てが継続雇用されるような実態ではなく、65歳からの崖賃金・70歳からのボランティア貧乏等望まぬ雇用形態で所得を確保せざるを得ないというお話が寄せられます。相談です。せいぜい指針提示の雇用政策で、基本は民事案件ですと言われた当事者が相談に来られます。既得権益とは言わないまでも、労働条件の下がり塩梅は規制を掛ける必要はあります。高齢者雇用に我慢を強いてはいけません。
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「年収の壁」対策 配偶者手当見直し資料 厚労省
労働基準局賃金課は、「年収の壁」対策として「配偶者手当見直し」に関する企業向けの資料を周知しました。9月27日の全世代型社会保障構築本部で確認された「年収の壁・支援強化パッケージ」に示される対応策の一つです。労働相談でも賃上げや就業時間増に伴う収入増と配偶者の所属企業の扶養手当対策が良く寄せられます。この資料をもとに配偶者の所属企業の制度改定が実施されれば、当事者の不安は解決されます。
10月20日 厚労省発「企業の配偶者手当見直し検討のためのわかりやすい資料を作成しました」
年収の壁対策「配偶者手当を見直して 若い人材の確保や能力開発に取り組みませんか?」
- ※配偶者のいるパートタイム労働者の就業調整の理由:
被扶養者認定基準(130万円)57.3%、被用者保険加入(106万円)21.4%、配偶者手当15.4%
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相談現場からー91 65歳以上の失業給付
元気なうちは働きたい、元気になるために働きたい、まだまだ働かなくてはならない、65歳以上の方々の働く動機は様々です。65歳以降、離職後の求職活動の間に失業給付に該当する「高年齢求職者給付金」支給されます。条件はあります。問い合わせのような相談がありました。
【相談内容は以下の通りです】
1.小規模小規模ホテル(ビジネス系)の夜勤専門のフロントスタッフ。 65歳から勤務し契約社員として契約。1年契約を更新してきた。 2.70歳が契約社員の定年、本人は定年以降も契約を継続し、75歳となった年の 3月末で退職することとした。 3.来春3月末が退職の日。これまで雇用保険に加入していて保険料も控除されている。 4.また別の会社で働こうと思うが、職探しの間は失業給付は受給できるのか。 どの程度受給可能か。
【次のようにアドバイスしました】
1.65歳以上の離職者なので、高年齢求職者給付金の対象。 一時金で基本手当日額の50日分がが支給となる。 2.金額の計算などは、ハローワークで聞くのが正確。 3.注意しなくてはいけないのが、支給を受けることができる期限(受給期限)。 4.離職日の翌日から1年となっているので求職申し込みの手続きが遅れた場合、 日数分の支給を受けることができなくなることがある。 5.簡易情報はインターネットでの入手可能。 高年齢求職者給付金を説明するハロワーク配布のパンフレット
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相談現場から―90 コロナ禍の整理解雇 あきらめず相談を
コロナ禍とはいえ、店舗統廃合・人員整理が無条件に行われても良いということにはなりません。法律に基づいた手続きはもちろん、従業員・労働者と事業者・会社の間で十分な話し合いが必要です。そんな相談でした。
【相談内容】
1.飲食店従業員。1年契約の契約社員。アルバイト管理等責任的役割も担当している。 2020年1月入職、同年12月に契約更新。 2.時短営業等でコロナ禍も営業を続けてきた。 市内4店舗のうち本人勤務の店を閉鎖し3店舗に集約するとのこと。 3.ついては、本人は8月末日で閉鎖さによる解雇と通知された。 本人は、残り4カ月分の賃金を補償して欲しいとした。 4.店長は、不可抗力なのでそうはならないとした。補償は無理か。
【以下のとおりアドバイスしました】
1.期間の定めのある労働契約では、会社は止むを得ない事由がある場合でなければ、契 約期間が満了するまで労働者を解雇することはできないのが原則です。 2.「やむを得ない事由」があれば、直ちに契約の解除の申入れができる(民法第628条) とされ、「やむを得ない事由」に、経営状況の悪化による廃業・統廃合を含むのは 合理的説明・手続きがあれば可能となる場合があります。 3.今回の場合も、業績悪化の説明が十分で人員削減の必要性など説明する等して整理解 雇の4要件を満たすことで、解雇することは可能です。 4.ただ、労働者が本来契約期間中に本来得られたはずの賃金相当額、契約期間満了まで の賃金相当額は補償されると考えるのが妥当ですし、可能です。 5.特に、店舗閉店であるものの、他に店舗があり、異動等で雇用継続が可能な場合、解 雇することが権利の濫用に該当する可能性もあることから、店の雇用継続努力の姿勢 如何では損害賠償請求も可能となる。 6.一度来館し、相談してはどうか。労組対応が良いと思います。
北海道にも緊急事態宣言が発令され、飲食店にはとても厳しい状況です。働いても十分な収入が確保できないそんな相談も寄せられます。収入補填の施策も十分ではなく生きていくのも大変です。助け合いの輪を広げながら歯を食いしばるしかありません。ガンバロー!
