反省なくして何の緊急提言か?

労働政策研究・研修機構(JILPT)は11月12日のメールマガジン労働情報/第1729号で11月8日に開催された「新しい資本主義実現会議」の内容を配信しました。以下のとおりです。連合芳野会長の提言も掲載しています。

   【新しい資本主義に向けた緊急提言/新しい資本主義実現会議】
 政府は8日、第2回「新しい資本主義実現会議」を開催し、緊急提言「~未来を切り
拓く「新しい資本主義」とその起動に向けて~」を取りまとめた。成長戦略として、
科学技術立国の推進やイノベーションの担い手であるスタートアップの徹底支援等を打
ち出すとともに、分配戦略として、民間部門における分配強化に向けた支援を挙げ、具
体的には、春闘に向けた賃上げのあり方について議論を行うことや、従業員の給与を引
き上げた企業に対し、賃上げ促進税制の控除率を大胆に引き上げて支援を強化すること
などを提言している。
 また、公的部門における分配機能の強化として、看護、介護、保育などの現場で働い
ている人々の収入を増やすため、公的価格の見直しを行うとしている。

内閣官房ホームぺジ 新しい資本主義実現会議(第2回)議事次第 です。

官邸ホームページ 「令和3年11月8日 新しい資本主義実現会議」です。

連合芳野会長の意見表明(連合ホームページ)です。

 新しい資本主義の下で成長戦略 と分配戦略を起動し日本を元気にしていこうという趣旨と読みました。この新しい資本主義とはなんだ、ということで目を凝らすと、小さな政府・新自由主義に基づく規制緩和と経済活動最優先によるトルクルダウン式復興策から方向転換して人権・環境・自然に配慮した広範囲な幸せを実現するものと読みました。これまでの経済政策とそれを可能とした政府の在り方について反省が足りなすぎると思いませんか。新自由主義下で非正規・失業の状態を余儀なくされた国民は膨大な数に至ります。国の財政基盤を崩さんばかりの勢いです。今になって、労働局と地方自治体にその救済対策を押し付けていますが、対象となった被救済者もウンザリしている筈です。何故こうなったか、どこが悪かったのか、その上でこうします、という説明がないと、結局同じです。成長も分配も好循環も以前公約的扱いとされ失敗したものです。失敗の理由は明らかにしないといけない。

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