9月20日、労働政策研究・研修機構(JILPT)はメールマガジン労働情報第1901号を配信し 、東京商工リサーチが9月15日公表した「訪問介護事業者の倒産動向調査(23年1-8月)」を紹介しました。同調査では老人福祉・介護事業者のち訪問介護事業者に倒産増が集中していると指摘しています。人手不足+諸物価高騰が大打撃としています。詳細は以下の通りです。
●「訪問介護」事業者の倒産が急増、ヘルパー不足や物価高が打撃/民間調査 東京商工リサーチは15日、「訪問介護事業者の倒産動向調査(23年1-8月)」 結果を発表した。2023年1月~8月の「訪問介護事業者」の倒産は44件(前年 同期30件)で、調査開始の2000年以降、同期間では過去最多を更新。44件の うち、コロナ倒産は17件(前年同期4件)、人手不足倒産は9件(同1件)で大幅 に増加。レポートでは「デイサービスなどの通所・短期入所介護事業や有料老人ホーム などを含む老人福祉・介護事業者では、倒産増が目立つのは訪問介護事業だけだ。 それだけヘルパー不足や物価高が訪問介護事業に打撃を与えており、早急な解消も見通 せず、今後も倒産が増える可能性が高まってきた」と分析している。 9月15日 東京商工リサーチ公表「訪問介護事業者の倒産動向調査(23年1-8月)」
2000年の介護保険制度導入時、支えてきたのは非正規中高年ヘルパーを中心とした献身的労働力です。低賃金・重労働の環境は変わりません。総合労働条件を他産業と比較すれば格差が開く一方とも言われます。介護従事者としての資格取得も目的は親族介護とする人が増えています。人が足りなければ外国人に頼るという発想では、魅力ある職場には程遠いといえます。