CUNNはメール通信NO.1966で7月6日付連合通信・隔日版を紹介しました。その中で、「最低賃金の全国一律化を求める意見書」が北九州市議会で6月16日に賛成多数で採択されるまでの経過を報告しました。以下のとおりです。
◎ CUNNメール通信 ◎ N0.1966① 2021年7月6日 1.(情報)〈北九州市議会の意見書採択〉 ◆〈北九州市議会の意見書採択〉上/全国一律最賃/自民党市議が委員会で賛同/世 論の変化を反映したか 210706連合通信・隔日版 北九州市議会は6月16日、最低賃金の段階的な全国一律制度の導入を求める意見書 を賛成多数で採択した。政令指定都市での採択は異例。実現の決め手となったのは、 自民党市議の賛同だった。最賃をめぐる最近の世論の変化が反映しているとみられる。 ●「全国一律」と明記 今年3月、連合と全労協の地域労組でつくる北九州共闘センターが中心となって、 最賃の全国一律化を求める意見書を国に提出するよう、北九州市議会に陳情した。4 月22日に開かれた経済港湾委員会で、共闘センターの竹内俊一議長が提案の趣旨を説 明した。 追加資料として提出したのが、全労連が22都道府県で取り組んだ最低生計費試算調 査結果と、監修した中澤秀一静岡県立大学短期大学部准教授の論文、自民党最低賃金 一元化推進議員連盟の「緊急提言」(昨年6月発表)だった。 質疑の中で自民党市議から「最賃は(全国)同一であるべき」という意見が出され 委員会では全会一致で採択。6月16日の本会議で日本維新の会を除く賛成多数で採 択した。 最賃の「全国一律の実施」を求める意見書は政令指定都市では異例だ。 ●目安全協をにらんで 経済港湾委員会で「全国一元化」を主張した日野雄二市議(自民の会)に話を聞い た。 「(コロナ禍の)いま、率先して格差をなくさないといけない。最賃の一元化は九州 地方選出の衛藤征士郎衆院議員(自民党最賃議連会長)や山本幸三衆院議員(同幹事 長)も言っている。最賃議連の活動を党本部にも確認した。(最賃を引き上げる と) 『中小企業は成り立たない』という意見があるが、それは言い訳でしかない。以前か らそういう主張をしている」。 一方、共闘センターの竹内議長は「自民党市議から賛同意見が出たことには驚いた。 今年も採択は難しいかと思っていた」と振り返る。直前に日野市議に要請した時の印 象と、委員会での発言内容が違うものだったからだ。竹内議長は賛同を得るために要 請後も最賃議連の主張などを掲載した資料を届けたという。 自民党の市議が「全国一元化」を公然と主張し、意見書採択までこぎつけた意義は 大きい。地域間格差の弊害を訴える最賃議連や労組の主張が徐々に浸透してきたこと の反映と言えるのではないか。 今回の提案は、中央最賃審議会で5年に1度開かれる「目安に関する全員協議会」 で最賃改定の運用見直しが検討される時期をにらんだ取り組み。同議長は6月議会で 何としても意見書採択を実現させたかったと話す。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆〈北九州市議会の意見書採択〉下/全国一律最賃/上部団体の枠を超えて共闘/ 生計費試算調査の内容盛り込む 北九州市議会での意見書採択には上部団体の垣根を超えた、2年越しの労組の共闘 が奏功した。全労連の最低生計費試算調査の内容も意見書に盛り込まれた。自治労・ 全国一般福岡地本の山岡直明委員長は「同じような要求なのに、労組がばらばらに行 動することで労働者が不利益を被っている。できることから共闘する」と語る。 北九州市での「共闘」の取り組みは1年前にさかのぼる。北九州共闘センターと、 全労連傘下の北九州地区労連が昨年、連携して国に最賃の大幅引き上げを求める陳情 を市議会に行い、共闘が本格的に動き出した。 当時は継続審議となったが、盛り上がった機運を継続させようと、昨年10月に市内 で地元選出の山本幸三衆院議員(自民党最賃議連幹事長)の全国一元化を訴える講演 会を、自治労・全国一般福岡地本などが事実上、企画した。 今年1月、北九州市会議員選挙があり、該当する委員会メンバーが変わる中、共闘 センターは議員や政党への働きかけを強めた。竹内俊一議長によると、経済港湾委員 会前委員長だった市議(ハートフル北九州・旧民主党系)は、福岡の最賃額(時給8 42円)では社会保険料などを差し引くと手元に約12万円しか残らない実態を知らさ れ、「最賃格差は福岡のプライドが傷つく」と全国一律制への思いを強くしたという。 改選後、委員長は変わったが、同じ会派の後任に思いを引き継いだ。 ●全国で意見書採択を 全国一般福岡地本の山岡直明委員長は、昨年12月に福岡県議会で最賃の引き上げを 求める意見書が採択された影響もあったという。北九州市の意見書案は最終的にハー トフル北九州が取りまとめた。山岡委員長は「反対する要素がない内容。全国の地方 議会で採択を広げてほしい」と話す。 北九州地区労連の永吉孝一事務局長は「要請行動に加わりたかったがかなわなかっ た。全労連が取り組む最低生計費試算調査の結果は、生活にかかる金額は全国どこで も変わらないことを示している。意見書が採択された一助になった」と効果を語る。 意見書には「都市部と地方との間で大きな差がないことが団体の調査によって明ら かになっている」と明記されている。 ●野党は具体的な提起を 山岡委員長は昨年からの取り組みを振り返り、こう語る。 「ナショナルセンターの枠を超えて共闘や団結する考え方を広げていきたい。連合 には『全労連系の労組と交流するのはもってのほか』と言う人もいるが、同じような 要求をもつ労組がばらばらに行動することで労働者がいかに不利益を被っているの か、そういう実態を知らないといけない。共闘できるところでこれからもいっしょに やる」 北九州での共闘は最賃の取り組みにとどまらず、コロナ禍で困窮する労働者・市民 の支援・相談活動にも発展している。 竹内議長は「(総選挙に向けて)全国一律制度実現を具体的な議論に持ち込んでい くために、野党はスローガンだけではなく、労組と協議して財源や具体的な方策を含 めて提起をしてほしい」と述べ、政治課題として解決するよう野党への期待を語って いる。 ……………………………………………………………………………………………………………………………………… コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク 事務局 (発行責任者:岡本) 136-0071江東区亀戸7-8-9松甚ビル2F下町ユニオン内 TEL:03-3638-3369 FAX:03-5626-2423 https://cunn.online E-mail:shtmch@ybb.ne.jp ……………………………………………………………………………………………………………………………………
地域共闘を継続させそれぞれのセンターと各級議員の役割を発揮し県議会・市議会と働きかけた運動の成果です。継続は力なりの見本のような取り組みです。北海道の地域最低賃金審議会が始まりました。道内各市町村議会への意見書採択の取り組みも始まっています。良い手本・目標ができました。
第37期 札幌パートユニオン組合員 定例学習会 第1回 「最低賃金引き上げを考えよう」 日 時 2021年7月10日(土)15時~ 内 容 基調講演 CUNN(コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク) の最低賃金引き上げの取り組み CUNN(コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク) 事務局長 岡 本 哲 文 様 (質 疑) ま と め 参 加 事前申込制とします。7月5日(月)までにお申し込み下さい。 報告先 札幌パートユニオン事務局長 山本 功まで TEL011-210-1200 FAX011-206―4400