相談現場から-66 有給休暇の前倒し付与を「返せ!」は無し。

従業員を何とか引き留めようとして色々手段を講じた結果、やっぱり辞めてしまった。この結果について、社内に問題があるのではないかと斟酌するのではなく、辞めた元従業員に「こんなに良くしてやったのに・・・」と怒りをぶつける、という相談でした。

【相談内容】

1.シティホテルコック(洋食)、正社員。
2.8月1日付入社。知人紹介で結構優遇され就いた。しかし、12月末日付け退職。
3.同僚・上司と合わず、また他の社員ともしっくりいかない。
4.そして、10月頃より、業務指導指示の在り方がきつく感じだした。
5.結果メンタル疾病にかかり、通院を余儀なくされた。
6.それでも総務から6カ月勤務後に付与される10日間の有給について先取りの付与可能
  とされた。紹介者の口添えらしい。
7.しかし病状は改善に向かわないため12月16日に12月31日付け退職を申し出た。
8.料理長からは了解されが、その後、総務より通知が来て、先取り付与した有給10日間
  について、本来付与されるべきではないので、その分の賃金を返還せよとされた。
  1月末日までの期限とのこと。
9.今日再度、督促の通知が来た。返金しなくてはならないか。
10.本人から有給の希望は出していないのだが。対処方のアドバイスを願う。

【以下のとおりアドバイスしました】

1.結論から言うと、返金しなくて良いです。
  理由は「入社日に付与する等法定を上回る有給休暇の付与をしたとしても、それを法定
  基準の取り扱いに戻すといった措置は取れない。一旦有利な条件で付与(分割付与)し
  た有給休暇を後に控除する事は出来ないということ。法定を上回る当該年休はあくまで
  法定年休の一部。不利な取り扱いをすることは認められない。」という通達が厚労省か
  ら出ているからです。
2.労働基準法第1条第2項でも「この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるか
  ら、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならない」と
  宣言しているので、労基法を上回る条件も同意していれば契約となるということ。
3.ご本人はその旨会社に返事をすることです。
4.ただ、本人単独よりも労組対応を進めます。一度来館して相談しませんか。
5.通達の内容は、ご自身で調べてみてください。労基に確認しても教えてくれます。

観光業界・宿泊業界には結構この手の話が出てきます。採用と労務管理の二重構造が未だ残っていること、労務担当者が意外と不勉強であることに原因があると指摘する人もいます。しかし、評論していても事態は好転しません。相談を通じて改善しませんか。

職場の労働相談はこちらへどうぞ!

労働組合結成相談もこちらへどうぞ!

こちらの電話をご利用ください!

札幌パートユニオン 011‐210-1200

札幌地区ユニオン  011-210-4195

労働組合が増えれば職場・地域・世間が良くなる!

明けましておめでとうございます。今年も元気良く、仲良くガンバロー!札幌地区ユニオン

1989年元旦は失業中でした。5歳、4歳、2歳の子供に配偶者、家族5人で迎えた元旦の朝に駅の売店に新聞と求人誌を買いに行き、黙々と仕事探しをしていました。バブル入り口の頃で比較的大らかな求人状況でしたが、それでも30代中盤には厳しく交通費を節約しながら面接を繰り返していました。何とか仕事に就いたその夏あたりからはバブルの渦中でどのように働いてきたか明確な記憶はありません。とにかく忙しかった記憶はあります。労働時間に関する法制度の緩和があり、労働者派遣法の改定が実施されたのもこの頃でした。今思えばこの時以降、労働者の働き方に関するルールで、あぁ~良くなったなぁ~と思えるものはありません。労働組合に加入したのもこの頃です。労働組合では広範囲に意見を出す機会を得ました。逆に取り組み方を誤ると思いもよらない不利益を被ることも体験しました。それだけ反応があるということでしょう。今、労働組合が発言をすべき時だと強く感じます。自分たちの生み出した利益の配分にもう少し貪欲であっても良いと感じます。札幌地区ユニオンの組合員からの年賀のメールです。今日深夜に届きました。

私たち、札幌地区ユニオンは組合員との議論を大事にしています。今年は、少し議論の輪を広げていければいいなぁ~と感じました。今年1年、また頑張りましょう!

職場の労働相談はこちらへどうぞ!

労働組合結成相談もこちらへどうぞ!

こちらの電話をご利用ください!

札幌パートユニオン 011‐210-1200

札幌地区ユニオン  011-210-4195

労働組合が増えれば職場・地域・世間が良くなる!

