苦闘 アスベスト被害救済の取り組み

CUNNは6月1日「労働委員会関連情報メール通信」第6号 を配信し、中労委和解事例の続報を紹介しました。北海道の建設会社に職し退職後10年を経て40代で中皮腫を発症した組合員の労働委員会闘争・裁判闘争の結果報告です。詳細は以下のとおりです。

コミュニティ・ユニオン全国ネット「労働委員会関連情報メール通信」第6号 20230530

  北海道の小さな建設会社のアスベスト被害も裁判所で団交拒否も含めて和解

  前月に引き続いてアスベストユニオンの中労委和解事例を報告させてください。
  北海道の小さな町で高校を卒業後に10年余り地元の建設会社で働いていた組合員は、
退社から10年余り経った40代で中皮腫を発症しました。
 アスベストユニオンは早く解決しようと団体交渉を要求したのですが、なぜか東京の
弁護士が代理人になって、団交拒否。うちではアスベストなど使っていないと言うのが
理由。まもなく労災認定されたので、団交に応じるかと思ったのですが、電話で、見舞
金(100万円以下)ぐらいなら、というふざけた対応。
 やむなく神奈川県労働委員会に不当労働行為救済申し立てをして、当然のごとく救済
命令を勝ち取りました。しかし会社は中労委に再審査を申し立てました。
 組合員は、自分のことだけでなくて、多くの中皮腫患者の治療状況をよくしたいと、
患者と家族の会などで活動。大臣に申し入れをしたり、アスベストユニオンの大会など
でも講演してもらいました(コロナ禍でオンラインでしたが)。中労委では当初から和
解が進められましたが、会社側は行政訴訟までも争うなどと言う姿勢です。
 やむなくユニオンは、審理するまでもなく一日も早く命令をもらいたいと、強く要請
しました。ところが一昨年末ごろから組合員の容態が思わしくなくなってきました。や
むなく急ピッチで昨年3月には民事損害賠償裁判を提訴し、弁護士さんのご尽力で即座
に事実上の尋問まで行いました。しかし、残念ながら昨年7月に亡くなられました。
 あんなに元気に活動していたのに・・・中皮腫と言うのはそういう病気なのです。
 悔しさも糧に、弁護士さんが奮闘した結果、裁判は、提訴から半年余りで、和解協議
に入ることになりました。すると会社側は裁判所で和解するなら、中労委も和解したい
などと言い始めました。中労委でユニオンが提案した解決金50万円を拒否して、30
万ならよいなどという、全くふざけた対応。裁判では桁が二つ違う水準での和解が進め
られているのですが、会社は、そうした多額のお金を用意できるかどうかわからないな
どと言っていました。ユニオンが30万円もらうよりも、遺族に一日も早くきちんと和
解金を支払うべきだと主張し、中労委和解は決裂しました。
 ところが今年の4月になって、国から建設アスベスト給付金が支給されたことを受け
て、ついに会社が裁判所の和解勧告に応じて、遺族にも、ユニオンにも解決金を支払う
ことになりました。しかし、めでたしめでたしではありません。小さな会社の従業員で
も、大企業並みの損害賠償金が勝ち取れたことは、本当に大きな成果です。しかし、金
額の水準ではなくて、組合員が生きているうちに、解決したかったという思いでいっぱ
いです。 〈K〉

※各ユニオンで取り組まれている労働委員会対策、労働委員会の問題点、また活用法を
 お寄せください。情報共有を進めながら、各地の労働委員会の活用につなげていきた
 いと考えています。

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