労働相談に寄せられる内容にため息が出るケースが多いのではないかと思います。加齢のせいか、暑さのせいかと色々考えてみても釈然としません。そんなとき「御政道が悪いばっかりに弱い者苛めをするものが後を絶たないようで」と啖呵調の声が聞こえてきて、はっと頭が冴えました。声の主は股旅姿の渥美清・寅さんで借金の取り立てにきたやくざ者を追い返すという夢の場面での台詞でした。そうだ、受ける相談に虎の威を借りた苛めに括ることができるものが多いのだ、と思いました。事故により身体に障害を負った人が「障害者がいるとイメージが悪く売り上げが落ちる」と雇い主から吐かれた、交通事故後遺症は営業に支障なしと産業医が診断したのに自宅待機休職命令と賃金カットを受けた等、常人には考えられない差別が職場では起きています。このような言葉を吐き、発令をする会社人の行動の根拠は何なのだろうか・・・、少なからず一強独裁に胡坐をかいて答弁する姿勢が影響しているのは間違いないと思います。御政道に就くものがやっていることは自分たちも社内で同じ状況を作れば許される、その思い上がりが根拠と思えば少し頭がすっきりしたのです。当然、このような差別は決して許されるものではありません。断固粉砕すべきものです。何故そのようなことが起きるかについて思いを巡らしても相談者の救済にはならないと割り切り、「御政道が悪いばっかりに弱い者苛めをするものが後を絶たないようで」と心の中で一人啖呵を切って、侵害された権利回復に取り組む、これを腹に据えたところで少し気力が回復したのでした。