厚生労働省は11月9日のプレスリリースで令和3年「就労条件総合調査」の結果を公表しました。「就労条件総合調査」は、民間企業の就労条件の現状を明らかにするもので、今回の対象には常用労働者 30 人以上の民営企業6,411社を抽出し令和3年1月1日現在の状況等について4,013 社から有効回答を得た、としています。
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プレスリリース用の「調査結果のポイント」では年次有給休暇の取得状況と労働費用(給与及び福利厚生費等)の2点を説明しています。年休取得率は昭和59年以降過去最高と自賛しています。働き方改革で有給取得5日の義務化をしても平均取得率56.6%を問題にすべきです。また、労働費用は5年前の調査時比で下がっています。5年前の賃金より少ない収入で諸税負担に応じなければならない労働者に生産性向上を求めるのは、少しムシが良すぎるのではないでしょうか。その他、働き方改革の目玉の一つであった裁量労働制は全く企業側に導入意志がなく、健康安全確保のための勤務間インターバール制度も進捗は見られません。笛吹けど踊らず、とは言葉がわるいでしょうか、国会内外の議論、ごり押し議論の結果がこれです。まさかコロナ禍を弁解に用いるとは思いませんが、今後しっかりと議論して納得できる進め方をしてほしいものです。