CUNNはメール通信NO.2121で札幌の労基署を被告、あんしん財団を原告とする行政処分取り消し訴訟の判決内容等を配信しました。4月26日に連合通信・隔日版が報じた内容です。労基署の労災認定・療養給付支給決定の処分に対して事業主が「取り消し」を求めた裁判です。目的は労働者を心身共に追い込んで「職場から追放する」こととしか思えません。詳細は以下のとおりです。
◎ CUNNメール通信 ◎ N0.2121 2022年4月26日
1.(情報)事業主の取り消し請求を却下/あんしん財団に東京地裁/「原告適格を欠く」
220426連合通信・隔日版
社員の精神疾患を労災と認定し療養補償給付を決めた労働基準監督署の処分に対し、事
業主である「財団法人あんしん財団」が取り消しを求めていた裁判の判決が4月15日、
東京地裁であった。判決は、同財団に対し「原告適格を欠き、不適法」であるとして、訴
えを却下した。
この裁判の被告は札幌労働基準監督署長。あんしん財団で勤務し、労災給付を受けてい
る職員が補助参加人として関わっている。
社員の女性は2004年、パートから正社員に採用され、内勤業務に従事していた。
「経営改革」が進められる中、13年に営業職へ配置換えに。15年には北海道支局から
埼玉支局への遠隔地配転の内示が出されたことや、過大なノルマにより精神疾患を患い休
職している。17年には、東京管理職ユニオンあんしん財団支部が結成された。
労働保険審査会の裁決を経て、札幌労基署は18年、療養補償給府の支給を決定。これ
に対し、あんしん財団は19年、国に対し処分の取り消しを求める行政訴訟を起こした。
裁判は、あんしん財団が取り消し訴訟を行う資格があるかどうかが問われた。
行政訴訟法では、行政処分の根拠となる法律が、原告の利益を保護する趣旨を含む場合
にだけ、取り消し訴訟を行える。
同財団は、雇用する労働者の労災給付が決まると、労災保険料が高くなる制度の特質に
言及し、処分が取り消されれば守られる「法律上の利益」があるなどと主張した。
これに対し、判決は「労災保険法はもっぱら被災労働者の法的利益の保護を図ることの
みを目的とし、事業主の利益を考慮しないことを前提と解するのが相当」として、原告の
訴えを却下した。労災の被災者が安心して療養、休養できるようにするための制度だとい
う、同法の趣旨を踏まえた判断だ。
判決について補助参加人の代理人である嶋崎量弁護士は「まともな判断が示された。
あんしん財団の主張が、労災保険法の主旨に反するということだ。このような裁判を起こ
され、メンタルを患った労働者は安心して休めない。もし取り消されれば数年分の返金を
求められるという、すごい恐怖感、心理的負担を強いられている」と話す。
労災発生を招いた事業主が労災支給の取り消しを求めた今回の裁判。同弁護士は「先例
がないわけではないが、極めて珍しい特異な裁判」と述べ、「財団の提訴は極めて悪質。
スラップ訴訟の一環と受け止めている」と語る。
この裁判と並行して、あんしん財団が女性と国に対し、損害賠償を請求した民事裁判も
進行中だ。
同財団は中小企業向け福利厚生サービス事業を展開する。
ホームページでは「心の健康、身体の健康。きめこまかなサポートではたらく人の明日
に活力を」とうたっている。
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こういう裁判制度の悪用例はいたるところで散見されます。合法的かつ労働者から職場離脱を宣言する趣旨の「解雇の金銭解決」は成立すると、こんな人達に悪用されるのかと思うとぞっとします。労働組合の団結で跳ね返すしかありません。
【札幌地区ユニオン組合員の皆さんへ】
今日18時より「2022春季生活闘争勝利!石狩地域地場未解決組合「解決促進集会」」が開催され、YouTubeで配信されます。組合員の皆さんは是非YouTube視聴参加をお願いします。
接 続 先は次のとおりです。https://youtu.be/EUbmTXtzYyY
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札幌地区ユニオンFAX番号変更 011-206-4400 です。
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