9月28日「非正規労働者の権利実現全国会議」が均等待遇に関する研究会をオンラインで開催しました。その内容がCUNNのメール通信NO1809で配信されましたのでご報告します。鳴り物入りで成立した同一労働同一賃金の制度ですが、職場内で成功したとの声は聞こえません。
◎ CUNNメール通信 ◎ N0.1809 2020年10月5日
1.(情報)公正な職務評価で均等待遇を/非正規全国会議が研究会開催
201003連合通信・隔日版
学者や弁護士らでつくる「非正規労働者の権利実現全国会議」は9月28日、均等待
遇に関する研究会をオンラインで開いた。テーマは職務評価制度。非正規労働者が担
う業務の内容や難易度などを公正に評価することで、同一労働同一賃金を実現させよ
うと議論した。
代表幹事の中村和雄弁護士は、欧州連合の加盟国では、国際労働機関(ILO)1
00号条約(男女同一価値労働同一賃金に関する条約)の内容を原則に、賃金制度な
どの整備が進んだと解説した。
一方、日本では、1967年の批准以降も格差が続いていると批判。特に賃金差別
などの裁判で、条約を国内法の規範として認めていない点を問題視した。有期契約労
働者との不合理な格差を禁止した労働契約法20条の判決や改正パート・有期法の8、
9条を活用し、条約を規範に高めていく取り組みが重要と強調した。
その際に不可欠なのが、労働の評価だ。ILOが2008年に発行したガイドブッ
クの職務評価手法を紹介。(1)知識・技能(2)心身などの負担(3)責任(4)労働環境――
の項目について、それぞれの詳細な内容を点数化する「要素別点数法」だ。
中村弁護士は「日本の大企業の職務(人事)評価は、転勤や残業の可能性など、非
正規労働者に不利な内容で問題がある。欧州では配転や残業を強制できない。使用者
が職務評価を恣意(しい)的に用いるため組合は抵抗があると思うが、公正で客観的
な職務評価の制度作りに職場で取り組んでほしい」と呼び掛けた。
●委託の不合理さ、訴え
この職務評価方法を基に、委託先労働者の均等待遇を要求しているのが生協労連だ。
生協では人手不足を背景に宅配ドライバーの委託化が広がっている。生協労連は直
接雇用の正職員と委託ドライバーの職務評価調査を昨年10月から約5カ月かけて実
施。その結果、委託は責任や身体的負担などのポイントが正職員を上回っているにも
かかわらず、賃金は年収で約114万円低いことが明らかになったという。
報告した柳恵美子委員長は「改正パート・有期法は、同じ企業内での均衡・均等待
遇を求めるもので、企業が異なると、適用外だ。生協直雇用者の組合も一緒に、委託
料の引き上げを生協に要求しなければ、賃上げできない」と取り組みの意義を語っ
た。
同改正法は4月から大企業に適用。来年4月からは中小企業も含め、全面適用され
る。「下請けや委託で働く人は直雇用の人より賃金が低い。生協だけでなく、社会問
題にする必要がある。法改正の内容を知らせ、当事者の闘いにすることが大事」と強
調した。
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メール通信では生協労連の委託ドライバーへの同一労働同一賃金実現に向けた取り組みが紹介されています。9月28日の朝日新聞朝刊にもこの取り組みが紹介されていました。
9月28日朝日新聞朝刊に掲載された生協労連の取り組み記事のPDF版です
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