スマホの普及とともにあらゆる手続きが電子化・ペーパーレス化へと変わっています。昔、ワクワクしながら見たことのある給与明細もWEBで確認という会社も増えています。しかし、これも従業員の同意は必要です。そんな相談が寄せられました。
【相談内容は以下の通りです】
1.大手居酒屋チェーン店の店員。アルバイト雇用。 8月16日付採用、給与は時間給で、15日締め翌月10日支払い。 2.時間・賃金の管理は全て本社の一括管理。 3.10日の給料日以降、給与明細が交付されていないが、給与は振り込まれている。 4.店長に給与明細の交付を尋ねたところ、給与明細はweb上で閲覧するとのこと。 5.会社の給与サイトにアクセスし、生年月日・氏名・管理パスワードを入力して閲覧する とのこと。 6.当初面接で説明がなく、また本人はスマホ・IPAD、PC等を持っておらずできない とした。 7.店長は本社に聞いてみるとしたが、やはりWEBオンリーなので、給与明細の紙ベース 配布は不可とされた。 8.これは労基法違反ではないのか。
【以下のとおりアドバイスしました】
1.労基法では給与明細について直接記載はない。 2.労基法違反で考えるのであれば、労働契約不履行として争うことになる。 3.所得税法第231条では、給与を支払う者は給与の支払を受ける者に支払明細書を交付 しなくてはならないと定めている。 4.したがって、会社は従業員に給与明細書を交付する義務がある。 5.雇用契約締結の際に会社が給与明細のWEB対応について本人に説明もなく、 確認もしていない。 6.本人との雇用契約では給与明細を通常の紙で発効されると解釈して不合理はない。 7.この点では会社の契約不履行。 8.本人に対して給与明細が交付されないという不利益は会社の落ち度が原因。 9.会社は自らの落ち度による本人への不利益を補てんする義務がある。 10.以上の趣旨で会社に給与明細書を紙で下さいとしてください。 11.改善されなければ再度お電話ください。
職場で発生する悩み事は是非ご相談ください。労働条件不利益変更、雇用不安、苛め・嫌がらせ・セクハラ・パワハラ、そして事業所閉鎖等、一人で考えても妙案が出てこない場合があります。是非、ダイヤルしてみてください。