気になる労働裁判「NHKとIBM」

今朝、北海道新聞と朝日新聞はNHKの不当労働行為確定とIBM社員が賃金減額で提訴したとの内容を報じました。NHKは大阪府労委が2013年に認定した不当労働行為を不満として最高裁まで争い敗訴しました。案件は団体交渉拒否です。団体交渉を申し込んだのは全日本放送受信料労働組合南大阪支部です。受信料の集金スタッフで構成する労組です。NHKは「最高裁の決定を踏まえ、真摯に対応する」とコメントしています。団体交渉拒否で最高裁まで争うのはあまり例を見ません。IBMは賃金減額に関する訴訟はこれまでにも何件か報じられています。何度も争わなければならない賃金制度というものは、それ自体コストがかかると思うのですがどうでしょうか。

NHKの不当労働行為確定に関する記事、IBMの賃金減額訴訟に関する記事はこちらです。

相談現場から-11                                                         就業規則の不利益変更は怖い!

就業規則の不利益変更は労働契約法(2012年成立)の第8条、第9条及び第10条で危ういとはいえ要件が定められました。前提としては原則不利益変更は不可で、どうしてもという場合であっても労働者の合意が必要ということです。しかし、2012(平成24)年以前の就業規則の不利益変更について労働者が被害を受けているという相談が寄せられました。

【相談内容】

1.ホテル風の旅館従業員。正社員。本人等は昭和の時代からの勤務。
  部屋付き係・担当さん、との呼称。
2.宿泊客の接客。部屋単位に対応し、チェックイン時→食事→就寝→朝食→チェックアウト
  まで一通り対応する。
3.採用時定年年齢は60歳であったが平成18(2006)年に定年が63歳に
  平成26(2014)年には65歳へと引き上がった。
4.会社就業規則に勤続手当・退職慰労金という規定がある。
5.勤続手当は以下のとおり。
(1)正社員の勤続2年目から5年目までは月額2千円、それ以降勤続1年毎に1千円が
   加算される。
(2)上限は1万円とされているので、勤続13年目からは1万円となる。
(3)定年年齢を超えた者及び定年退職後の再雇用には支給しない。
6.退職慰労金は以下のとおり。
(1)正社員の退職者につき勤続3年満了者に2万円支給。9年満了まで1万円を加算し、
   10年満了者は10万円。
(2)10年を超える者は1年に就き1万円を加算する。
(3)定年年齢を超えた者及び定年退職後の再雇用には支給しない。
7.会社は、平成28(2016)年60歳を超えた本人に対して、勤続手当をカットし
 退職慰労金を支給するとした。ただし、就業規則に基づき65歳(2021(平成33)年)
 までは正社員雇用とするとした。
8.本人等は、就業規則では勤続手当、退職慰労金は定年年齢まで継続する定めであると
 主張した。
9.会社は、平成18(2006)年に定年年齢を63歳に改定したさい、
 60歳以降の者には勤続手当は支給せず、退職慰労金は60歳で清算し
 60歳以降は適用しないと、定めているとした。
10.本人等はそのような説明は受けていないし、改定したという就業規則そのものも
  閲覧したことはないとした。
11.会社は本人の求めに応じられないとした。
  本人等は納得できないが時も経過している。どのように対応すべきか。

【以下のとおりアドバイスしました】

1.労働条件の不利益変更。
  2006年の改定時の状況がポイントだが現行就業規則が不開示状態にあることは違反。
2.2006年は労契法成立前なので、労働条件は労使対等で決定すること(労基法第2条)、
  作成、変更にあたって従業員の意見を十分聞き(90条)、従業員に周知する(80条)
  という手続きであった、この手続きが存在したか確認する必要がある。
  当然会社は従業員代表に説明したという証拠書類を持っていることが要件。
3.手続きの不備と変更理由に合理性があるかどうかがポイント。
  その上で本人等の主張を公序良俗違反に絞る方が良い。
4.2014年改定の際は労契法成立後であるが、変更内容が不利益ではないかどうか精査する
  必要がある。
5.65歳定年の法制化は2013年4月であり、会社の対応は遅れている。
  この点については就業規則改定時に説明する義務がある。
  法律を下回る就業規則は法定内容まで引き上げられるので、その時点の不利益者が
  いないかどうか、チェックし、本人等の議論に参加するよう呼び掛けてはどうか。
6.いずれにしても、個人レベルの話では成果は期待できない。労組対応を強く勧めます。