道労働局「過重労働解消相談ダイヤル」に34件の相談

北海道労働局は12月26日プレスリリースで10月27日(日)に実施した「過重労働解消相談ダイヤル」の結果を公表しました。34件の相談の中、長時間・過重労働に関する相談は13件とし、中には1カ月の時間外労働が80時間を超えているものが5件、100時間を超えているものも含まれるとしました。また、長時間労働につきものである残業手当未払いも15件に達したとしました。本人のみならず家族からの相談も寄せられています。詳細は以下のホームページを参照してください。

北海道労働局が12月26日に発表した「過重労働解消相談相談ダイヤル」の相談結果はこちらです。

別紙「相談事例」に記載されるホテルフロント勤務者(60歳以上)の相談は悲惨です。所謂「ワンオペ」というもので、月100時間超の残業時間・仮眠無しです。観光業種の求人に応募が無い所以です。札幌地区ユニオン・札幌パートユニオンも随時労働相談は受け付けています。ご活用下さい。

職場の労働相談はこちらへどうぞ!

労働組合結成相談もこちらへどうぞ!

こちらの電話をご利用ください!

札幌パートユニオン 011‐210-1200

札幌地区ユニオン  011-210-4195

労働組合が増えれば職場・地域・世間が良くなる!

明日のための年末!札幌地区ユニオン・パートユニオン学習会・望年の会

札幌地区ユニオン・札幌パートユニオンは12月27日15時より第3回定例学習会、2020春闘プレ学習会及び2019望年の会を札幌すみれホテルで開催しました。定例学習会は今年度シリーズで取り組んだ憲法学習会の締めくくりで、これまでの議論のポイントを確認して、これからこの取り組みが拡大していくよう組合員一人一人が声を挙げていこうとしました。参加した組合員からは行動に関する様々な提案が出されました。

総合司会の吉崎事務局次長 ご苦労様でした。

2020春闘プレ学習会では札幌地区ユニオン山本書記長から、札幌地区ユニオン独自の組合員に密着した春闘の在り方について提案がありました。春闘の取り組みの必要性と効果を組合員毎に検証した場合、見直す時期なのではないかとの問題提起をしました。そして、8項目の見直し基準を提示し今後の各組合との意見交換を経て、討論集会の場を企画したいとしました。春闘に限った討論の場を経て取り組みを進めるにあたり、参加者からは見直しの基準について3つの改善または追加提案がありました。

学習会の提案説明に立つ安井副会長(札幌パートユニオン)

17時30分から開催された、望年の会は「明日につながる望年の会です、活発にいきましょう」という熊谷代表の挨拶と共に開催しました。闘争報告・組織報告の後に始まった「演芸編」では組合員全員参加に近い賑わいとなりました。真山一郎(刃傷松の廊下)、振り付キャディーズ(年下の男の子)、民謡、ムード歌謡の帝王フランク永井、松山千春、ビートルズ、フォーククルセダーズ、レミオロメン、津村謙(上海帰りのリル)等々、締の乾杯がなくなるほどの芸ラッシュとなりました。トリの団結ガンバローでは、段取りを忘れる等のハプニングもあり最後までハラハラドキドキの忘年の会でした。

団結ガンバロー、右手?左手? どっちだっけ?
明日に向かって団結ガンバロー!ここだけは参加者全員一糸乱れず!

長時間にわたり参加していただいた30名を超える組合員の皆さん、今後も共に頑張りましょう!準備に奔走された事務局の皆さんありがとうございました。

職場の労働相談はこちらへどうぞ!

労働組合結成相談もこちらへどうぞ!

こちらの電話をご利用ください!

札幌パートユニオン 011‐210-1200

札幌地区ユニオン  011-210-4195

労働組合が増えれば職場・地域・世間が良くなる!

是非、副業に就きたいです、なんていう労働者はいる?

最近、副業に関する報道がたくさん出ています。今日、12月23日に配信された共同通信の記事がCUNNメール通信で送付されました。各紙の報道は概ねこの配信内容と似ています。この配信の通りの内容であれば副業は極めて危険なものと言わざるを得ません。

◎ CUNNメール通信 ◎ N0.1638 2019年12月27日

1.(情報)労災認定、副業の時間合算/新制度、勤務実態反映/政府、来年度にも
法改正へ                                    20191223共同通信配信