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相談現場から―89 未経験職場への配転 雇用契約内容と合理性に留意
コロナ禍でも労働者は働かなくてはなりません。特に医療介護現場の皆さんは働くことが至上命題とされています。人員・設備・労働環境の改善充実が必要と言いつつも、ほぼ未着手のまま非常事態に突入してしまいました。そんな現場からの相談です。
【相談内容】
1.介護施設の総務事務として勤務。勤続7年超。正職員。 ハローワークの求人募集「事務職・総務」に応じて、採用された。 2.10月1日付人事異動で、「介護職業務に就いてもらう。助手からスタートし、 資格はおいおい取得するように」と通知された。 3.入職時から、介護職への勤務は想定していなくて、職場異動の話もなかった。 4.就業規則では異動に関して特に定めがない。 施設は人事異動に従うのは原則としている。 5.介護職に就かなくてはならないか。
【以下の様にアドバイスしました】
1.介護現場の人員不足は際立っていますが、それが背景にあるのでしょうか。 それにしても雇用契約上の職種が変更するというのは大変です。心中お察しします。 2.このケースの場合、雇用契約に(1)職種が限定されているかどうか、(2)職種限定の 有無を問わず配転の記載が就業規則にあったとして、その配転命令権行使に合理性が あるかどうかがポイントです。 3.「職種限定」が雇用契約や労働協約、就業規則等に記載されていれば、仮に職種変更 があるにしても労働者の同意が必要です。原則は変更不可ということです。 4.「配転命令権行使の合理性」の観点からは、使用者に配転命令権が認められる場合で も、権利の濫用となる場合はその配転は許されません。 判例でも、配転命令が「業務上の必要性がない場合又は業務上の必要性が存する場 合であっても、当該配転命令が他の不当な動機・目的をもってなされたものである とき若しくは労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるも のであるとき」は、その配転命令は権利濫用・無効としています。 苛め・パワハラ等の一環としての配転はこの部類です。 5.本人の場合も、まず総務事務職についての職種限定の雇用契約であったかどうか、調 べてみましょう。雇用契約書をチェックし、可能であれば労働協約や就業規則、労働 慣行・経過で配転命令に応じた事例があるかどうかを確認することが大切。 6.注意しなくてはならないのは職種の限定がない場合で、就業規則等に「業務上の必要 により職種の変更を命ずることがある」という規定がある場合です。 この場合には、配転命令が権利濫用でないか確認することになります。 7.具体的には、施設側に総務事務職から介護職への配置換えを命じなければならない特 段の業務上の必要性があったかどうか、配置転換で本人がどのような不利益を被るの か、これの比較衡量をして判断することになります。 8.今回はご本人の場合、相談の限りでは合理性に欠け違法性も強いと感じます。 ご本人が現職勤務を主張するのであれば、施設との協議は必要。 労組対応としてはどうでしょうか。
人手不足の中、増える利用者さん、苦しむ利用者さんに何とか適宜なサービス提供を、と思う中で苦肉の策として出てきた発令でしょうか。しかし、合理性に欠けていては、元も子もないということです。現場環境を知りつつ、結果として放置してきた政治の責任は重い。
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相談現場から―88 人手不足対応は原因を考えるところから 労働時間延長・公休出勤は解決策ではないです。
職場の人手不足解決に何をするか?すぐに手をつけたがるのが労働時間の延長です。公休出勤や平日勤務の指定残業などです。不利益変更なのに不利益じゃないないと言い張る事業主・・・そんな相談でした。
【相談内容です】
1.国内の特定地域を調査する公益財団法人。ほぼ、行政の予算、一部企業寄付・賛助金 で運営されたている。本人は正職員。調査員。 2.毎週土日を公休とし、祝祭日も公休。1日7.5時間、年間労働時間1845時間。 3.公休出勤はある。これは振休対応としている。 4.この度、就業規則改定を行うとして、フレックスタイム制を導入し振休廃止となる意 向が法人から示された。 5.これまでの公休出勤は実動分を残業手当として支払うとのこと。 6.法人は不利益変更ではないとしているが、どうか。
【以下のようにアドバイスしました】
1.そもそもフレックスタイム制自体が良いものとは思わないので、導入時点で不利益変 更と思うが、それは置いときます。 2.新制度・フレックスタイム制の下で残業時間の実労働清算は問題ないとしても、振休 廃止は休日減となるので不利益変更です。実質的な労働時間延長強要です。 3.今後、労働契約法第10条の変更手続きを強行されないようにしましょう。 4.労組がないようなので、従業員代表と良く打ち合わせし、不利益変更への対処を準備 しましょう。労組対応が良いので、相談してはどうですか。
