相談現場から-36 パワハラ加害行為を理由の解雇には具体的事実の確認が必要!

厚生労働省は6月26日、「平成30年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表しました。労働局に寄せられた相談件数の全数は26万6535件で前年を5.3%上回ったとし、そのうちパワハラは14.9%増の8万2797件で7年連続最多であるとしました。「いじめ・嫌がらせ・パワハラ」について企業側へ助言を求めたのは2599件(15.6%増)、専門家へのあっせん依頼は1808件(18.2%増)でこちらも過去最高の数値としています。詳細は以下のホームページを参照してください。

2019年6月26日公表 厚生労働省2018年度個別労働紛争解決制度利用状況

札幌地区ユニオンの相談電話には従業員の解雇(雇止め)にあたり「パワハラ」を理由とするものが増えています。ただ、その具体的事実の明示を求めると「個人情報」を理由に不開示とするものが多く、内実は、弱者を守ることを装い「扱いにくい部下の排除」又は「無期雇用転換の回避」を狙ったものです。具体的な事実を明らかにしなければ、弱者を守ったことにもならないし、法令順守の証しにもなりません。「いいふりこき」はダメ!

【相談内容】
1.百貨店の婦人服販売テナントの社員であったとろ、同テナント撤退を機に、同百貨店マ
  ネージャーの紹介で入社。
2.本社採用の契約社員。1年契約。3カ月の研修期間を経て本契約となった。
3.今年の6月末日で4年3カ月の契約となる。
4.4月末の本社営業課長面談で6月30日末を以って契約を打ち切りを通告された。
5.理由には、他の社員に対する威圧的行為・暴言・叱責等が指摘された。
6.本人の行為で多くの退職契約社員を生じさせたこと、職場の営業活動にマイナスである
  こと。
7.本人は具体的に誰の事を指すのか、多くの退職者とは何名なのか教えて欲しいとした。
8.同課長は、個人情報・プライバシーの関係上教えられないとした。
9.6月30日までは勤めるが、その後出社できないということか、又、この契約打ち切
  りに対して抗する手段はないのか。

【以下のようにアドバイスしました】

1.雇止め。但し反復更新を無条件に続けていることから、実態としては期限の定めの無い
  雇用契約に転じている。
2.よってこの雇止めには就業規則の解雇条件に定める事項に該当する等の合理的理由が
  必要。
3.また、本人対しての事実確認の行為も必要。
  会社の手続きには合理性の主張と事実確認の手続きが欠けている。
4.ここを主張して雇止め(解雇)無効を主張する。
  具体的には、会社の申出には応じないと主張することになる、
5.その後は出勤はできないものの、在籍を主張して労組交渉とするか裁判闘争とするかの
  何れか。
6.何れにしても労組に相談してはどうか。

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