総務部などの労務管理部門の人員削減が進む中、給与明細や源泉徴収票の電子化というかPCやスマホで確認してくださいとする会社が増えています。ペーパレスといって自慢している様です。でも、元来給与明細発行のものを電子化強要するのは労働条件の不利益変更に当たります。また、労働者が紙で直接交付を求めた場合も電子化強要はできません。そんな相談でした。
【相談内容】
1.大手コールセンターのオペレーター。契約社員として6か月雇用。 これまで3度更新している。勤続1年4か月。 2.4月1日が採用日。 3.採用時から給与明細はウエブ上に出力するのでスマホかPCで確認するように 言われている。 4.本人はスマホもPCも所有していない。電話はガラケー。 5.給料明細を書面でほしいと契約時及び契約更新時に伝えているが、 考えおくといわれそのまま。 6.給与明細の確認は、友人のスマホからせざるを得ない。 パスワードを入力するので、結構不安、必ずデータ消去処理をする。 7.給料明細の電子化は、会社がしますと言えば従わざるを得ないのか。
【つぎのようにアドバイスしました】
1.最近は給料明細書を電子化する会社が増えているが、労働者から「給与明細は書 面で求める」とされれば会社は書面提出しなくてはならない。 2.所得税法及び所得税法施行令では、給料明細書を電子化交付する場合、会社は労 働者の合意を得なければならないとしている。 あくまで、労働者の合意に基づく電子化です。 3.早速、会社に内容証明郵便で書面による給与明細を求めるとよい。 4.具体的期限日は明記すること。不安であれば、来館して相談して下さい。 お待ちしています。
国税庁はホームページのQ&Aでも解説しています。
国税庁URL「給与所得の源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)に係るQ&A」はこちらです。
前も掲載したことがあります。従業員にご苦労さんといって給与明細を手渡すくらいできいのでしょうか。省力化の方向が違うといいたいですね。