住宅地近隣の山に雪が降りました。午前6時には札幌市手稲地区で大粒の堅い雪が降ったとの報告が組合員から寄せられました。これから冬支度です。スタッドレスタイヤへの交換でGSや車関係の工場は大混雑を迎えます。それでも日中は日が差すと一瞬ほんわかします。朝晩は寒くてキツイです。特に郊外はキツイです。ケチ過剰の事業主による被害相談です。
【相談内容】
1.札幌市の近郊市で営業する機会工場の事務職。契約社員。勤続7年。 2.今年も11月に入り、室温も相当下がってきた。日中はそうでもないが朝、夕方以降は 室温が10度を下回る。現材、16時45分で6度。 3.今朝出勤入室時の室温は4度。住宅地の山は白く、冠雪が確認された。 4.事務所内に暖房施設はあるが季節始めの作動には上長の許可がいる。 社長は室内の奥に鎮座しているが、電気代や灯油代等光熱費にはうるさい・細かい。 5.この寒さ位では暖房使用を許可しない。「暖房を使うな」、「寒さ対策は自己責任」等 が口癖。 6.しかし、そろそろ度が過ぎていると思う。体の芯まで冷えて、体調が悪くなる。 7.このような言動は法律違反とはならないのか。労基の取り締まり事項ではないのか。
【以下のようにアドバイスしました】
1. 労働安全衛生法に基づく事務所衛生基準規則第4条に次のとおり定めている。 ➀事業者は室の気温が10度以下の場合は暖房する等適当な温度調節の措置を講じなけ ればならない。 ➁事業者は室を冷房する場合は当該室の気温を外気温より著しく低くしてはならない。 ただし、電子計算機等を設置する室において、その作業者に保温のための衣類等を着 用させた場合は、この限りでない。 ➂事業者は、空気調和設備を設けている場合は、室の気温が17度以上28度以下及び 相対湿度が40%以上70%以下になるように努めなければならない。 2.➂は努力義務。この度の相談対象の案件は➀及び➁に該当するもの。 また労働契約法上の安全配慮義務(労働契約法5条)の観点から見ても、会社の対応は 適切とはいえない。 3.本人の指摘する法律への違反に該当する。 4.まず会社(社長)に対して、寒くて体調を壊すので暖房を入れて欲しいと進言し反応を 確認してはどうか。 5.全く話にならないようであれば、安全配慮義務違反として、監督官庁へ申し入れ含めて 検討してはどうか。その際は、再度電話で相談して下さい。
「ケチと節約は似てな非なるもの」というセリフが映画のワンシーンにありました。節約は周りに利をもたらしますが、度が過ぎるケチは自らも不幸になる可能性が大です。従業員の健康を害するようなケチは「安全配慮義務違反」と正論でバッサリと断じられます。