北海道では有名観光地を持つ市町村がワーケーションによって地域再生を実現しようと懸命です。国立・国定公園や世界遺産で有名な自治体も計画づくりに余念がないようです。長期休暇に仕事をしながら滞在してもらい、サテライト事業所誘致と従業員定住化の実現が共通目標のようです。人口移動促進で地域再生はそうだろうなと思うところもあります。しかし、「ワーケーション」という考え方がしっくりきません。休暇中に働くということを推奨することが果たして正しいことかと問い返します。やはり違うのではないかと思います。会社所属の労働者が「仕事遂行」という義務を貼り付けられながら果たしてゆっくり休暇を過ごせるかどうか、余程仕事に対する裁量を持つ労働者でなければ無理なのではないか、そして、そのような裁量を持つ人は労働者として括れるのか、疑問が広がります。特に、何らかの疾病・罹患に遭遇した場合、業務中の災害(労災)適用判断はどうなるのか、とても疑問です。環境省や農水省が交付金事業を募集して自治体の取り組みを応援しています。急いでいる感がアリアリです。関係省庁の出先が手を挙げた自治体に出先機関を設置して、じっくりとその地に適した事業を育成することの方が大事なのではないかと強く思います。あくまでも営利追求の私企業はしたたかです。今の風潮に、一昔前の、なんとか創生資金の活用に舞い上がり萎んでしまった自治体が重なります。