相談現場から-71 頑張りも報われない場合がある 注意しましょう 倒産・破産

1月20日の通常国会施政方針演説。アベノミクスの成功をたいした自慢していました。格差が生まれようが非正規労働者の処遇がどうなろうが景気数値が良ければそれで満足という感じでした。北海道内は減った、少なくなったとはいえ毎月どこかで会社破産・倒産が発生しています。律儀な社員は最後まで頑張ります。その頑張りも報われない場合があるので注意しましょう。そんな相談でした。

【相談内容】

1.住宅建築工事会社の事務職員として9年勤続。昨年末に破産し退職となった。
2.それでも残務整理として12月末までは勤務継続となった。
3.これまで1度も有給休暇を取得したことがない。
    取得できるような状態ではなかった。多忙中の多忙。
4.40日間はある。この有給休暇を金銭に変えることはできないか。
5.もう少しで退職1カ月を経過する。
6.会社上司は音信不通。どこに申出して良いかわからない。

【以下の様アドバイスしました】

1.本来、退職時に退職条件の協議とすべき事項です。
2.本人が残務整理していた際には既に経営者には何の権限もありません。
3.その時は管財人が全てを掌握していたはずです。
4.その時に申し出ていれば、何とかできたかもしれない、という項目です。
5.時期的に、既に破産財団(財産)の配分が決まり配当しているでしょう
6.今となっては旧会社の関係からはなにも引き出せません。
7.雇用保険の関係で、失業給付の他、講習・資格取得に優先的に参加できる
  サービスはあります。ハローワークの窓口で相談されてみてください。

何とも心苦しい相談でした。でも、あきらめてはいけません。世の中の仕組みのせいだとは思っても、卑屈に陥ることなく頑張りましょう!それしかアドバイスできませんでした。

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2020春闘 同一労働同一賃金への対応 仲間と果敢に取り組もう!

2020春闘が始まります。職場の同一労働同一賃金対応が重点になります。非正規労働者が多い札幌地区ユニオンでは最重点課題です。ただ、法律の概要は報道でしか得られず、連合春闘方針にも問題点の指摘や職場の取り組みについて明確な方針はありません。多分これから出てくるだろとは思いますが、札幌地区ユニオンが指摘する現状の課題について報告します。

【2020年4月1日から】
同一労働同一賃金の適用が大企業は2020年4月1日から中小企業は2021年4月1日から義務付けられます。各企業は労働契約法第20条を組み込んだパート有期法第8条と有期契約労働者全般を対象とする同法第9条を同一労働同一賃金ガイドラインに従って運用しなくてはなりません。
その結果、全ての労働条件について不合理な格差は禁止となります。問題は不合理か否かの判断です。それは、項目ごとに同一労働同一賃金ガイドラインに基づいて検討することになります。即ち雇用契約内容と実労働条件によって不合理・合理の判断が異なることがあるということになります。職場内では各労働条件について同一労働同一賃金ガイドラインに則り見直しされます。この際に、どれだけ労働者・労働組合の意見が取り入れられるかがポイントになります。
【無期雇用転換者は対象外】
この同一労働同一賃金ガイドラインでは無期雇用に転換したフルタイムの非正規労働者を対象としていません。あくまでも雇用契約に期間の定めがある労働者を対象としています。私たちは2019年1月30日に偶然この事実を知ることができました。北海道労働局が主管する労働者派遣事業適正運営協力員会議で提出された参考資料の片隅のその一文が記載されていたのです。本庁裁量の事項であり仕方がないというのが私たちの異議に対する回答でした。
私たちの異議とは、現場で主力となる非正規は概ねフルタイムであり、雇用安定を求め無期雇用転換を申し出るのが常であるが、無期雇用となった途端に格差は仕方がないというのでは同一労働同一賃金の趣旨から大きく外れる法の欠陥であり速やかに是正すべきというものです。
同年3月5日に開催された北海道地方労働審議会でも同じく私たちの異議を主張したところ全く同じ回答がその場で帰ってきました。