最近の労働相談に、「知らぬ間に就業規則が変更されていた」、ことについての不利益被害が寄せられています。労働契約法成立後の不利益変更には、手続き面や実際の不利益被害を被ることに合理性があるかどうか等を争点にすることで会社との話し合いが維持できますが、社内立場としてアウェイ感の強い状態ではとても就業規則の不利益変更に対抗できません。また、労働契約法成立前の不利益変更は時限爆弾みたいもので、突然不利益が降りかかるというダメージが出てきます。働くこと、生きることに1人で精を出すことが難しい時代です。労働組合へ参加し、個の力を結集して個を守りましょう。

札幌地区ユニオン   011-210-4195

札幌パートユニオン  011-210-1200

相談電話をお待ちしています。

相談現場から-10 高齢者の雇用選別を就業規則改定で!                           労契法第10条悪用への対処は労組結成で!!

労働契約法第8条は労働条件の変更には労働者の合意が必要としています。また、同第9条では就業規則により労働条件を変更する場合であっても一方的に不利益変更としてはならないと定めています。ただ、同第10条では次の要件を満たせば、就業規則による労働条件不利益変更を認めるとしています。その要件は①使用者が「変更後の就業規則を労働者に周知させ」たこと②「就業規則の変更」が「合理的なものである」ことです。この内容を活用(悪用)して高齢者の雇用選別を実施されたとの労働相談が寄せられています。

【相談内容】
1.札幌市内の警備会社勤務。パート雇用。6カ月雇用の反復更新。
2.平成12(2000)年から勤務。
2.入社時のパート従業員の就業規則では定年は60歳となっていた。
3.2013年11月に就業規則を改定し、60歳を超えているパート従業員のうち
  申し出があれば都度契約を更新するとされた。
4.この度、本年11月1日付で雇用契約を改定するとの通知が来た。
5.内容は定年年齢を65歳とし、改定日時点で65歳を超過しているパート従業員は、
  直後の契約満了時を以って退職とするとのこと。
6.本人は、4月~9月、10月から3月の雇用契約パターン。
7.11月1日で新就業規則が発足すると、来年3月末日が退職となる。
8.2013年11月改定の内容と比較して相当な不利益変更となる。これは阻止可能か?

【以下のとおりアドバイスしました。】
1.個人レベルの内容として捉えれば明らかな不利益変更。
2.労働契約法8条により本人の同意を得られなければ変更は不可能。
3.これを労働契約法第10条の観点から手続きを進めると、個人にとって不利益でも
  変更の必要性が合理的であれば、可能とされる。
4.従業員へ変更の必要性を説明し従業員代表から合意を得て、の周知がなされれば、
  変更は可能となる。
5.従業員代表の素養と責任感の持ち方が重要。
6.しかし、個人対応では限界。反対は思うほど容易ではない。
7.労働組合による法的組織対応が必要。
8.一度来館して、詳細の進め方を相談しましよう。

就業規則改定の際、会社・事業主は速さと力を駆使して一気に寄せてきます。法律を盾にすることは口では言えても、個人のレベルで対抗できるものではありません。是非、労働組合の取り組みとして考えてみませんか。一度相談電話をご利用ください。

札幌パートユニオン 011-210-1200

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10月は「年次有給休暇取得促進期間」だと!

