無期雇用転換逃れの「雇い止め」許すまじ!

コミュニティ・ユニオン全国ネット有期雇用プロジェクトチームは1月18日CUNN有期雇用PT通信334号を配信し、大学・研究機関の非正規労働者に対する無期雇用転換逃れの「雇い止め」の特集を紹介しました。背景には、2004年以降段階的に強行されている国の運営交付金削減の存在が指摘されています。北海道新聞でも東海大学教職員組合が札幌校内で取り組むストライキの様子を紹介しています。

北海道新聞で紹介された東海大学札幌校ストライキの様子

コミュニティ・ユニオン全国ネット有期雇用プロジェクトチーム通信
                   (CUNN有期雇用PT通信)334号 20230120

「研究者雇止め 厳しい資金繰り影響
 (『科学・政策と社会研究室』代表理事 榎木英介氏インタビュー)」(12/20毎日)

大学や研究機関の非正規労働者が、無期雇用へ転換できる権利を得られる2023年4月を
前に、雇止めされるケースが相次いでいる。
研究者のキャリア問題に詳しい病理医の榎木英介さんのインタビューから。
雇止めの背景には大学や研究機関が限られた財源でやりくりを強いられていることが背景
にある。
大学では国立大学が法人化された2004年以降、大学の基盤経費となる国からの運営交付金
段階的に削減されてきた。
その中で研究者らの「任期制」が主流となってきた。
無期転換した後に雇用を維持できる資金が確実ではなく、過度な競争により一部の大学に
資金が集中することも起きている。
2013年の改正労働契約法では、5年で無期転換することになったが、研究者らの場合は研
究機関やその継続性などを考慮し、特別に10年となった。
10年も同じところで働き続けるということは、そこで重要な役割を担ってきたことを意味
しているはずで、無期転換しないのはおかしい。
もちろん有期契約を望む人もいるが、研究者の意思に反して契約を切るのは、キャリアが
雑に扱われているという点でも問題だ。
研究者が国外に流出する可能性もあり、国や社会にとって損失だ。
未来の科学技術を担う国内の若者が研究職を避けるのではないかと懸念している。
この10年間、国も含めてアカデミアは何をしてきたのかと残念な思いだ。
大学や研究機関はまずは無期転換権を付与すべきで、研究資金の安定化や裁量が効く基盤
的な資金の充実化に向かってほしい。
研究分野で競争があるのはある程度仕方ないが、10年間勤務したら安定できるような道筋
があるべきだ。

〈K〉

※各ユニオンで取り組まれている有期雇用、非正規雇用の相談・交渉事例、争議報告を
 お寄せください。 より一層、情報共有、連帯の場としていきたいと考えています。
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