 副業や兼業の労災について議論する厚生労働省の労働政策審議会の部会が23日開
かれ、掛け持ちで働く人を労災認定する際、全ての労働時間を合算した残業時間を基
に判断する新制度の導入で合意した。勤務先ごとの労働時間で判断している現行制度
に比べ、勤務実態が反映され、労災認定されるケースが増えるとみられる。同省は来
年の通常国会に労災保険法などの改正案を提出し早ければ来年度中の施行を目指す。
  政府は副業や兼業を推進しているが、掛け持ちで働く人が増える中、個々の職場で
は労働時間が法定時間内に収まっていても、トータルの労働時間が認定基準を超える
ケースがあることが指摘されていた。
 過労死を招く脳・心臓疾患の労災認定基準では、発症前1カ月の法定労働時間(1
日8時間、週40時間)を超えた残業時間が100時間超の場合などとし、「過労死
ライン」と呼ばれる。
 現在は、複数の会社で働く人でも労働時間は個々の勤務先で判断される。新制度
は、この点を改め、複数の勤務先での労働時間を合算して残業時間を算出できるよう
にし、労災の認定基準を超えているかどうかを見る。
 過労自殺を含む精神疾患の労災認定でも、認定の基準となる労働時間や心的な負担
について、複数の勤務先の状況から総合的に判断する。
  また、現在、労災保険の給付額は労災が起きた勤務先の賃金のみを根拠としている
が、これを本業と副業を合わせた賃金をベースとすることで補償額が増額され、複数
の仕事を休まざるを得なかった場合に十分な給付を受けられるようにする。
  一方、副業先に選ばれることが増えているフリーランスなど雇用によらない働き方
については、これまでも労災認定の対象外だったが、新制度でも適用が見送られた。
  副業・兼業の推進に伴う労働環境の整備を巡っては、複数の職場にまたがる労働時
間の適正な把握や管理が難しいことから、上限規制する方法などについて現在、労政
審の別の部会で検討している。


……………………………………………………………………………………………………………………………………
コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク  事務局
       (発行責任者:岡本)
136-0071江東区亀戸7-8-9松甚ビル2F下町ユニオン内
TEL:03-3638-3369 FAX:03-5626-2423
     E-mail:shtmch@ybb.ne.jp 
……………………………………………………………………………………………………………………………………

ご覧の様に、副業は容認するものの、副業の賃金(特に残業手当)の担保、副業に従事する際の安全の担保が全くありません。事故が起きた場合の補償の問題は、法定労働時間を超過した分の支払いの義務化を強調し、安全確保の環境整備が確認された後に議論されるべきです。そもそも、副業したいと強く希望する労働者は少なく、解雇・失業状態になっても直ぐに無収入となることを避けるためとか、家計収入に補填が必要なためとか、結構切羽詰まった労働者がやむなく就くケースが大半です。今、副業容認は人手不足を補うための方便であり、決して労働者の利になるものではありません。ご注意を!

職場の労働相談はこちらへどうぞ!

労働組合結成相談もこちらへどうぞ!

こちらの電話をご利用ください!

札幌パートユニオン 011‐210-1200

札幌地区ユニオン  011-210-4195

労働組合が増えれば職場・地域・世間が良くなる!

やっぱり不安はある! パワハラ防止指針

2019年12月23日テレビ朝日「報道ステーション」(北海道はHTB)は「パワハラ防止の指針決定 6月に義務化」との表題で、この度のパワハラ防止指針決定に対する職場組合員の懸念を報じました。プレカリアートユニオンの組合員が堂々と不安を意見しています。一見の価値ありです。CUUNがメール通信N0.1637で全国に発信しています。

報道ステーションで報じられた映像はこちらです。

悪意のある企業は何を作っても抜け道を探します。ただ、この指針では誰もが同じような不安を抱きます。全国の津々浦々で労働者が声を挙げていきましょう!

職場の労働相談はこちらへどうぞ!

労働組合結成相談もこちらへどうぞ!

こちらの電話をご利用ください!

札幌パートユニオン 011‐210-1200

札幌地区ユニオン  011-210-4195

労働組合が増えれば職場・地域・世間が良くなる!

「改正労働者派遣法(同一労働同一賃金)説明会」に参加してきました。

12月23日、北海道労働局が開催する表題説明会に参加してきました。会場となった札幌第一合同庁舎2階講堂には参加者が2百名超に達しました。大半は「派遣先」企業の担当者という事でしたが、派遣元の方も若干見受けられました。私たち(二人)のような労働組合関係者はいたのでしょうか、知った顔はいませんでした。分厚い資料をもとに、今般の働き方改革・同一労働同一賃金推進に伴う労働者派遣法の改正部分について説明を受けました。概ね90分を少し超過する内容で説明を受けました。派遣先事業者に関するものに限定して説明されていましたが、派遣先事業者の方の情報開示の姿勢と派遣法遵守への忠誠心の度合いがこの改正の肝のような気がしました。資料を添付しますので、ご覧ください。

「令和2年4月施行 改正労働者派遣法(同一労働同一賃金)説明会」の資料はこちらです。

職場の労働相談はこちらへどうぞ!

労働組合結成相談もこちらへどうぞ!

こちらの電話をご利用ください!

