連合は2月24日・25日の両日10時から19時の間、全国一斉労働相談ホットライン「雇用SOS ちょっと待った!その解雇・雇い止め」を実施します。5日(金)は14時から事前zoom学習会「解雇・雇い止めへの対応について」を開催し180名を超える全国の相談担当者が参加しました。講師には日本労働弁護団常任幹事岡田俊宏弁護士をお招きしています。学習会では労働相談の現状と相談傾向の分析から入り、解雇対応と雇止め対応、非正規公務員の雇止めの対応とお話が進みました。
解雇ではコロナ被害に便乗する解雇を経営難の整理解雇として主張する例を取り上げました。この場合、整理解雇の4要件の考察に入る際、雇調金の活用の存否をまず確認し活用が確認できないのであれば、ほぼ便乗解雇に相当し団体交渉で取り上げることから着手してはとうかとしました。雇い止めでは、コロナ下において非正規労働者の失職・解雇・雇い止めが圧倒的に多く、特に女性非正規労働者の雇止めが急増の域に達しているとしました。
雇い止めでは労働契約法第19条の活用を中心にした対応がテーマとなりました。雇い止めに「整理解雇」的事情がある場合でも、客観的事実の確認と合理性・社会相当性の存在を確認していくことが重要としました。やはり団体交渉中心の取り組みが有効ではないかとしまし、不更新条項への対応も事実確認と同第19条2号を活用した主張を交渉などで展開してはどうかとしました。
ただ、非正規公務員の雇止めへの対応は民間労働者に適用される労働法制が不適用とされることから、地位確認の訴訟も成立し難い現状にあるとしました。そして損害賠償請求が認められる余地はあり、認定された例もあるとしました。確かに、個人としての対応はとてもハードルは高いと感じます。説明を聞いていて、労働組合による職場を挙げての対応が必要となるのだろうと強く感じました。
短時間とはいえ、まとまった上質の資料と適切な事例紹介もあり、大変有意義な学習会でした。岡田俊宏弁護士には厚く御礼申し上げます。痛切に感じたのは、ヒモジイ思いをする中での解雇・雇い止め対応は、1人・個別の対応では100%泣寝入りするだろう、ということです。お話の中では団体交渉の有効性を随分と感じました。労働組合による団体交渉を解決に向けた第一歩と、声高らかに言えるよう、「地力」を鍛えなくてはと思います。