2020春闘 同一労働同一賃金への対応 仲間と果敢に取り組もう!

2020春闘が始まります。職場の同一労働同一賃金対応が重点になります。非正規労働者が多い札幌地区ユニオンでは最重点課題です。ただ、法律の概要は報道でしか得られず、連合春闘方針にも問題点の指摘や職場の取り組みについて明確な方針はありません。多分これから出てくるだろとは思いますが、札幌地区ユニオンが指摘する現状の課題について報告します。

【2020年4月1日から】
同一労働同一賃金の適用が大企業は2020年4月1日から中小企業は2021年4月1日から義務付けられます。各企業は労働契約法第20条を組み込んだパート有期法第8条と有期契約労働者全般を対象とする同法第9条を同一労働同一賃金ガイドラインに従って運用しなくてはなりません。
その結果、全ての労働条件について不合理な格差は禁止となります。問題は不合理か否かの判断です。それは、項目ごとに同一労働同一賃金ガイドラインに基づいて検討することになります。即ち雇用契約内容と実労働条件によって不合理・合理の判断が異なることがあるということになります。職場内では各労働条件について同一労働同一賃金ガイドラインに則り見直しされます。この際に、どれだけ労働者・労働組合の意見が取り入れられるかがポイントになります。
【無期雇用転換者は対象外】
この同一労働同一賃金ガイドラインでは無期雇用に転換したフルタイムの非正規労働者を対象としていません。あくまでも雇用契約に期間の定めがある労働者を対象としています。私たちは2019年1月30日に偶然この事実を知ることができました。北海道労働局が主管する労働者派遣事業適正運営協力員会議で提出された参考資料の片隅のその一文が記載されていたのです。本庁裁量の事項であり仕方がないというのが私たちの異議に対する回答でした。
私たちの異議とは、現場で主力となる非正規は概ねフルタイムであり、雇用安定を求め無期雇用転換を申し出るのが常であるが、無期雇用となった途端に格差は仕方がないというのでは同一労働同一賃金の趣旨から大きく外れる法の欠陥であり速やかに是正すべきというものです。
同年3月5日に開催された北海道地方労働審議会でも同じく私たちの異議を主張したところ全く同じ回答がその場で帰ってきました。

【連合から情報なし】
このガイドライン作成議論は労働政策審議会・職業安定分科会・雇用環境・均等分科会同一労働同一賃金部会で15回議論されています。労働側委員は連合関係者ですが、この間、連合から無期雇用に転換したフルタイムの非正規労働者を対象外とすることについて説明はありません。法の欠陥不作為に疑問をもたず改善の意見も出さない、求めない、そして最大限の影響を受ける労組・組合員に説明がないというのは大問題です。

【無策 2020春季生活闘争方針案】
2020春季生活闘争方針案には、全ての労働者の立場にたったワークルールの取り組みとして「同一労働同一賃金に関する取り組み」を項目建てしています。しかし、その内容は「同一労働同一賃金の法規定が2020年4月より施行されることを踏まえ、すべての労働組合は、職場のパート・有期雇用・派遣労働者の労働組合への加入の有無を問わず、労働条件を点検し、以下の取り組みをはかる。なお、無期転換労働者についても、法の趣旨に基づき同様の取り組みを進める。」との内容です。

【派遣労働者施策にヒント】
今年1月22日に開催された労働者派遣事業適正運営協力員会議では派遣労働者に対する「同一労働同一賃金」の適用について北海道労働局より説明があました。ここでも対象労働者は雇用期間に定めのある労働者(派遣)です。その際、労働側委員の質問に対し次のような回答がありました。
Q:派遣会社の正社員の処遇について質問

同一労働同一賃金の趣旨からすれば、派遣会社の正社員は均等待遇・均衡待遇の処遇検討の対象から除外される。派遣会社の正社員の労働条件の向上のためにも別途「配慮すべき」等の指導は必要ではないか。

A:労働局回答

派遣会社の正社員も派遣先に派遣される場合は、均等処遇・均衡処遇の対象であり、労働条件は非正規の派遣社員と同様「派遣先均等・均衡方式」又は「労使協定方式」により労働条件が確認される。

派遣労働者であれば無期雇用の労働者であっても同一労働同一賃金の適用は可能という事です。この内容も連合本部から何も説明はありません。

【ひるまず ガンバロウ】
私たち2020春季生活闘争では連合本部方針のもと要求と具体的運動を検討します。同一労働同一賃金の適用は非正規労働者の多い私たち組織にとって最重点課題です。その最重点課題に対して、制度創設に大きな役割を持っている連合から何の説明もなく具体的運動方針もないのは残念の一言です。
そうはいっても、経営側の準備は進んでいます。行政から経営側に対する指導・情報提供は継続されています。私たちも、情報取得に目を凝らし、自らネットワークを構築して進むしかありません。団結という鎧を強くして、果敢に取り組んでいきましょう!
泣き言はいっても卑屈になってはいけない。人を恨めば穴二つ、後退するだけです。ひるまず ガンバロウ!

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