【連合から情報なし】
このガイドライン作成議論は労働政策審議会・職業安定分科会・雇用環境・均等分科会同一労働同一賃金部会で15回議論されています。労働側委員は連合関係者ですが、この間、連合から無期雇用に転換したフルタイムの非正規労働者を対象外とすることについて説明はありません。法の欠陥不作為に疑問をもたず改善の意見も出さない、求めない、そして最大限の影響を受ける労組・組合員に説明がないというのは大問題です。

【無策 2020春季生活闘争方針案】
2020春季生活闘争方針案には、全ての労働者の立場にたったワークルールの取り組みとして「同一労働同一賃金に関する取り組み」を項目建てしています。しかし、その内容は「同一労働同一賃金の法規定が2020年4月より施行されることを踏まえ、すべての労働組合は、職場のパート・有期雇用・派遣労働者の労働組合への加入の有無を問わず、労働条件を点検し、以下の取り組みをはかる。なお、無期転換労働者についても、法の趣旨に基づき同様の取り組みを進める。」との内容です。

【派遣労働者施策にヒント】
今年1月22日に開催された労働者派遣事業適正運営協力員会議では派遣労働者に対する「同一労働同一賃金」の適用について北海道労働局より説明があました。ここでも対象労働者は雇用期間に定めのある労働者(派遣)です。その際、労働側委員の質問に対し次のような回答がありました。
Q:派遣会社の正社員の処遇について質問

同一労働同一賃金の趣旨からすれば、派遣会社の正社員は均等待遇・均衡待遇の処遇検討の対象から除外される。派遣会社の正社員の労働条件の向上のためにも別途「配慮すべき」等の指導は必要ではないか。

A:労働局回答

派遣会社の正社員も派遣先に派遣される場合は、均等処遇・均衡処遇の対象であり、労働条件は非正規の派遣社員と同様「派遣先均等・均衡方式」又は「労使協定方式」により労働条件が確認される。

派遣労働者であれば無期雇用の労働者であっても同一労働同一賃金の適用は可能という事です。この内容も連合本部から何も説明はありません。

【ひるまず ガンバロウ】
私たち2020春季生活闘争では連合本部方針のもと要求と具体的運動を検討します。同一労働同一賃金の適用は非正規労働者の多い私たち組織にとって最重点課題です。その最重点課題に対して、制度創設に大きな役割を持っている連合から何の説明もなく具体的運動方針もないのは残念の一言です。
そうはいっても、経営側の準備は進んでいます。行政から経営側に対する指導・情報提供は継続されています。私たちも、情報取得に目を凝らし、自らネットワークを構築して進むしかありません。団結という鎧を強くして、果敢に取り組んでいきましょう!
泣き言はいっても卑屈になってはいけない。人を恨めば穴二つ、後退するだけです。ひるまず ガンバロウ!

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東京キタイチユニオン矢部尚美さん不当解雇事件 2月7日札幌高裁控訴審開始

札幌地区ユニオンは東京キタイチユニオン矢部尚美さんの解雇撤回闘争に取り組んでいます。2018(平成30)年9月19日申立の労働審判に始まった東京キタイチユニオン矢部尚美さんの解雇撤回闘争は昨年9月26日にまさかの逆転敗訴となりました。事実関係には殆ど争いはなく会社通告の解雇が無効か否かの判断を待つ裁判でしたが、判決の着眼点が本人に働く意思があったか否かに置かれ、不合理な解雇か否かの判断は論じないというものでした。到底納得できるものではなく、昨年11月29日には弁護団を4人体制にして札幌高裁に控訴申立をしました。相手方からの反論書面は現時点では送付されていません。本控訴審の第1回弁論手続きは本年2月7日下記要件にて執り行われます。札幌地区ユニオン・札幌パートユニオンは組合員の傍聴参加行動を呼び掛けています。