6月に可決成立した「働き方改革法案」の一つに「年次有給休暇の計画付与」があります。労働基準法の改正です。2019年4月から実施され、使用者は、年10日以上の年次有給休暇が付与される全ての労働者(雇用形態を問いません)に対し、毎年5日間について、時季を指定して年次有給休暇を与える
ことが義務となります。厚労省はこの制度周知を徹底するために10月を「年次有給休暇取得促進期間」に設定しました。広報資料としてチラシも作成しています。賃金配分を高めて雇用人数を増やすこと、格差を是正することを優先して欲しいものです。人手不足を原因とした労働相談・経営相談もあるなか、トラブルの種をまいているようにしか映りません。チラシは以下のホームページを参照してください。

https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000179301_00006.html

 

労働相談現場から-9                              10月1日から最賃改定 相談来てます!

10月1日から北海道地域最低賃金が835円に改定されました。従前の810円から25円引き上がりました。厚労省も全国の労働局を通じて周知チラシを配布しています。10月1日以降、突如賃金が時給表示から日給表示に変更され、得した気分になったものの、ヨクヨク考えるとおかしいのかな?という相談が寄せられています。その一例をご紹介します。

【相談内容】

1.札幌市中央区内で営業するレストランバー勤務。アルバイトウエイター。
2.勤務時間は19時から25時まで。 時間給1000円で勤務していた。
3.10月1日から日給6000円として雇用契約書を作り直した。
4.アルバイトウエイターはオープン・クローズ業務にはタッチしていないので残業はない。
5.受け取る金額に変更はなく何故雇用契約書を作り直したのか店長(社員)に質問した。
6.店長(社員)は最賃の関係と返答した。
6.どういうことかわからない。こちらでわかれば教えて欲しい。

【次のようにアドバイスしました】

1.10月1日以前の時間給1000円の時点では、深夜割増手当の未払いです。
2.22時から27時まで間は25%の深夜割増手当を支給することになります。
3.19時から22時まで1000円の時給であれば 22時から25時までは1250円が
  時間給与となります。1時間につき250円の未払いです。
4.会社は、それを踏まえ日給表示に切り替えるよう店長に指示したと推測できます。
5.10月1日以降は、835円が最賃なので、これに併せて日給6000円の内訳を検討する
  と、時間給890円以下となります。
6.そうすると、賃下げになるので、労働条件不利益変更となります。
7.10月1日以降は、時間給1000円、22時以降1250円との内容を雇用契約書
  で確認すべきです。
8.また、10月1日以前の不足分は未払いとして請求すべきです。

皆さんから労働相談をお待ちしています。

札幌パートユニオン011-210-1200

札幌地区ユニオン 011-210-4195

北海道労働局が配布している2018年10月1日最低賃金改定のチラシはこちらです。

 

9月1日~2日 派遣トラブルホットライン                   雇い止め相談が42% 

2015年の「労働者派遣法改正」で個人単位の派遣上限が一律3年(有期雇用の場合)に設定されました。派遣労働者の「雇用安定措置」として導入されたものですが、当初よりNPO法人派遣労働ネットワーク等は改善すべきと指摘していました。同法改正から丁度3年が経過します。9月1日と2日の両日、NPO法人派遣労働ネットワークは電話相談「派遣トラブルホットライン」を開設しました。145人から相談が寄せられ、雇い止めに関する相談が61人(42%)に達しています。法律が期待した「雇用安定機能」の不十分さが露呈しました。同ネットワークは「派遣労働者の権利主張が可能となるような派遣法の抜本改正が必要」と指摘しています。「派遣トラブルホットライン」の内容は以下のCUNNメール通信NO.1476をご覧ください。

CUNNメール通信  N0.1476の内容はこちらです。

北海道ではこれほどの数には達していませんが派遣労働者の方々からの相談が増えています。今、お悩みの方、ひとりで悩まず是非、相談電話にトライして下さい。

幌パートユニオン  011-210-1200

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労働相談現場から-8                          無期雇用転換の拒否

勤続年数の長いパートタイマー、契約社員の方々から無期雇用転換の拒否に関する相談が増えてきました。無期雇用転換の申し入れに対して極端に労働条件を切り下げるという内容が大半です。この度ご紹介する事例は労働条件切り下げ+自社就業規則違反を内容としています。

