相談現場から-82 誰かの犠牲で何とかなる事態ではない❢

新型コロナウィルス感染症への対策には関係者全てが知恵を出し合う勇気が必要です。面倒な箇所は切ってしまおう、正常化してから考えよう、では、誰かに犠牲を強いることになります。正常な社会生活の回復を遅らせるだけです。地理的に離れていて、それほど利の揚がらないところは、まずカット、そんな相談でした。

【相談内容】

1.全国にカットハウスを展開する会社の理容員。パートタイマー。
  週4日、1日6時間日勤務。シフト制。
2.札幌市内には4カ所営業している。
3.4月11日から5月末日まで事業所閉鎖とされ、現在も閉鎖のまま。
4.4カ所でパートタイマー・正社員合わせて約30人が勤務している。
5.本州方面では時間短縮のまま、営業している。
6.本社からの通知では、休業期間中は賃金は支払わないとしている。
  理由は「天災事変」に相当するもので会社に支払いの義務はないためとしている。
7.このような場合、会社の言う通り賃金は無くてやむを得ないのか。

【以下の様にアドバイスしました】

1.同一業務の本州の店舗が営業しているのであれば市内店舗の従業員の休業指示は
  全くの事業主都合によるもの。
2.天災事変を理由とする止むを得ない場合に該当しない。
3.事業主都合である場合、労基法では6割以上の賃金を補償しなくてはならない。
  ただ、ここは、営業の努力を全く駆使しない事業者の責任を問うべき。
4.まずは雇用契約上の契約賃金の10割補償が妥当。
5.まずは請求することが大事。
6.その後、策を練る必要がある。
  労基への賃金未払申立、裁判手続きとしての少額訴訟申立、又は労組による
  自主交渉(労組結成か労組加入)が考えられる。
7.労組対応であれば当方でも良いので来館してはどうか。

小規模事業者、非正規労働者、障がい者就労の方、そしてフリーランスの方々。今回の非常時に、国の助成制度の対象となるべき方々への対応が遅れています。医療現場・介護現場への緊急対応よりさらに重要として実施した一律10万円も殆ど行き渡らない状態。一方、非正規労働者の待遇改善のための「キャリアアップ助成金」の不正受給が全国で多発しています。全て、窓口業務の「手」が足りないことに尽きます。「小さな政府」を目指し「業務民営化」を促進し、目先の効率化とグローバリズムを追い求めた結果がこのザマです。想定外だから仕方がないではすまないです。

連合石狩地協の2020春闘行動の一環で6月13日(土)は千歳地区で6月20日(土)には江別地区で労働相談電話が開設されます。札幌地区ユニオンスタッフが応援参加します。みなさんのお電話お待ちしています。

6月13日(土)千歳地区 0123-23-2221 10時~17時 
6月20日(土)江別地区 011-382-0500 10時~17時

職場の労働相談はこちらへどうぞ!

労働組合結成相談もこちらへどうぞ!

こちらの電話をご利用ください!

札幌地区ユニオン  011-210-4195

札幌パートユニオン 011‐210-1200

労働組合が増えれば職場・地域・世間が良くなる!