1、行動名   東京キタイチユニオン矢部尚美さん解雇撤回闘争支援 
              2・7控訴審公判(第1回弁論手続き) 傍聴行動
2、日 時   2020年2月7日(金)10時~
        集合時間  9時45分
        集合場所  札幌地裁1階ロビー 9時50分頃に法廷へ異動します。
3、終了予定  10時30分頃を予定しています。
4、問い合わせ先   札幌地区ユニオン書記長 山本 功まで 
           TEL 011-210-4165/011-210-0505
           FAX 011-210-6677/011-210-0606
            e-Maill:spk-chiku-union@mse.biglobe.ne.jp

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必要なのは労働者の団結 均等均衡待遇の実現を求める緊急集会で当事者ら訴える 

日本労働弁護団北海道ブロックは1月27日北海道自治労会館で労働者間の格差是正実現に向けた集会『均等均衡待遇の実現を求めて ~「同一労働同一賃金の現在」~』を開催しました。労働者間の賃金労働条件の格差是正の取り組みは裁判闘争中心に公序良俗違反の判断を導き出し過去の不利益是正を実現しています。この裁判闘争はパート有期法第8条・第9条制定に結実し短時間・有期雇用労働者と正社員の不合理な格差を禁ずるということを明文化しました。同集会冒頭、主催者・日本労働弁護団北海道ブロック代表伊藤誠一弁護士は労働組合を中心とする多くの格差是正を求める裁判闘争の成果はパートタイム労働法第8条・第9条制定から労働契約法第20条にまで波及しているとし、今後全ての職場で全ての労働者が均等均衡の処遇に付するにはより一層の連帯強化を実現した取り組みが必要であるとしました。

強く広いネットワーク・固い団結が必要 伊藤誠一日本労働弁護団北海道ブロック代表

同集会では平澤卓人弁護士・桑島良彰弁士がパートタイム有期法第8条・第9条及び労働契約法第20条の適用・格差是正を求める裁判闘争の経過や成果、そして今後の事業団体・経営法曹の動向などについて提起がありました。裁判闘争の成果を全職場・全労働者に波及させには、裁判後の労働者の活動が重要とし、正社員と有期雇用労働者、組合員と非組合員の団結と連携が必要であるとしました。当事者からの発言では職場の取り組みとして3団体・3名が報告しました。札幌パートユニオンからは定年制度の無い契約社員に対する賃金カットのための定年制強要について雇用継続と賃金労働条件維持を求める闘争を報告し、団体交渉に加え労働委員会・労働審判を活用した取り組みの結果、雇用維持を確認し賃金減額幅を最小限に止めることで合意したとしました。報告者からは、社内正社員組合に加入できず札幌地区ユニオン・札幌パートユニオンの仲間と共に取り組んできたとし、改めて団結の必要性を訴えました。

職場内の孤立を地域の労働組合の団結が救う!「団結あっての労働組合」と札幌パートユニオン

報告者には他に郵政ユニオンと協会病院労組が登壇し全国一斉の裁判闘争や無期雇用転換者と正社員の格差撤廃を求める取り組み等が報告されました。無期雇用転換者が同一労働同一賃金の対象から除外されることは、札幌地区ユニオンが予てから「法律の不備過失」と指摘としています。具体的な行動を組み立てられないところ、今回の報告内容に出会い大変感動したと参加した組合員から賛辞の声があがりました。本集会は80名の参加の中、予定時間を越えた議論を惜しみつつ、加藤丈晴弁護士が、弁護士、労働組合及び市民の強い団結のもと均等均衡待遇を実現しようとアピールし閉会しました。札幌地区ユニオン参加者は14名でした。ご苦労さまでした。

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相談現場から-70 執務中のマスク着用

 マスク着用の従業員をよく見かけるようになりました。接客担当従業員、特にスーパーレジ等一人の客対応が短時間であるもの、限られた時間に多くの客と接する仕事に勤務する従業員では多く見かけます。体調不良なのかと思い、休めば良いのに、と当初は思っていました。でも、マスク着用の理由は様々なようです。ファッション、グループの約束、歯の治療中、病気(風邪)アレルギー対策及び感染予防等がありました。接客される側からの反応も様々なようです。

