8月30日、労働政策研究・研修機構(JILPT)はメールマガジン労働情報第1990号を配信し、厚労省が8月29日に公表した2024年度の地域別最低賃金改定額の状況を紹介しました。以下の通りです。
●最低賃金、27県で国の「目安」上回る、平均額は1,055円に/厚労省 厚生労働省は29日、地方最低賃金審議会が答申した2024年度の地域別最低賃金の改 定額を取りまとめた。中央最低賃金審議会答申の目安額50円(A~Cランク共通)を上 回る引き上げが27県で答申された。最高は徳島県84円、次いで岩手、愛媛59円、 島根58円等。 これにより、改定額の全国加重平均額は1,055円(昨年度1004円)と目安通りの 改定の場合の1,054円を上回り、1978年度に目安制度が始まって以降で最高額と なった。 最高額(東京都1,163円)に対する最低額(秋田県951円)の比率は81.8% (昨年度80.2%)で10年連続の改善。引上げは、10月1日から11月1日までの 間に順次発効される予定。 9/29厚労省ホームページ「全ての都道府県で地域別最低賃金の答申がなされました」 令和6年度 地域別最低賃金 答申状況
84円引上げの徳島県、59円引上げの岩手県・愛媛県そして58円引上げの 島根県。北海道の地域経済状況と何が異なるのか。景気回復に対峙する地元の姿勢・気迫が審議会をリードしたとしか思えません。こういう地域はどんな災難が来てもの乗り切るでしょう。果たして、今年も平均額を下回る(―45円)北海道はどうか、中央に対峙してでも自らの主張を通す強い意志が公労使三者にあるかということだと思う。最賃の持つ影響力を分析し格差解消へのとっかかりとする「労」に対して「使」と「公」はどうか。北海道の審議会が提出した2024年度最低賃金改定に関する答申書を読んでみましょう。