相談現場から-70 執務中のマスク着用

 マスク着用の従業員をよく見かけるようになりました。接客担当従業員、特にスーパーレジ等一人の客対応が短時間であるもの、限られた時間に多くの客と接する仕事に勤務する従業員では多く見かけます。体調不良なのかと思い、休めば良いのに、と当初は思っていました。でも、マスク着用の理由は様々なようです。ファッション、グループの約束、歯の治療中、病気(風邪)アレルギー対策及び感染予防等がありました。接客される側からの反応も様々なようです。

【相談内容】

1.スーパーに勤務するパートタイマー。担当はレジ業務。
2.採用時面接では、服務中のマスク着用について特に説明はなかった。
3.「パートタイマー就業規則」及び雇用契約書の特記事項にも服務規定
  として「マスク着用」について定めはない。
4.今月20日、従業員告知版に通達として人事総務から発せられた書面が掲示された。
5.内容は、「店内接客スペースで業務する際のマスク着用は禁止します。
  理由は、お客様とコミュニケーションに支障があり、特にマスク着用の従業員の
  表情がお客様に把握できないため」、とされていた。
6.また、どうしてもマスク着用を必要とする従業員は別途相談します、とのこと。
6.マスク着用を申し出て、レジ担当から外し別部署に職種変更となるのは法的にどう
  なのか。
7.本人は、風邪気味の際はマスク着用としたいと思う。

【以下のようにアドバイスしました】

1.雇用契約・就業規則の内容変更の問題。通達掲示だけで変更はできない。
2.マスク着用の件は雇用契約書・雇用契約内容確認時点に説明記載がない。
3.加えてパートタイマー就業規則にも記載がない。
4.これまでの対応は店の運営状況に応じた担当従業員の裁量で着脱が判断されていたので
  あれば、今回の店舗対応は雇用契約内容または就業規則変更の手続きが必要。
5.その観点からすると一方的に過ぎる。従業員の不同意に会社は対抗できない。
6.ただ、就業規則変更手続を人事総務通達文書の内容を理由として、マスク禁止または
  原則禁止、特段の理由がある場合は別途相談のような内容で実施されれば周知された
  時点で効力が発する。
7.マスク着用の必要性について合理的根拠を主張することが必要。
  それでも就業規則変更が実施されればたちうちはできない。
8.就業規則の不利益変更とならないよう他のパートタイマーと共に協力することが必要。

いくつかのスーパーでは接客中のマスク着用を禁止するという措置を全店に通知しました。就業規則または雇用契約の変更で実施するところもあります。客側から感染に予防についてどのように店として備えるか、感染後の従業員処遇をどうするか少し議論が必要と感じます。

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