【相談内容】

1.スーパーに勤務するパートタイマー。担当はレジ業務。
2.採用時面接では、服務中のマスク着用について特に説明はなかった。
3.「パートタイマー就業規則」及び雇用契約書の特記事項にも服務規定
  として「マスク着用」について定めはない。
4.今月20日、従業員告知版に通達として人事総務から発せられた書面が掲示された。
5.内容は、「店内接客スペースで業務する際のマスク着用は禁止します。
  理由は、お客様とコミュニケーションに支障があり、特にマスク着用の従業員の
  表情がお客様に把握できないため」、とされていた。
6.また、どうしてもマスク着用を必要とする従業員は別途相談します、とのこと。
6.マスク着用を申し出て、レジ担当から外し別部署に職種変更となるのは法的にどう
  なのか。
7.本人は、風邪気味の際はマスク着用としたいと思う。

【以下のようにアドバイスしました】

1.雇用契約・就業規則の内容変更の問題。通達掲示だけで変更はできない。
2.マスク着用の件は雇用契約書・雇用契約内容確認時点に説明記載がない。
3.加えてパートタイマー就業規則にも記載がない。
4.これまでの対応は店の運営状況に応じた担当従業員の裁量で着脱が判断されていたので
  あれば、今回の店舗対応は雇用契約内容または就業規則変更の手続きが必要。
5.その観点からすると一方的に過ぎる。従業員の不同意に会社は対抗できない。
6.ただ、就業規則変更手続を人事総務通達文書の内容を理由として、マスク禁止または
  原則禁止、特段の理由がある場合は別途相談のような内容で実施されれば周知された
  時点で効力が発する。
7.マスク着用の必要性について合理的根拠を主張することが必要。
  それでも就業規則変更が実施されればたちうちはできない。
8.就業規則の不利益変更とならないよう他のパートタイマーと共に協力することが必要。

いくつかのスーパーでは接客中のマスク着用を禁止するという措置を全店に通知しました。就業規則または雇用契約の変更で実施するところもあります。客側から感染に予防についてどのように店として備えるか、感染後の従業員処遇をどうするか少し議論が必要と感じます。

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労働者間の共助・互助精神育成が鍵 これからのパワハラ防止

厚生労働省は1月15日、パワーハラスメント防止指針(「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」)を令和2年厚生労働省告示第5号として公表しました。今年6月1日から大企業はパワハラ防止措置が義務付けられ、この指針に基づき防止措置を制定するということになります。中小企業は2022年4月1日から義務化となります。

1月15日に告示されたパワーハラスメント防止指針はこちらです

この指針は2019年5月に改定制定された労働施策総合推進法(パワハラ防止法)の運用のために作成されたものです。元の法律は佐藤栄作総理時代の1966年7月21日に制定された「労働政策の総合的な推進並びに雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」で、この第30条に2から8までを追加したものです。労働政策審議会分科会では昨年12月23日に多くの不満の声の中、正式決定されました。そのためかパブリックコメントには1139件の意見が寄せられ大半は不十分とするものでした。確かに指針に記載されるパワハラに該当しない例の列挙が不適切で法律の目的が労働者保護には無いと言わざるを得ません。労働者保護の視点欠如は企業の防止措置義務の内容にも明らかで、啓発と規定の制定・周知に限定されています。それ以上に掘り下げた内容は無く、「企業はパワハラに反対し対策をとりました」と声を出せば良、と言った内容です。こんなものですから、被害者となった労働者の救済策・職場復帰への施策については全く触れられていません。正に、被害者が出た場合の企業防衛策の手引です。現状認識の酷さにもあきれます。この指針文中(11頁下段)に、パワーハラスメント発生の原因に労働者同士のコミュニュケーションの希薄化等の職場環境が存在する、との記載があります。パワーハラスメントの原因には労働者の無関心にも原因があるということです。労働者間のコミュニュケーション不足は、人手不足・人員削減による業務過剰化・長時間労働が原因であり発端は市場万能主義をもとに展開された経済・雇用政策です。この悪政の被害の原因を被害者たる労働者に転嫁するというのは暴論です。
相談窓口の捉え方も実に安易です。かつての同僚・上司が顔を揃える相談場所では問題解決は困難、公平な視点も維持できないのは明らかです。某政令指定都市で教員の相談窓口を設置したものの相談員は元校長が居並び不評を買った事例がありました。労働者被害者救済のための相談窓口であれば外部に相談窓口を開設すべきです。何のためのパワハラ防止指針なのかと言わざるを得ません。労働者を守るのは労働者自身です。労働者間の相互扶助・共助を強めていきましよう。隣人の苦しみから目をそらさないという姿勢で生きていきましょう!

