相談現場から-79「正社員だけ補償」とはあんまりだ!

緊急事態宣言下で飲食店・遊興娯楽施設の休業が続いています。解雇はしなくとも休業期間中の処遇について相談が寄せられています。特に賃金です。雇用身分によって差をつける、これはどうかと問われれば「公序良俗違反に近い」と言いたくなります。以下の相談が寄せられました。

【相談内容】

1.休業中のカラオケ店に勤務する店員。アルバイトで3年働き契約社員(月給制)
  に登用され2年。4月から3年目に突入。その直後休業となった。
2.具体的には4月10日(金)から休業。
3.休業期間中、正社員は賃金補償通常通り(100%補償)とされた。
4.しかし契約社員・アルバイトに賃金補償はなく休業補償手当もないとされた。
5.本人はアルバイト8名、契約社員2名(本人含む)の有給休暇取得を申し出た。
6.ただ有給休暇の発生していないアルバイトには特別措置を会社に求めた。
7.有給は何とかOKとなったが特別措置はダメと言われた。
8.休業日を全て有給で賄えたのは本人の他、勤続年数の長い者数人。
9.社員との格差はあまりに大きすぎる、均等に処遇することは義務ではないのか。

【以下の様にアドバイスしました】

1.同一事業主との雇用契約下で同種同様の仕事に就く場合均等処遇を講ずべき。
2.正社員のみに、賃金全額補償というのは公序良俗に反する。
3.少なくとも個人の有給消化ではなく、休業補償手当の適用はすべき。
4.会社は雇用調整助成金を活用して賃金補てんを100%に近付く様取り組むべき。
5.本人の取り組みは本来正社員管理職又は会社総務責任者が取り組むべきもの。
6.また、労働組合があれば、労働組合の要求となるもの。
7.本人の取り組みは称賛に値する。
8.今からでも遅くはないので労組対応を検討してはどうか。

苦しい時に立場の弱い者に苦痛を強いて、平時になってから、仲良く働こうと言われても「そうですね!」とはならないでしょう。

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