中央フォーラム【声明】「今夏の五輪開催の断念と新型コロナウイルス対策の強化を求める」

北海道にも5月16日、緊急事態宣言が発令されました。5月末まで営業活動は自粛を基本とし不要不急の外出は控えることになります。しかし、この土壇場にきてもなお、ワクチン接種はおろかPCR検査もままなりません。感染者の方以上に医療介護の現場で働く方々の労苦には頭が下がるというか、恐縮します。一番の被害者です。私たち個々人の感染リスク削減が被害を軽減します。頑張って我慢しましょう!中央平和フォーラムが現下のコロナ禍における東京五輪開催に向けて「声明」を出しました。以下の通りです。

                           2021年5月17日
                     札幌平和運動フォーラム発第41号

労働組合委員長
各 級 議 員  各 位
関係団体代表者

                             札幌平和運動フォーラム
                             代表幹事 岩渕 昌彦
                            代表幹事 鈴木 克郎

今夏の五輪開催の断念と新型コロナウイルス対策の強化を求める」
                                    平和フォーラム声明の送付について

 

  日頃のご奮闘に対し、心より敬意を表します。
 中央フォーラムより、今夏の五輪開催の断念と新型コロナウイルス対策の強化を求める
声明が発出されましたので、お知らせいたします。

                                                                   以 上

―――――――【声明】今夏の五輪開催の断念と新型コロナウイルス対策の強化を求める

                                                           2021年5月14日

                                               フォーラム平和・人権・環境
                                               共同代表 藤本泰成
                                                        勝島一博

 新型コロナウイルス感染症の勢いが止まらない。緊急事態宣言下において、5月11日
には全国で6240人、12日には7057人の新規感染者が報告されている。1日の全国の死者も
100人を超えることとなった。医療機関は逼迫し、治療を受けられず死亡した者が全国で
3月は29人、4月は47人が報告されている。現在、東京都、大阪府など6都府県に緊急事態
宣言が、8県に蔓延防止等重点措置が適用され、対象地域の拡大も検討されている(5月13
日現在)。
 昨年4月7日、政府は最初の緊急事態宣言を発出し、5月25日には全面解除したが、その
間、全国の新規感染者が1000人を超えたことはなかった。7000人を超える現状を見れば、
より一層深刻な事態に突入していることは明らかだ。このような事態は、PCR検査の拡充
を行わず無症状の感染者を放置してきたこと、水際対策の不備から変異株の国内侵入を許
してしまったこと、ワクチン接種の準備が遅れたこと、何よりも世界の感染状況を軽視し
、最初の緊急事態宣言直後「Go To トラベル」キャンペーンや「Go To イート」キャン
ペーンなど経済政策を優先したことに原因がある。
 市民は感染拡大防止のために様々な自粛を強いられてきたが、政府の対策の不備から大
きな効果を上げるに至らなかった。休業要請や営業時間短縮措置などこれまでの政府の対
策は一貫性がなく、市民の理解を得るには説得力に欠ける。一度きり一律の給付金は、困
窮者を真に救済することにはつながらず、営業補償もその給付が滞っている。医療従事者
を優先するとしたワクチン接種も、医療従事者の接種が3割にも満たないまま、高齢者の
接種が始まっている。英国や米国では、2回目のワクチン接種完了者が3割を超えているが
日本は1回目の接種でさえ対象者の2%となっている。対策の遅れは火を見るより明らか
だ。
 このように市民社会が命の危険にさらされている中にあって、政府は7月23日の開会式
が予定されている東京オリンピック、そしてパラリンピック(以下総称して五輪)の開催
を強行しようとしている。菅首相は、五輪開催中止を求める野党の質問に対して「感染対
策を講じて、安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていく」と
繰り返し答弁し、その具体策を示すことなく五輪開催を強行しようとしている。
 しかし、3月20日に発表された公益財団法人「新聞通信調査会」の海外5カ国での世論調
査では、「中止すべきだ」「延期すべきだ」との回答の合計が全ての国で70%を超えてい
る。英ガーディアン、米ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズなど主要な海外メ
ディアも、開催に否定的な意見を掲載している。世界の感染状況からいっても、五輪が開
催できる状況にはないだろう。国内で始められた五輪開催中止を求めるネット署名への賛
同は、わずかな期間で35万人以上に達している。五輪への医療従事者派遣の要請に、当事
者から大きな反発が起き、選手へのワクチン優先接種も否定的な意見があがっている。
 ホストタウンを引き受ける自治体にも不安は広がり、受け入れ中止を表明する自治体も
現れている。
 世界中が命の危険にさらされている中にあって五輪開催にどのような意味があるのか。
 政府、JOCそして組織委員会は、その意味を示し得ていない。オリンピズムの根本原則
には「オリンピズムは肉体と意志と精神のすべての資質を高め、バランスよく結合させる
生き方の哲学である」と記載されている。
 それならば、「いのち」を優先することが求められるのではないか。現下の状況でオリ
ンピックを開催すべきではない。世界の、そして日本の市民社会は、決して開催を喜びは
しない。
 「いのちに寄り添う政治と社会」を求めて活動してきた平和フォーラムは、今夏の五輪
開催を断念し、新型コロナウイルス対策を強化し市民の命を最優先することを、日本政府
に対し強く求める。

訪問看護師の方の「指の間から命がこぼれていく」と感じ悔やまれる旨の発言が胸に刺さります。この現実をしっかりと受け止めて、非感染に頑張りましょう!

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