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相談現場から-69「解雇回避の努力」の意味を間違えています!

人手不足・不景気・売り上げ不振等で店舗廃止等業務体制の見直しを余儀なくする会社が続出しています。その際、従業員の雇用契約を解約する際に自己都合退職として退職届を提出せよと迫る上司がいます。そんな相談でした。

【相談内容】

1.パンの専門店勤務。雇用形態はパートタイマー。
  自宅から徒歩での通勤可能店舗なので勤務していた。
2.勤続は6年6カ月くらい。雇用保険は加入している。社保は未加入。
3.1日6時間、週4日勤務が基本。シフト勤務(早番・遅番)。
  給与は15日締め、当月25日の支払い。
4.12月1日に店長(正社員)から次の通知があった
   ➀1月15日を以ってこの店舗から会社は撤退する。
   ➁準備期間を経て2月1日からは別会社のパン専門店がこの場で営業する。
   ➂店舗に留まり次の新会社で勤務する場合は申し出ること。
   ➃1月15日を以ってこの店舗で働く事を辞める人は、退職届を記載して欲しい。
5.本人は、退職届を提出した場合、離職票の退職理由はどうなるのか、と問い質した。
6.店長は、新店舗への就職のあっせんを断わったのだから、自己都合の離職票を作ると
  とした。
7.以後、店長とは会っていない。パート6人は全員が退職するとし、今月15日に退職
  届を取りまとめて本人が本店の総務にタイムカードと共に届けた。
8.今のところ離職票は送付されていない。離職票の離職理由は会社都合ではないのか。

【以下の様にアドバイスしました】

1.雇用契約は現店舗の会社との関係。
  通知の➀でも➃でも現店舗の会社との雇用契約は解約となります。
2.この解約は現会社の勤務先事業所の事業廃止なので会社都合退職となります。
3.新店舗が、現会社の所属である場合は解雇回避の努力として会社(店長)の言い分も
  認められる場合もあります。
4.それでも通勤時間が長くなったりする場合は勤務することにおおきな不利益があるとし
  て、退職の場合会社都合退職となります。
5.何れにしても、今回の場合、一旦は現会社との雇用契約を会社都合退職として整理する
  必要があります。
6.会社が、自己都合として離職票を作製してきても、異議ありとしてハローワークに申出
  することをお勧めします。

解雇の取り扱いについて慎重に誠意をもって勉強して欲しいものです。働き方改革と言って多くの制度改革・設定をしても事業主が不勉強であれば何にもなりません。

    この集会に参加しましょう!

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派遣会社正社員「同一労働同一賃金」の対象!!

1月22日北海道労働局職業安定部需給調整事業課は「令和元年度労働者派遣事業適正運営協力員会議」を開催しました。改正労働者派遣法やパートタイム・有期雇用労働法等について各担当部署から説明があり、意見交換が行われました。労働側委員7名、使用者側委員8名及び事務局6名が参加しました。この会議に参加した労働側委員から貴重な報告を受けました。内容は以下の通りです。

労働側委員質問:派遣会社の正社員の処遇について質問した。
        同一労働同一賃金の趣旨からすれば、派遣会社の正社員は均等待遇・均衡
        待遇への処遇検討の対象から除外される。
        派遣会社の正社員の労働条件の向上のためにも別途「配慮すべき」等の指
        導は必要ではないか。 

労働局事務局回答:派遣会社の正社員も派遣先に派遣される場合は、均等処遇・均衡処遇
         の対象であり、労働条件は非正規の派遣社員と同様「派遣先均等・均
         衡方式」又は「労使協定方式」により労働条件が確認される。
         確認に際しては書面が用いられる。

以上の内容をからすれば、派遣労働者以外の「無期雇用転換」非正規労働者も同一労働同一賃金への処遇検討は可能になります。工夫しながら、実現に向け頑張りましょう。同一労働同一賃金については以下の集会も開催されます。是非参加しましょう!