【相談内容】
1.札幌市内の警備会社勤務。警備員。雇用形態はパートタイマー。
  2000(平成12)年9月12日より勤務。
  週40時間以内、雇保・社保加入。交通費実費。時間給は最低賃金額。
2.入社時より半年雇用契約を繰り返している。2013(平成25)年4月1日以降も
  6カ月間の雇用契約を間断なく反復更新し今日に至る。本年4月1日に本年9月30日
   までの雇用契約を締結した。
3.本人は本年4月5日に直接会社に対して無期雇用契約への転換を申込だ。
4.会社は現在勤務する職場は10月1日以降、他業者の受注となるため、他の部署への
  移動を提示するとし、これが嫌なら退職しかないとした。
5.そして10月1日以降はビジネスホテルの客室清掃・1日2時間・最低賃金・交通費実
  費・社保雇保無が雇用条件とされ、雇用契約期間は半年とされた。
6.会社のパートタイマー就業規則では、「無期転換社員の労働条件」として、
  無期雇用転換をした従業員の労働条件は、雇用期間を除き、従前と同一とする、
  と定められている。
7.会社の対応はおかしいのではないか。アドバイスを!

【次のようにアドバイスしました】                  
1.労働契約法第18条は2013(平成25)年4月1日以降に開始した有期雇用契約が
  通算5年を経過したときは、当該労働者の申込により無期雇用契約に転換することを定
  めている。
2.また、この当該労働者の申込は申込時の有期雇用契約が終了する前に履行されることが
  要件であり、無期雇用契約への転換は申込時の有期雇用契約が終了した翌日から成立
  するとされている。
3.本人は2018年3月31日を以って通算5年の雇用契約を満了し、その後間断なく
  2018年4月1日から同年9月30日までの雇用契約を会社との間に確認し、そして
  同契約の履行期間中に会社へ無期雇用契約への転換を書面で申込だので、
  本年10月1日からは無期雇用契約への転換となる。
4.賃金労働条件は会社就業規則により、現行から下回ってはならないので、
  現給補償となる。
5.ただ、勤務地確定には時間を要する。
  現実的には会社と協議して勤務地含む労働条件を定めることになる。
5.労組対応を勧める。

60歳以上の労働者に対して、以上の様な対応が多く発生しています。一人で悩まず、是非労働相談電話を活用してください。

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副業解禁を「待ってました」と喜ぶ人は誰?                             事業主は見て見ぬふり・本当は困る!                             働く人は生活苦の自前セーフティネット!!

厚労省は7月7日に第1回副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会を開催しました。昨年3月28日の働き方改革実現会議で「労働者の健康管理に留意しつつ、原則副業・兼業を認める方向で、その促進を図る。そして、その観点から、雇用保険制度・社会保険制度の公平な在り方、労働時間管理・健康管理の在り方、労災保険給付の在り方、について検討を進める。」と決議したことを受け議論に入ったものです。この間に3度の閣議決定を経ています。今回も含め、議論の前提は、副業・兼業を望む労働者が増えているが認める企業は少ないこと、労働者のキャリアアップを主体的に進める必要があること、となっています。しかし、労働者は、自分の才能開花のために技術・見識向上を強く望み副業・兼業を望んでいるのでしょうか。7月7日の会議で提出された資料を見る限りそのような事実はありません。労働者で副業に就く人の7割強は年間所得が299万円以下で副業に就く理由を「十分な収入」を得るためとしています。会社側は85.3%が副業・兼業を認めないとしており、「本業がおろそかになる」「長時間労働につながる」「労務・労働時間管理上の不安がある」ことをその理由としています。私たちは、二つから三つのパートを掛け持ちして働くパートさんから労働相談を受けます。その際、掛け持ちをする理由は、殆ど、一つの職場がダメになっても暫くは食いつなぐことが可能にするため、とのことです。自前のセーフティネットなのです。9月19日北海道新聞の朝刊に「企業75%超副業を認めず」とした記事が掲載されました。副業・兼業をめぐる情勢は何も変わっていません。労働者は好んで副業・兼業に就いているのではありません、一つの会社で得る賃金では生活できないのです。会社は、十分な賃金が払えず副業・兼業には黙認するものの、本当は辞めてほしいのです。一体、副業・兼業を真に望んでいるのは誰なのでしょうか?政府筋、厚労省及び経済団体も実態調査に多様性と工夫をもたせてはどうでしょうか。少なくともあと3年はこんな議論が出てくると思うとうんざりです。

