日頃、大変お世話になり、活用させていただいているJILPTの「メールマガジン労働情報」が2000号に達し、記念企画が進められています。下記の通りです。今回は労災(通勤災害・労災保険)です。
平成15年に配信を開始した「メールマガジン労働情報」は、おかげさまで2000号に到 達しました。記念企画として、JILPTの現職および歴代理事長5名の学識者によるコ ラムをリレー形式でお届けします。 在任中の出来事や労働問題・労働政策研究を巡る課題、研究機関としてのJILPTの役 割などについて論じています。 引き続きのご愛読・ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第2回 業務災害・通勤災害と労災保険 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 山口 浩一郎 上智大学名誉教授 労災保険は、業務災害と通勤災害を主たる補償の対象としている(労災保険法7条参照)。 そして、この支給要件となっているのが、業務起因性とか通勤起因性といわれるもので ある。つまり、補償は、業務とか通勤が原因となって生じた災害(負傷、疾病、障害、 死亡)にかぎられるということである。 しかし、世の中の活動は複雑で、業務や通勤に「起因」していなくとも、これに「関連」 して起こる事故は山ほどある。 このような場合、労災保険はどう対応すべきなのだろうか。 メールマガジン労働情報2000号記念企画 第2回 業務災害・通勤災害と労災保険
高齢者が貴重な労働力・人材として重宝されています。労働条件据え置き~割引といった内容で懇願され、「よっしゃ」と気前よく引き受ける方、生活環境上仕方なくと引き受ける方等、様々ですが、確実に65歳以上の労働力は増えています。そして、体力・身体能力の劣化に頓着しない仕事量・責任分野が労災の原因となっている事例もあります。業務関連は薄くとも、困っている仲間労働者を見れば、お節介と思われつつも厭わず手を差し伸べるシニア労働者も少なからず目にします。上記の2事例も、ひょっとすると経験豊かな熟練シニア労働者が被災されたのかもしれません。労働相談では、ここまでの重篤な被災ではないものの、「気を利かしたつもりなのに・・・」といった事例も寄せられています。11月は過重労働を中心とした労災防止強化月間。11月とは言わずシニア労働者を焦点に強化策を展開して欲しいと思いました。