7月7日、労働政策研究・研修機構(JILPT)はメールマガジン労働情報第1886号を配信し 、フランスで起きているゼネストの動向を紹介しました。年金制度の改革法案(年金支給開始年齢を引き上げ)に反対するもので労働組合主導で展開されています。フランスの労働組合組織率は7.7%です。日本の約半分ですが国民の支持は高く抗議行動への参加者も回を追うごとに増えています。詳細は以下の通りです
●国別労働トピック/JILPT <フランス> ▽年金制度改革の成立と全国的な抗議行動(1)―1995年以降、最大最多のデモ活動 年金支給開始年齢を引き上げる年金制度の改革法案が2023年1月初めに発表された 直後から、労働組合が主導する大規模な抗議行動が展開された。1月19日の全国的な 抗議行動やストライキを皮切りに6月6日までの間に14回の全国的な抗議行動がおこ なわれた。とりわけ1月31日の2回目の抗議行動には127万人(内務省発表、労組発 表では280万人)が参加、3月7日の6回目には128万人(内務省発表)が参加し、 1995年以降に行われた年金制度改革反対運動のなかで最多最大人数の抗議行動になった。 (JILPT調査部) JILPT 調査研究成果 海外労働情報 国別労働トピック:2023年7月 フランス記事(1) ▽年金制度改革の成立と全国的な抗議行動(2) ―ITUCは労働者の権利が政府によって尊重されていないと指摘 3月20日に国会で可決成立した年金制度改革に対するストライキは、主要業種 において従業員のスト参加率が5割に迫る勢いとなった。3月には数日間継続する ストライキが製油所や廃棄物収集部門で行われ、国民生活に影響が出始めた。その ため、政府はサービス再開のために従業員の徴用に着手した。国民生活に対する 影響は決して小さくなかったが、ストライキに対して国民の支持は一定数得られて おり、労組は責任ある行動をとっていると評価する国民も少なくなかった。一連の 年金制度改革に対する労働者の抗議行動に対する政府の対応については、ITUC (国際労働組合総連盟)が6月30日に公表したレポートにおいて、フランスを労 働者の権利が政府に尊重されていない国に挙げている。 (JILPT調査部) JILPT 調査研究成果 海外労働情報 国別労働トピック:2023年7月 フランス記事(2)
労働組合が組合員・国民・生活者目線で怒りを整然とした行動に昇華していく手法は伝統なのか国民性なのか、じっくりと探ってみたいです。産別運動とは異なる表現方法は私たちの組織にとても参考になります。