勤続年数の長いパートタイマー、契約社員の方々から無期雇用転換の拒否に関する相談が増えてきました。無期雇用転換の申し入れに対して極端に労働条件を切り下げるという内容が大半です。この度ご紹介する事例は労働条件切り下げ+自社就業規則違反を内容としています。
【相談内容】
1.札幌市内の警備会社勤務。警備員。雇用形態はパートタイマー。
2000(平成12)年9月12日より勤務。
週40時間以内、雇保・社保加入。交通費実費。時間給は最低賃金額。
2.入社時より半年雇用契約を繰り返している。2013(平成25)年4月1日以降も
6カ月間の雇用契約を間断なく反復更新し今日に至る。本年4月1日に本年9月30日
までの雇用契約を締結した。
3.本人は本年4月5日に直接会社に対して無期雇用契約への転換を申込だ。
4.会社は現在勤務する職場は10月1日以降、他業者の受注となるため、他の部署への
移動を提示するとし、これが嫌なら退職しかないとした。
5.そして10月1日以降はビジネスホテルの客室清掃・1日2時間・最低賃金・交通費実
費・社保雇保無が雇用条件とされ、雇用契約期間は半年とされた。
6.会社のパートタイマー就業規則では、「無期転換社員の労働条件」として、
無期雇用転換をした従業員の労働条件は、雇用期間を除き、従前と同一とする、
と定められている。
7.会社の対応はおかしいのではないか。アドバイスを!
【次のようにアドバイスしました】 1.労働契約法第18条は2013(平成25)年4月1日以降に開始した有期雇用契約が 通算5年を経過したときは、当該労働者の申込により無期雇用契約に転換することを定 めている。 2.また、この当該労働者の申込は申込時の有期雇用契約が終了する前に履行されることが 要件であり、無期雇用契約への転換は申込時の有期雇用契約が終了した翌日から成立 するとされている。 3.本人は2018年3月31日を以って通算5年の雇用契約を満了し、その後間断なく 2018年4月1日から同年9月30日までの雇用契約を会社との間に確認し、そして 同契約の履行期間中に会社へ無期雇用契約への転換を書面で申込だので、 本年10月1日からは無期雇用契約への転換となる。 4.賃金労働条件は会社就業規則により、現行から下回ってはならないので、 現給補償となる。 5.ただ、勤務地確定には時間を要する。 現実的には会社と協議して勤務地含む労働条件を定めることになる。 5.労組対応を勧める。
60歳以上の労働者に対して、以上の様な対応が多く発生しています。一人で悩まず、是非労働相談電話を活用してください。