最低賃金審議会の議論 熱そう!?

7月19日に開催された北海道地方最低賃金審議会・第1回北海道最低賃金専門部会に関係労働者として出席し意見を聴取に臨んだ札幌パートユニオン吉崎美恵子会長の発言要旨が届きました。以下のとおりです。緊張の中、堂々と発言し、少し「ぐったり」とした様子です。FAX行動の文案作成の参考にしてはどうでしょうか。吉崎会長ご苦労様でした。

私は、札幌パートユニオン会 長 吉 崎  美恵子です。
札幌パーユニオンは1985年9月2日に結成された、個人加盟労働組合です。
組合員は現在124名です。正社員比率が一時5割を超えていましたが、現在は2割が
正社員、8割が正社員以外です。
正社員以外の組合員は時間給パートタイマーが大半でした。
現在は、月給制の契約社員・嘱託社員が増えています。それでも計算ベースは最低賃金を
目安とした時間給です。
月給制の正社員以外の労働者が増えた理由は、正社員以外の労働者のまとめ役・指導役と
して重宝するためです。勤続年数の長いパートタイマー、定年再雇用の嘱託社員が当ては
まります。

月給制といっても計算ベースは時間給ですから、仕事内容に見合った給与とは言い難いの
が大半です。
私自身、大手大型小売店のパート店員として長年勤務し、定年により退職しました。
その間、時間給契約でしたが業務は雇用契約書に記載される内容以外に、パート・新入正
社員への指導アドバイスが言外に含まれていました。
仕事のできるパートタイマーは長く勤務できる可能性はありますが、賃金が見合わないと
いう傾向は当時からあり、その根拠とされているのが最低賃金です。
今もここは同じです。
私は、社会保険加入要件を満たす労働時間で契約できたので、何とか生活収入は確保でき
ました。

時間給を賃金計算ベースとする、パートタイマーや月給制労働者で単独生計を維持しよう
とする場合、覚悟しなければならないことがあります。一つは世帯主となり扶養家族を持
てないこと、二つは自分自身のセイフティーネットとして複数職場で勤務することです。
現在の最低賃金を基準に計算される給与では、職場の責任は果たせても家族への責任は果
たせません、また、貯蓄可能な賃金を得られないので、緊急時に備えるには、別収入を確
保し備えるしかありません。
生計確保にこれだけの覚悟を強いられるのはあまりにも不合理です。
私は、国が定める最低賃金である以上、憲法その他の法令の趣旨に照らしその時世に地域
で生活していける水準でなければならないと痛感します。

国が定める生活保護基準でも、一人親家庭を想定し子ども2人の世帯を地域で生活可能な
水準として採用しています。この数字は重く受け止めるべきであり、法定労働時間を勤務
した場合の収入として採用すべきです。
これは、今回の最低賃金審議においては重要な論点として取り上げるべきです。

会社の業績による支払い能力が審議会で取りあげられます。
業績をもとにした議論は、あくまでも公正競争の下で企業活動が維持されている場合に成
立する議論です。現在の事業活動に見られる、大手事業体に富が集中し小規模事業体が我
慢を強いられるという事態は、一刻も早い是正措置が必要で、政策的是正措置が求められ
るものです。現在の事業活動から派生する支払い能力議論は、今の最低賃金審議会には提
示されるべきではないと考えます。

また、私が従事した大型小売店も含め、商品やサービスの価格を見れば年間を通じた「値
段」の全国格差は縮まっている感がします。年間の生活コストは全国の格差は縮まってい
ると感じます。生活コストの均一化が進む中では、最低賃金の全国一律化も当然進めてい
くべきだと考えています。
                                      以上

予定では8月28日に中央の目安伝達です。どうやら、中央の議論に熱が入り予定通りの伝達に黄色信号が点滅しているようです。労働側委員の奮闘でしょうか。詳細は伝わってきませんが、労働側委員の奮闘に声援を送りましょう。

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