日本労働弁護団北海道ブロックは1月27日北海道自治労会館で労働者間の格差是正実現に向けた集会『均等均衡待遇の実現を求めて ~「同一労働同一賃金の現在」~』を開催しました。労働者間の賃金労働条件の格差是正の取り組みは裁判闘争中心に公序良俗違反の判断を導き出し過去の不利益是正を実現しています。この裁判闘争はパート有期法第8条・第9条制定に結実し短時間・有期雇用労働者と正社員の不合理な格差を禁ずるということを明文化しました。同集会冒頭、主催者・日本労働弁護団北海道ブロック代表伊藤誠一弁護士は労働組合を中心とする多くの格差是正を求める裁判闘争の成果はパートタイム労働法第8条・第9条制定から労働契約法第20条にまで波及しているとし、今後全ての職場で全ての労働者が均等均衡の処遇に付するにはより一層の連帯強化を実現した取り組みが必要であるとしました。
同集会では平澤卓人弁護士・桑島良彰弁士がパートタイム有期法第8条・第9条及び労働契約法第20条の適用・格差是正を求める裁判闘争の経過や成果、そして今後の事業団体・経営法曹の動向などについて提起がありました。裁判闘争の成果を全職場・全労働者に波及させには、裁判後の労働者の活動が重要とし、正社員と有期雇用労働者、組合員と非組合員の団結と連携が必要であるとしました。当事者からの発言では職場の取り組みとして3団体・3名が報告しました。札幌パートユニオンからは定年制度の無い契約社員に対する賃金カットのための定年制強要について雇用継続と賃金労働条件維持を求める闘争を報告し、団体交渉に加え労働委員会・労働審判を活用した取り組みの結果、雇用維持を確認し賃金減額幅を最小限に止めることで合意したとしました。報告者からは、社内正社員組合に加入できず札幌地区ユニオン・札幌パートユニオンの仲間と共に取り組んできたとし、改めて団結の必要性を訴えました。
報告者には他に郵政ユニオンと協会病院労組が登壇し全国一斉の裁判闘争や無期雇用転換者と正社員の格差撤廃を求める取り組み等が報告されました。無期雇用転換者が同一労働同一賃金の対象から除外されることは、札幌地区ユニオンが予てから「法律の不備過失」と指摘としています。具体的な行動を組み立てられないところ、今回の報告内容に出会い大変感動したと参加した組合員から賛辞の声があがりました。本集会は80名の参加の中、予定時間を越えた議論を惜しみつつ、加藤丈晴弁護士が、弁護士、労働組合及び市民の強い団結のもと均等均衡待遇を実現しようとアピールし閉会しました。札幌地区ユニオン参加者は14名でした。ご苦労さまでした。