10月31日、労働政策研究・研修機構(JILPT)はメールマガジン労働情報第2102号を配信し、厚生労働省が10月28日に公表した「2025年版過労死等防止対策白書」を紹介しました。内容は以下のとおりです。
●「過労死等防止対策白書」公表、外食産業等の働き方の実態など調査分析/厚労省 厚生労働省は28日日、「2025年版過労死等防止対策白書」を公表した。 近年の過労死等の状況では、精神障害事案の労災請求件数や労災支給決定(認定) 件数の分析(概要7-9頁)から、精神障害に係る請求件数が2010年度に比べて 3倍以上、「自殺以外」が同約3.5倍、精神障害の発病に関与した事案での決定 件数(支給・不支給)では、「対人関係」、「パワハラ」等の職場環境に関する出 来事が大きく増加したと指摘。取組みの方向性として、長時間・過重労働の防止等 に加え、職場環境改善の取組を進めることを挙げた(同15頁)。 「過労死等防止対策大綱」が重点対象としている業種等(自動車運転従事者、教職員、 IT産業、外食産業、医療、建設業、メディア業界、芸術・芸能分野)の労災認定状 況(概要10-11頁)からは、精神障害事案で、医療と自動車運転従事者が大幅増、 建設業の高止まり、精神障害の発病に関与したと考えられる出来事は、重点業種等ご とに異なる傾向があるとし、取組みの方向性として、業種等ごとの特徴を踏まえた対 応等を挙げた(同15頁)。 厚労省10月28日公表「「令和7年版 過労死等防止対策白書」を公表します」 令和7年版 過労死等防止対策白書〔概要版]
精神障害での労災申請・認定が、年々増加しています。昨年度は過去最多で 「上司とのトラブル」など「職場の対人関係」に起因するケースが最多としています。職場の人手不足、接客技術の低下及び職場内コミュニュケーションの不足に起因しているのではないでしょうか。30年前の職場内省力化方針の失敗を総括しないままに、機械・AIに依存してはこの傾向はより深刻になるのではないでしょうか。
