相談現場から-77 タダ無期に一利も無し

無期雇用転換の周知が進む中の同一労働同一賃金制度の導入。4月には職場内で具体的に動き出します。心配されるのは「タダ無期」。無期雇用転換した他は労働条件改善無し、仕事の内容も変化なし(場合によっては増える)というもの。これって結構当事者の心に刺さります。そんな相談です。

【相談内容】

1.介護施設に勤務する契約社員。総務経理を担当する事務職。
2.派遣社員として勤務し1年経過後に直接雇用となった。今年3月末で5年満勤。
3.直接雇用となった時に雇用契約書を作成し記名押印して提出た。控えあり。
  雇用期間の定め無しとされている。
4.その後、賃上げはなく賞与・燃料手当はない。
  仕事内容は正社員事務職と同等であり、新人入職者への指導も担当する。
5.同一労働同一賃金が4月から制度として導入されるとのことだが、正社員と同等
  の処遇に改善されるのか?
6.このままでは、格差・低賃金のまま退職することもできず、我慢しながら働くと
  いうことになりそうで、嫌だ!
7.まだ転職の利く年令と思うので思い切って退職・転職を準備したい。

【以下の様にアドバイスしました】

1.今年の4月からということでもなく正社員と同じ仕事を命じられ実施していると
  いうことが明確になったときから不合理な格差下にある。
  その時点から差額補填の状況にあると考えても良い。
2.今の状況は「ただ無期」と言われるもので、雇用契約の期限を無期としたことで
  他の措置を一切しないというもの。
3.従前は訴訟意外に解決の道がなかったが、4月以降同一労働同一賃金の制度化を
  方針化し事業主に導入・運用を指導している。
4.この取り組みをしない事業主には、差額・不利益についての補填が科せられるが
  、その部分は訴訟による解決ということになる。
5.それでも、かなりの高確率で労働者側勝利になる。
6.また、労組対応でも解決の確率は格段に高くなっている。
  是非、労組に相談し、労組交渉から進めてみてはどうか。話だけでも聞いては?

「ずっと雇ってやるからいいだろう、文句を言うな!」これが「タダ無期」です。労働契約法が定めた無期雇用転換はこのような状況を想定していません。「タダ無期」は典型的な悪用であり、職場の人間関係を悪くし、人材育成もままならず、定着率も悪くなります。百害あって一利無しです。撲滅対象です。

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