労働政策研究・研修機構(JILPT)は11月15日配信のメールマガジン労働情報第2012号で民間調査会社「帝国データバンク」が11月14日に公表した「103万円の壁」引き上げに対する企業アンケートの結果を 紹介しました。詳細は以下のとおりです。
●「103万円の壁」に関する企業調査、見直しを求める回答が9割以上/民間調査 帝国デーバンクは14日、「103万円の壁」引き上げに対する企業アンケートの結果を 公表した。「103万円の壁」引き上げをどう考えるか尋ねたところ引き上げに「賛成」 が67.8%。他方、103万円の壁自体を「撤廃すべき」は21.9%で、壁の引き上 げ「賛成」と「撤廃すべき」を合わせると9割の企業が103万円の壁について見直しを 求めている。「103万円の壁を意識するパートの方が多く、引き上げれば働き控えが解 消される」(飲食店)などの他、「社会保険料の106万円・130万円の壁もあるので、 所得税のみの見直しでは働き控えはそれほど変わらない」(情報サービス)と社会保険料も 含めた制度見直しについての声も聞かれたとしいてる。 帝国データバンク発信「103万円の壁」引き上げに対する企業アンケート 帝国データバンクホームページ・検索場所の表示画像です。
最低賃金引き上げ議論の場でも、労働時間短縮と年末の働き控え・労働者確保・そして社保加入対応が俎上にあがりそうになります。最低賃金の場では金額のみと割り切って議論しています。今般の「壁」の問題は事業主と労働者の心情を中心に議論すべきです。両者ともに気掛かりなのは「時間」です。一定勤務時間までは非課税とするという金額から離れた議論にトライしてはどうでしょうか。勿論、税の徴収者たる国・自治体は反対するでしょう。しかし、国民(自然人)・企業(法人)の過半数以上が求めているのであれば、実現に向けて知恵を絞るしかないです。