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ユニオンの地場2020春闘 ガンバロウ!

CUNNから各地域のユニオン2020春闘への檄文というかエールが配信されました。以下の通りです。パソナの中尾社長のインタビュー記事を紹介し、大労組の非正規組合員の賃上げの取り組みを紹介しています。毎年、春闘の取り組みを目にするたびに思います。年々歳々、春闘の成果を内側にしまい込んで「ウチだけのモノ」といった感が強くなっているのではないでしょうか。団結ガンバローと集会はするものの、取り組みの成果が外に影響しないような姿勢は、連帯も何もあったもんではないと思うのですが、どうでしょうか。

大派遣会社や大労組に負けぬように!!

1/16の日経新聞に、パソナの中尾慎太郎社長のインタビューが掲載された。
正社員と非正規社員の不合理な待遇格差を禁じた「同一労働同一賃金」が派遣社員に
も適用されることを受けて、派遣料金引き上げを顧客企業と交渉を始めた。
スタッフの待遇を良くするために、地域差はあるが20%程度引き上げる方向で話し
合っている。
これまで低めだった地方で上昇幅は大きくなりそうだ。
自社はすでに現状でも法的には問題のない水準だが、引き上げないと優れた人材を確
保できない。
否定的な反応はほぼないが、上げ幅については色々な意見がある。

ちなみに、約120社で働く15万1000人の組合員を抱える(正社員12万人弱、契約社員
など3万人強で国内最大規模!)NTT労組は、正規社員のベースアップ2%(月額6000
円相当)を求めると同時に非正規社員などは年収で2%程度の改善を基準に要求する
とのこと。
ユニオンも頑張らねば!! 〈K〉
……………………………………………………………………………………………………………………………………
コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク  事務局
       (発行責任者:岡本)
136-0071江東区亀戸7-8-9松甚ビル2F下町ユニオン内
TEL:03-3638-3369 FAX:03-5626-2423
     E-mail:shtmch@ybb.ne.jp
……………………………………………………………………………………………………………………………………

札幌地区ユニオンは2月15日に春闘学習会を開催します。多くの人が参加する春闘にしたいと頑張っています。

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尊厳を守ための団結には歴史がある・・・ということでしょうか!?

 昨年の暮れ北海道内地方紙にも芸能界の労働環改善に関係する記事が掲載されました。今日、CUNNメール通信で同様の内容が配信されました。以下の通りです。俳優さんの労組活動は結構歴史があるとは聞いていました。北海道出身の名優室田日出男さんも労組役員としてストライキに参加した逸話を日テレで披露していました。

