労働相談現場から-31 会社の言うとうりにせよ!契約社員で60歳超えるんだから・・・ という非人間的な威圧はどこから来るのか!?

同一労働同一賃金が来年導入されるというのに、懸命に仕事をこなす契約社員にとって会社・職場は法の趣旨どおり対応するのでしょうか。今日の相談からはとても期待はできないなと感じました。大手通信会社系の通信設備会社です。契約社員に対しては、「ウチの会社で働けるんだから」と言わんばかりの高圧的な態度です。相談者の方には是非労組に加入して取り組みましょうとしました。

【相談内容は以下のとうりです】

1.札幌市内の情報通信系の通信環境整備の技術者。契約社員。6カ月雇用の反復更新。
  大手通信会社の系列会社。
2.契約社員の内6割強は大手通信会社正社員の定年再雇用者。
  正社員時はほぼ1千万円社員。企業年金もあり、健康のために出社している者が大半。
   本人がこれら定年再雇用者に仕事を教えなくてはならない。
3.2011年4月1日から勤務している。賃金は基本給と特別勤務手当が基準内。
  交通費と残業手当は別途支給。
4.特別勤務手当は2011年から9万円が支給されている。
  この特別勤務手当は、本人に固有のもので、就業規則にも規定はない。
5.また、本人・契約社員には年齢を理由とした定年制はない。
  契約社員就業規則に定年制はなく個別契約で雇用期間賃金を決定するとされた。
6.このような中、今日、10月1日からの雇用契約を次の通りとすると通知された。
 ⓵雇用期間は6カ月。10月1日~3月末日。
 ⓶基本給を30%減額する。特別勤務手当を全廃・0円とする。
 ⓷理由は、8月19日に60歳に達するので、基本給は契約社員就業規則17条を適用し
  特別勤務手当は正社員就業規則を適用するため、とされた。
7.本人はこれまで一度も適用されていない正社員就業規則を適用するのはおかしいとし、
  特別勤務手当カットは成立しないと主張した。
8.カット額は基本給30%と特別勤務手当全額カットで給与総額の51%になる。
9.会社は正社員は皆そうだから、問題無いとしている。合法か?

【以下のとおりアドバイスしました。】

1.労働条件の不利益変更。労働者の同意なしに変更は成立しない。
  労働契約法第8条の定め。
2.また、会社の説明に合理性はない。賃金変更に関する就業規則の規定は契約社員の基本
  給についてのみ、それも60歳に達した場合に30%減額とされ、特別加算金について
  の定めはない。
3.特別加算金を単に正社員もそうだからとして、全額カットするとし、正社員就業規則を
  適用するというのは論外。
  契約社員の労働条件について対象外とされる正社員就業規則を適用するというのは正に
  権利の濫用。
4.本人は、これに応ずる義務は無く、拒否することで更なる不利益を被ることもない。
  解雇にも通ずる契約内容。
5.労基もしくは労組へ相談してはどうか。
  労働審判でも敗訴することはないが、心理面のサポートは必要。
6.労組加入を検討してはどうか。

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