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北海道労働局は昨年6月19日、2016(平成28)年度に労働者から寄せられた労働基準監督機関への申告1700件の内容を公表しました。申告とは労働者が事業場の労基法違反事実を通告して救済を求めるものです。申告により労働基準監督機関は違反事実の有無を確認し、違反が認められた場合は事業主に是正を指導します。
1700件の上位2つは賃金未払い(1350件)と解雇(210件)であり業種は建設業・商業・接客娯楽業・保険衛生業(福祉・医療)が上位です。相談事例では勤務シフトに穴をあけた罰金として賃金を相殺する(接客)、残業時間の上限を設定し上限をこえた分は未払い(商業)、解雇予告手当未払いの即日解雇(病院)、最低賃金以下の給料を支払い続けている(レンタカー業)等の凶暴な内容が多くみられます。
私たちの身の回りでは賃金が支払われない、事業主の気分次第で解雇を通告されるという労基法違反が頻発しています。監督行政がこれを取り締まろうにも、一向に収束する気配はありません。むしろ、政府が労働行政に関わる人員を削減すること、監督行政の業務を民間に委託しようとすることで、益々取り締まりの効果は失われています。このような状態の中で、今の国政議論を考察すれば、職場環境の不安定度は今後エスカレートすると考えられます。
この状況に歯止めを掛けるのが労働組合の役割で使命です。労働組合は、組合員の身近に起きている困りごとに耳を傾け、目を凝らして事実を把握しなくてはなりません。私たちは、昨年一年間、多くの声を挙げて身の回りの不条理・非合理性改善を訴えてきました。そして、誤った労働政策が生み出す労働者被害は何としても取り除く必要があり、労働者が安心して働ける制度を確立させる取り組みが急務であると強く主張してきました。
札幌地区ユニオン・札幌パートユニオンは地場労働者により構成される労働組合です。労働者の生活改善・権利向上に向けた労働相談活動を専門に展開しています。どうぞ気軽に電話してください。