11月25日厚生労働省は、2020年「賃金引上げ等の実態に関する調査」結果を公表しました。7月から8月にかけて、「製造業」及び「卸売業、小売業」では常用労働者30人以上、その他の産業については常用労働者100人以上を雇用する企業から抽出して調査し、回答を得た1868社から、常用労働者100人以上を雇用する企業1670社についてまとめたものです。
11月25日の報道発表資料「令和2年「賃金引上げ等の実態に関する調査」の結果を公表します」はこちらです。
この中では、2020年中に1人平均賃金の引き上げを実施・予定する企業は81.5%で前年(90.2%)を下回ったとしています。改定額(予定含む)は4,940円(前年5,592円)、改定率は1.70%(同2.00%)です。厚労省の調査結果からは時間給・契約社員月給等、正社員以外の数値は読み取れませんでした。連合本部の2020春闘のまとめは7月16日公表されています。7月6日の集計を最終としてまとめたもので、平均賃上げ方式の加重平均では5,506円(1.90%)・対前年比‐491円(-0.17P)としていますが、これはほぼ正社員組合員(4,807組合/2,773,076組合員)の数値です。時間給集計では平均引き上げ額が27.11円(対前年比1.20円)、引き上げ後の平均時給が1027.21円とてしいます。372組合、736,244組合員の加重平均です。また、契約社員等の月給集計では引上げ額6,312円・3.02%(対前年比2,274円・+1.06P)、126組合・32,857組合員の数値としています。厚労省・連合ともに、増え続ける非正規労働者の実態を把握するにはデータ数が少ないのが実情です。非正規労働者の確保ができずに稼働が困難となっている職場は増えています。それでも、非正規労働者の賃金は正社員と比べ格段に低く、雇用も不安定です。この実態の改善を労使で交渉できて、法的不備を非正規労働者自らが行政に改善要望できる2021春闘を構築しましょう!