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相談現場から-87 「トラウマ」に悩む パワハラ・苛めの被害
今年6月1日(中小は22年4月1日)から事業者にパワハラ防止措置が義務化されました。皆さんの職場では就業規則の見直し等が進んでいますでしょうか。改めてパワハラ・苛めによる被害について考える機会が必要ではないかと感じます。体験した被害が完全に癒えることはありません。その辛さについて、相談が寄せられました。
【相談内容】 1.以前に直属の上司から受けたパワハラ・苛め被害のトラウマに悩んでいる。 2.会議室に二人きりの状況にされ、静かな口調ではあるが、自分の仕事に対する 駄目だしを延々と聞かされた。 勿論、上司は椅子掛けで本人は正面に直立の立ち姿。 3.他の部下にはこのようなこみとはせず、明るい口調で注意するが、何故か自分だ けは個別に隔離され、威圧的な駄目だしとなる。そして、必ず最後にこの仕事に向 いていのではなか、と言って終了となる。 4.自分の前にも、一人同様の扱いを受けていた社員がいて、その社員は退職した。 5.本人は、通院し休みがちになりながら、必死に耐えてきたが、我慢も限界と思った 頃、今年4月の人事異動により同上司が昇格して別の部に移った。 6.一瞬ホッとはしたが、忙しくなると、その上司の威圧的言動がフラッシュバックの ように出てくる。また、社内の廊下等ですれ違ったり、見かけたりすると、気分が 悪くなる。 7.このような、状況で入院等に至った場合は労災として認められるか。
【以下の様にアドバイスしました】
1.労災認定の是非は医師・労基への事前相談で判断するしかないが、過去の出来事に
対する判断・因果関係調査なので、本人をサポートしてくれる同僚・証人の確保が
できるかどうか、がポイント。
2.しかし、今は被害・病気に対する処置が優先なので、傷病手当の請求から始め、
心身を休めることを優先にしてはどうか。
3.医師との問診の中で、受けた被害の治療に加害者に対するアプローチが有効である
との意見が出てくれば、会社を交えての交渉・協議というスタイルを選択してはど
うか。
4.会社の参加を求めていくのであれば、団体交渉という形式が良く、労働組合からの
アプローチとなる。過去の被害者なども含めて、具体的な取り組みを検討する機会
を設定することも良いが、まずは今の心身のケアを優先してはどうか。
心の傷が癒えたかどうかは本人にしか判断できません。しかし、パワハラ・苛めによる心身の被害は傍から見て「何か変だな!」とわかります。短時間の規則改定の議論では、「被害の怖さ」がイメージできないかもしれません。何故、このような法律が出来上がり、職場に措置義務化となるか真剣に考えてみる必要があります。
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相談現場から-86 コロナ休業後退職と休業手当の返還
新型コロナウィルス感染猛威が収まりません。北海道内も11月29日発表で192人の新たな感染者が確認されています。長期化する休業措置に生活困窮から転職せざるを得ない状況も出ています。その際、休業手当に返還義務は生ずるのか、という相談でした。
【相談内容】
1.某イベント会社スタッフ。正社員。
2.約6カ月、新型コロナウィルスの影響で休業措置となっている。
3.その間休業手当の支給はあるが、給与全額ではなく生活も困窮してくる。
まだ暫くの間、復職は難しいとのこと。
4.休職期間中、求職活動もしている、何とか、営業職で好条件のところがあり、
面接まで進めそうな状況。
5.このような折、12月からは復職可能との連絡があり、準備・打ち合わせわしたい
との連絡があった。日程は未定。
6.この場合、面談先の話がまとまり、転職となった場合、支給されていた休業手当に
返還義務はあるのか。何とも心苦しいのは事実だが、生活のためにはやむを得ない
と思っている。
【以下のようにアドバイスしました】
1.今回の休業は会社の指揮命令によるもの。休業手当の支払は労基法の定めです。 2.従来の給与支給額の差額を請求はできないわけではないが、本人配慮でしていない ということ。生活困窮の原因のひとつ。 3.休業手当支給は退職行為を束縛するものではありません。返還義務はなしです。 4.会社から、返還請求または退職妨害行為があれば再度電話してください。
今日、札幌パルコ前で街頭宣伝活動に遭遇しました。医療・介護の現場で働く労働者の待遇改善を求めるものです。看護師さん・介護士さんの職場の窮状を訴えていました。貴重な取り組みです。心底頭が下がります。今、自分のできることとして、しっかりと予防しようと改めて心に誓いました。マスクと手洗いとソーシャルディスタンス、「Go To ~」は世の中が落ち着くまで我慢 家族と友人・知人に伝えました。