札幌パートユニオン 011‐210-1200

札幌地区ユニオン  011-210-4195

労働組合が増えれば職場・地域・世間が良くなる!

冬のボーナス 日経調査では7年ぶり減 連合集計 ほぼ横並び

冬のボーナス支給状況を日本経済新聞は12月11日、連合は12月13日に発表しました。日本経済新聞の調査では12月2日時点で1人当たり、前年比0.99%減の84万293円(調査526社)としました。一方連合は12月11日時点の集計内容を公表しました。2960組合の集計で2.45カ月(前年比+0.05カ月)、金額で71万4067円(前年比+1万4131円)としました。内部留保が400兆円を超える中、景気変動に耐えて頑張ろうという気になるような支給状況ではありません。詳細は以下を参照してください。

「連合2019春季生活闘争 年末一時金 第3回最終回答集計結果について」はこちらです

2019春季生活闘争 年末一時金(夏冬型の冬分・季別・冬夏型の冬分)第3回(最終)回答集計

連合北海道は12月17日第75回地方員会を開き2020春闘方針を確認しました。夏冬賞与・月例賃金の引き上げや労働条件改善の取り組みがスタートします。また、全国のパート・非正規労働者の組合員で組織するCUNNはこれから最低賃金引上げの全国一斉行動や2020春闘の非正規全国統一行動等を実施します。札幌地区ユニオンも地場組合・労働現場の実態に合った取り組み方針を造り上げ、組合員一丸となって取り組みます、皆さんも参加してみませんか!

職場の労働相談はこちらへどうぞ!

労働組合結成相談もこちらへどうぞ!

こちらの電話をご利用ください!

札幌パートユニオン 011‐210-1200

札幌地区ユニオン  011-210-4195

労働組合が増えれば職場・地域・世間が良くなる!

労災防止指導員制度の復活と拡充が必要!

12月17日厚生労働省は「第1回精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」を開催しました。パワーハラスメント対策の法制化を踏まえた認定基準
の検討に加えて精神障害に関する最新の医学的知見等を踏まえた認定基準検討が議題です。厚生労働省は、2018(平成30)年度の精神障害に係わる労災請求件数は1,820件に達し、6年連続で過去最高を更新しているとしています。この現状を重く見て大臣官房審議官(労災、建設・自動車運送分野担当)が、 臨床精神医学者や労働者災害補償保険法等に精通した専門家に参集を求め、最新の医学 的知見に基づき、専門的見地から認定基準について検討を行うとしたものです。詳細は以下の内容をご参照下さい。

第1回精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会の詳細はこちらをご参照下さい

この検討会のメンバーに労働者側の事情に精通しているが皆無です。職場で何が起きているか、しっかりと表現できる委員が必要です。何とか参加を実現してほしいものです。そこで、かえすがえすも残念なのが「労災防止指導員制度」の廃止です。労働者と監督官がペア・複数で職場を抜き打ち視察するという制度で、その場で文書を交付することもありました。良く理解できない「事業仕分け」で廃止となってしまいました。今、増え続ける精神障害に関する労災事故防止・根絶のため従前の労災防止指導員制度を復活・拡充すべきです。人材確保の前に人材保護です。CUNNではこの内容を12月2日の厚労省要請行動で強く求めました。皆さんもお近くの労基・労働局に働きかけてください。

職場の労働相談はこちらへどうぞ!

労働組合結成相談もこちらへどうぞ!

こちらの電話をご利用ください!

札幌パートユニオン 011‐210-1200

札幌地区ユニオン  011-210-4195

労働組合が増えれば職場・地域・世間が良くなる!

パワハラ指針及びセクハラ指針の改正案に対するパブコメを! LET’s TRY

厚労省が募集しているパワハラ指針改正案とセクハラ指針改正案へのパブリックコメントの締め切りは12月20日です。日本労働弁護団水野英樹幹事長は自らが提出したパブコメをメールで配信しています。「私も個人的にパブコメを出しました。添付します。ベースは日本労働弁護団の意見書ですが、フォームからの投稿は字数制限や使用できる文字の制限があり、私の考えで短くするなどしています。コピペするだけで出せます。」と本人談。みんな、出そう!

日本労働弁護団水野幹事長提出のパブリックコメントはこちらです。

パワハラ指針改正案へのパブリックコメントはこちらから

セクハラ指針改正案へのパブリックコメントはこちらから

日本労働弁護団の意見書はこちらです

職場の労働相談はこちらへどうぞ!

労働組合結成相談もこちらへどうぞ!

こちらの電話をご利用ください!

札幌パートユニオン 011‐210-1200

札幌地区ユニオン  011-210-4195

労働組合が増えれば職場・地域・世間が良くなる!