「従業員の希望や改善提案は一切受け付けない、従業員は黙って働けば良い」こういう事業者が未だにいます。特に起業したてや本業の好調をテコに異業種に進出する事業者に良く見られます。ただ、度が過ぎる事業者には従業員が大変迷惑します。そんな相談です。
【相談内容はこちらです】
1.デイサービス事業所に勤務する正社員。 2.正社員は本人を含め3名。介護職2名・マッサージ兼送迎1名。 3.この他パートタイマー10名が勤務している。 2.正社員3名は予てより長時間労働・サービス残業に苦慮していた。 3.色々なところへ相談したところ労働局のあっせん調停を進められた。 4.会社専務にサービス残業についてあっせん調停で整理したいと申し出た。 昨年12月25日のことである。 5.昨日、正社員3名が揃って出勤日であるとろ、専務に呼ばれた。 6.社長・専務・正社員3名で会談した。 7.社長専務は、3人がサービス残業清算に固執するのであれば会社を清算するとした。 そして、本日(1月10日)の勤務終了日を以って解雇し、予告手当は支払うとした。 8.3人から理由は何かと問い質したところ、会社清算のためとしか言わない。 9.このような解雇は成立するのか。
【次のようにアドバイスしました】
1.解雇権濫用による不当解雇です。 2.解雇理由に合理性はなく成立しません。 3.解雇撤回及び事業継続を求めた団体交渉から始めるべきです。 4.是非労組対応を検討しましょう。加入・結成を検討してください。
自分の不法行為を指摘されたら、それを揉み消すようにして、会社清算・労働者解雇を強行する。このような事業者が福祉の仕事を開業し、私たちの税金から運営費を回収する。何ともやり切れない話です。介護事業者の指導管理は地方自治体の仕事です。解雇を通告された正社員は地方自治体の担当部署へ相談しました。対応した担当者は、利用者から苦情はなく職員定数にも問題はない、特に指導に該当するところはありません、と答えました。介護職に人材が集まらないのはこういうところです。とはいえ、このような事案に悩む方々は是非お電話下さい。自治体の介護担当窓口は労働者より利用者重視です。相談するだけ無駄です。団体交渉で解決するのがベストです。