北海道は3月を目前に控え大雪ラッシユです。私も22日、23日、24日と午前4時から3時間ほど雪掻きし、昼、夕方に各1時間といった按配です。菅平や朝日町の合宿を思い出します。さて、こんな道路事情ですから、社用車の事故もあちらこちらで見かけます。この社用車の事故について弁済義務を従業員に課すことができるようにしたい・・・というのはどうか?という相談でした。
【相談内容です】
1.道路工事・橋梁工事の事業会社。防水加工・特殊加工等も行う。特殊車両も使用する。 2.真夜中の作業が多く遠隔地で暗い場所の作業も多い。社用車の破損がままある。 3.破損させた運転手は、居づらくなってそのまま退職することもある。 4.会社は就業規則の改定を行うとしていて事故の場合の弁済規定を検討している。 5.内容は「労働者が社用車を事故等で損壊させた場合、修理代の一部を労働者に負担 させることがある、詳細は都度協議する」とのこと。 6.これは合法なのか。
【以下のようにアドバイスしました】
1.労働基準法では一定額の損害賠償額を予定する契約を締結することは禁じられている。 よって損害賠償予定の規定を就業規則に定めることはできない。 2.一方、実際に被った損害について、状況に応じて会社が労働者にその費用の全部又は 一部を請求することがある旨を規定することは合法とされている。 労基のこの内容を必ず説明します。曖昧なんですが。 3.ただ、これも就業規則の変更ということでいけば、一方的な変更・押しつけは不可。 従業員代表の選出も含め従業員間で良く話し合った方が良い。 4.そして、その結果を会社に要望として出して協議するとよい。 5.もっとも、組合対応とする方が最大に良い。検討されたい。
はっきり金額や計算式を記載して、支払義務ありとするのは、賠償予定と指摘できます。しかし、こんな分かり易い内容はあまりありません。大半は、手当のカットです。無事故手当のカットに始まり技能手当のカット、さらに賞与のり減額等‥。まず頭に入れるのは、今まで無かったものが、出てきた、それが賃金減額・カットに繋がるかどうかです。労働契約法の不利益変更禁止を活用することです。ここでもやはり、従業員代表がキーパーソンです。従業員の意見をまとめ上げることができる人が代表になるべきです。組合があればいいんですけどね。