有給休暇取得は「働き方改革」の目玉であり、なんとしても取得の実績を挙げたいと国の総力を挙げて取り組む勢いです。何だか、ある意味情けないような気もしますが、これが現実です。こんな中でもアルバイト・パート雇用の従業員はさらに辛い思いをしています。格差をつける理由がどこにあるのか・・そんな相談です。
【相談内容はこちらです】
1.事務用品・機器の在庫品・商品仕分けのアルバイト。分かり易く言うと倉庫作業員。 コンビニ倉庫のピッキングのような仕事。 2.本人は自営業者だが、収入補填のため週4日、夜間の5時間勤務している。 勤続は2年半。 3.会社は有名会社で労働組合も組織されている。アルバイトは非組。 それでも、有給については法令どおり対応してくれている。 4.先月、2日間の有給を消化した。 その際、契約時間給の5時間分が支払われた。 5.今月に入り、有給申請をしようとしているところ、通達が配布された。 6.内容は、今後の有給消化にあたりという表題で、契約金額の6割補償とするとのこと。 7.他のアルバイトに聞いたところ、理由も説明されていないとのこと。 社員に聞いても、分からないとし、社員の有給はそのようことはないとしていた。 8.これは賃金未払というか、何らかの処罰に該当するのか。
【以下のようにアドバイスしました】
1.有給休暇取得時の不利益取扱い。労基法違反です。 2.その通達書面を持参して労基に申し立てするとよいです。 3.でも、その前に、本社労組に投書という形で改善願いを出してはどうでしょう。 4.それで断られた場合、また相談しましょう。 5.有給休暇取得時の賃金計算には3つの方法があります。 ➀通常の賃金で計算 ➁労基法の平均賃金方式で計算 ➂健康保険の標準報酬日額方式で計算 6.この計算方法の何れを用いるかは労働条件として決めておく必要があります。 7.多くの場合、➀の方法で運用されています。 8.この3つの方法を使い分けるという運用は不可です。 9.今回の場合、先月の申請分は➀の方法で計算されています。 規則としては➀を採用しているのは明らかです。 10.今回の変更を一方的に押し付けるという方法は良くありません。
幸いなことに、正社員で構成される労働組合があります。その組合の取り組みが上手く作用することを期待しましよう。