人手不足・不景気・売り上げ不振等で店舗廃止等業務体制の見直しを余儀なくする会社が続出しています。その際、従業員の雇用契約を解約する際に自己都合退職として退職届を提出せよと迫る上司がいます。そんな相談でした。
【相談内容】
1.パンの専門店勤務。雇用形態はパートタイマー。 自宅から徒歩での通勤可能店舗なので勤務していた。 2.勤続は6年6カ月くらい。雇用保険は加入している。社保は未加入。 3.1日6時間、週4日勤務が基本。シフト勤務(早番・遅番)。 給与は15日締め、当月25日の支払い。 4.12月1日に店長(正社員)から次の通知があった ➀1月15日を以ってこの店舗から会社は撤退する。 ➁準備期間を経て2月1日からは別会社のパン専門店がこの場で営業する。 ➂店舗に留まり次の新会社で勤務する場合は申し出ること。 ➃1月15日を以ってこの店舗で働く事を辞める人は、退職届を記載して欲しい。 5.本人は、退職届を提出した場合、離職票の退職理由はどうなるのか、と問い質した。 6.店長は、新店舗への就職のあっせんを断わったのだから、自己都合の離職票を作ると とした。 7.以後、店長とは会っていない。パート6人は全員が退職するとし、今月15日に退職 届を取りまとめて本人が本店の総務にタイムカードと共に届けた。 8.今のところ離職票は送付されていない。離職票の離職理由は会社都合ではないのか。
【以下の様にアドバイスしました】
1.雇用契約は現店舗の会社との関係。 通知の➀でも➃でも現店舗の会社との雇用契約は解約となります。 2.この解約は現会社の勤務先事業所の事業廃止なので会社都合退職となります。 3.新店舗が、現会社の所属である場合は解雇回避の努力として会社(店長)の言い分も 認められる場合もあります。 4.それでも通勤時間が長くなったりする場合は勤務することにおおきな不利益があるとし て、退職の場合会社都合退職となります。 5.何れにしても、今回の場合、一旦は現会社との雇用契約を会社都合退職として整理する 必要があります。 6.会社が、自己都合として離職票を作製してきても、異議ありとしてハローワークに申出 することをお勧めします。
解雇の取り扱いについて慎重に誠意をもって勉強して欲しいものです。働き方改革と言って多くの制度改革・設定をしても事業主が不勉強であれば何にもなりません。