◎ CUNNメール通信 ◎ N0.1646 2020年1月20日
               1カ月ほど前の配信記事ですが送付します。

1. (情報)俳優ら労災保険加入要望 けが・休業補償拡大も 
      フリー就労保護へ後押し        2019年12月21日共同通信配信

 俳優らでつくる「日本俳優連合」(日俳連、西田敏行理事長)が、俳優やダンサー
など芸能分野で働くフリーランスを労災保険の適用対象に加えるよう厚生労働省に求
めることが21日分かった。俳優らは個人事業主などとして雇用関係がないことが多
く、仕事でけがや病気になっても公的な補償が受けられない。兼業・副業を推進する
政府は、増加が見込まれるフリーランスの就労や契約問題に対し、保護策の検討を進
めており、今後の議論を後押ししそうだ。
 労災保険は原則企業などに雇われた人が対象。フリーランスのような自営業者でも
労働者と似た働き方をしていると認められる場合、例外的に「特別加入制度」が設け
られている。個人タクシーの運転手や建設現場の一人親方などの職種が対象で、治療
費や休業補償などが受けられる。ただ、保険料は雇用主が支払う労働者の場合と異な
り自己負担となる。
 日俳連によると、俳優らは所属する芸能事務所を通じて仕事を受注し、現場では監
督や演出家の指揮下で活動することが多い。労働者に近い働き方とされる。
 芸能分野では俳優らが舞台で殺陣やダンスを披露したり、技術スタッフが大道具を
製作したりする際にけがのリスクがある。最近では、パワハラなどハラスメントが深
刻化し「うつ病になり仕事を切られた」などの相談も増加。途絶えた収入や自費扱い
となる治療費への補償を求める声が強まっていた。
 厚労省も300万人超とされるフリーランスの労災の対象拡大に向け検討を進めて
おり、昨年は家政婦などを追加。日俳連や落語芸術協会など芸能分野の複数の団体は
20日、対象拡大を要望することを確認。実現すれば約1万人が新たな対象になり得
るという。
 特別加入制度には、タクシー運転手や一人親方などが入るグループ以外に農作業や
介護作業などをまとめた「特定作業従事者」がある。日俳連はこれに「芸能実演家」
の追加を要望。日俳連が中心となり、加入申請の受け皿となる「特別加入団体」を設
立し、厚労省に認可申請することを検討している。

芸能実演家に加入の道を

 日本俳優連合の理事長で俳優の西田敏行さんの話
 一般の雇用労働者が仕事中や通勤途中にけがをしても労災保険が適用されて安心し
て仕事に取り組めるが、私たち俳優は撮影や舞台でけがをしても労災適用が極めて難
しく、困っている人も多い。341万人ものフリーランスの増加と多様化する働き方
に対応するため、国が労災の適用業種を広げようとしている今が、私たちが労災保険
を手に入れるチャンスで、芸能実演家に加入の道を開くよう要望していく。実演家が
安心して芸能生活を送ることで、より豊かな文化が生まれ育つよう願っている。

労災補償、望む声強く 骨折やうつ、後絶たず

 芸能人や音楽家らが新たに労災保険へ加入できる可能性が出てきた。フリーで働く
これらの人々は、仕事中にけがをしたり、取引先からハラスメントを受けて病気に
なったりしても公的な補償を受けることができなかったが、通院、休職時の補償やサ
ポートへの要望は強くあった。
 芸能関係者によると、ダンサーの多くに骨折の経験があるほか、倒れた舞台セット
の下敷きになるなど、舞台や撮影の現場ではけがをする人が後を絶たないという。
 日本俳優連合など、フリーランスが所属する3団体が今夏、約1200人を対象に
行った調査では、「芝居中に骨折した共演者がいたが、誰も責任問題にしようとしな
い」(30代女優)「職場が原因でうつ状態と診断された途端、契約解除された」
(20代女性ダンサー)「殴られたり蹴られたりして通院で休んだ」(映像製作技術
者の30代男性)など、多くの悲痛な体験が寄せられた。
 ハラスメント被害も、パワハラを受けた経験がある人は6割、セクハラは4割だっ
た。その結果「心身に支障を来し、通院または服薬した」と答えた人は2割に上っ
た。
 このほか「仕事への意欲が減退した」「眠れなくなった」「仕事を休むことが増え
た」などの訴えがあり、体も心も追い込まれている実態が浮かんだ。
 調査を担当したフリーの編集者杉村和美(すぎむら・かずみ)さんは「フリーは仕
事でけがをしても自己負担が当然になっている。けがだけでなくハラスメント被害も
労働上の災害だが、声すら上げられないのが現状」と指摘。「俳優を中心とした取り
組みが先行することで、他業種でも救済策の整備が必要という意識が広がっていくの
ではないか」と期待する。

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2019年暮れに新聞に紹介された俳優さんの労組活動の記事です

 俳優さん・声優さんも、自分一人が良ければめでたしというものではありません。人間の尊厳が守られているという前提があり労働者としての権利を堂々と主張し業界全体の労働条件改善に努めてきたということでしょう。そのためには一人ではなく多くの人が団結するということが大事ということを長い歴史の中で実践されているということです。私たちも大いに参考に指せていただきましょう!

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