宿直勤務・深夜勤務の所定労働時間は様々です。所定労働時間以外は休憩時間なのか待機時間なのか仮眠時間なのか明確になっていると辛い深夜勤務も事故なく過ごせます。そうではない場合の相談が寄せられました。
【相談内容】
1.警備・ビル管理会社の契約社員です。1年契約を反復更新しています。 2.勤務は17時出勤、翌朝8時退勤。 3.会社はこの勤務時間で仮眠6時間、休憩1時間が含まれるとし7時間を控除します。 そして、実動は8時間と説明します。 4. 給与は日給月給で、日給はこの8時間に対して、8000円です。 5.但し、雇用契約書には仮眠時間・休憩時間の記載はありません。 「17時出勤、翌朝8時退勤」の記載のみです。 6.本人の勤務はこの宿泊勤務のみ。 7.会社は有給休暇の付与日数算定の際、2日で8時間なので、週30時間未満になるとし、 短時間労働者として計算しています。 8.会社のこの計算は正しいのでしょうか。 9.仮眠時間にも殆ど勤務が発生し、休憩時間も取得することは困難です。
【以下のようにアドバイスしました】
1.有給休暇の不付与日数算定は雇用契約に定める所定労働時間によります。 勤務実績ではありません。 2.ご本人の雇用契約書には休憩時間、仮眠時間の記載がありません。 特段の指定がないのであれば労基法に定める休憩時間が想定されます。 6時間以上に就き45分以上、1時間以上に就き60分以上が休憩時間の定めです。 3.ご本人の場合、15時間拘束なので、7.5時間拘束が2回と考えるのが妥当です。 そして、それぞれ45分の休憩が付与されるとするのが妥当です。 4.よって、勤務は15時間拘束13.5時間の実労働となります。 5.本人の泊まり勤務は10回を超えるのが通常としています。 10回として計算すると、月20日を勤務日として算定できます。 すると年間240日以上の勤務日が生じます。 すると、フルタイム労働者としての処遇が有給休暇付与日数算定時には必要となります。 6.勤務時間の観点からみても2日勤務で13.5時間です。 月20日であれば135時間が月の労働時間として算定できます。 すると、週30時間は超えているので、これも同様にフルタイムとしての処遇が必要です。 7.賃金の関係では、8時間として8000円としているので時間給1000円。 5.5時間の時間給及び深夜時間帯の手当の不足分が発生しています。 8.会社の過ちは大きく、きちんとした話し合いが必要です。