相談現場から―90 コロナ禍の整理解雇 あきらめず相談を

コロナ禍とはいえ、店舗統廃合・人員整理が無条件に行われても良いということにはなりません。法律に基づいた手続きはもちろん、従業員・労働者と事業者・会社の間で十分な話し合いが必要です。そんな相談でした。

【相談内容】

1.飲食店従業員。1年契約の契約社員。アルバイト管理等責任的役割も担当している。
  2020年1月入職、同年12月に契約更新。
2.時短営業等でコロナ禍も営業を続けてきた。
  市内4店舗のうち本人勤務の店を閉鎖し3店舗に集約するとのこと。
3.ついては、本人は8月末日で閉鎖さによる解雇と通知された。
  本人は、残り4カ月分の賃金を補償して欲しいとした。
4.店長は、不可抗力なのでそうはならないとした。補償は無理か。

【以下のとおりアドバイスしました】

1.期間の定めのある労働契約では、会社は止むを得ない事由がある場合でなければ、契
  約期間が満了するまで労働者を解雇することはできないのが原則です。
2.「やむを得ない事由」があれば、直ちに契約の解除の申入れができる(民法第628条)
  とされ、「やむを得ない事由」に、経営状況の悪化による廃業・統廃合を含むのは
  合理的説明・手続きがあれば可能となる場合があります。
3.今回の場合も、業績悪化の説明が十分で人員削減の必要性など説明する等して整理解
  雇の4要件を満たすことで、解雇することは可能です。
4.ただ、労働者が本来契約期間中に本来得られたはずの賃金相当額、契約期間満了まで
  の賃金相当額は補償されると考えるのが妥当ですし、可能です。
5.特に、店舗閉店であるものの、他に店舗があり、異動等で雇用継続が可能な場合、解
  雇することが権利の濫用に該当する可能性もあることから、店の雇用継続努力の姿勢
  如何では損害賠償請求も可能となる。
6.一度来館し、相談してはどうか。労組対応が良いと思います。

北海道にも緊急事態宣言が発令され、飲食店にはとても厳しい状況です。働いても十分な収入が確保できないそんな相談も寄せられます。収入補填の施策も十分ではなく生きていくのも大変です。助け合いの輪を広げながら歯を食いしばるしかありません。ガンバロー!

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