9月19日北海道新聞朝刊の記事はこちらです。

労働相談現場から-7                                         退職妨害若者アルバイトが餌食⁉                               親を呼べ・代わりを探せ・損害賠償請求等々

9月19日の日本経済新聞朝刊に「退職妨害」に関する記事が特集されていました。全国の労働局への相談が急増し、解雇相談を上回る情況と報じています。私たちの相談窓口には一昨年あたりからこの現象が見られ今では相談の定番となっています。当初は学生アルバイトや退職後転職準備に励む若者がターゲットとなっています。今でも、若年層の比率は高いですが、人手不足の著しい業態では、中高年からも被害相談が寄せられています。寄せれらる相談内容を精査すれば、人手不足の原因は労働条件の低さにあります。低賃金・長時間労働・人間関係のモラル低下がみられる職場は人の入れ替わりが激しく、常に人手が不足しています。このような職場に応募し入職した労働者は「網」に絡まる「餌食」同様に、徹底的に貪られます。相談事例では「退職理由を親に聞くから親を呼べ、親が代わりに働くように言ってこい」、「退職は許可するが、代わりを見つけるまでは退職できないぞ」「退職することで生じた損害は倍賞請求する」等とすごまれたとの内容もありました。身体・精神等の被害が大きくなる前に相談場所に駆け込むことです。「労働相談」を検索してすぐに電話することです。当方も以下の電話番号で労働相談を受けています。一度相談してみてください。

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労働政策審議会議論 誰のために議論している?                                 札幌パートユニオン第34期定例学習会第2回 9/15

9月15日札幌パートユニオンは札幌地区ユニオン会議室で組合員約20名が参加し、第2回定例学習会を開催しました、テーマは、6月末に与党等の賛成多数で可決・成立した「働き方改革関連法案の注意すべきこれから」と題するもので、山本事務局長が講師を務めました。働き方改革関連法案では労働者の命に係わる重要な内容がとりあげられました。山本事務局長はその中から、「残業の上限規制」、「高プロ」及び「同一労働同一賃金」を「常注視」すべきものとして指摘しました。そして運動と政策活動の両面でこの法律を機能させない取り組みを実行しなければならないとしました。また、働き方改革法案の議論には含まれなかったものの、今、労政審の中で議論され、法案提出に向け準備されている「要注意課題」として、「解雇の金銭解決」、「副業」、「フリーランスへの法整備」及び「裁量労働制」を取り上げました。これらは、いずれも「労働者のニーズを尊重し、多様な生活様式に対応するため」導入が必要と、政府は説明しています。しかし、労働者のニーズに「裁判で勝ったが、やはり金銭で解決の方が良い」、「低賃金を厭わず、時間無制限で徹底的に働きたい」、「健康に自ら責任を持ち、2社でも3社でも掛け持ちして働きたい」及び「収入の不安定や社会保障の低さがあっても、雇用契約に縛られないで働きたい」というニーズはありません。議論の前提条件が荒唐無稽であり、全て、事業者のニーズが優先されて議題が提示されています。労政審は誰のために議論を続けているのか非常に憤りを感ずると山本事務局長はのべ、今後、多くの組合員がこの議論を常に注視し、ネットワークの中で情報交換を深め運動を継続していくことが必要としました。参加した組合員は最後まで熱心に議論を交わし、気が付く外は夕陽がとっぷりと沈みかけていました。

新野会長挨拶、ブラックアウトの怖さと原因を指摘。今、労働組合の活動が世の中を救える唯一の活動、と熱弁30分強。