CUNNは10月5日、メール通信NO.2224を配信しシフト勤務者(アルバイト)の休業手当不利益支給是正の解決事例を紹介しました。以下のとおりです。
◎ CUNNメール通信 ◎ N0.2224 2022年10月5日 1.(報告)「やよい軒」のシフト制労働者が休業手当の適正支払いを実現/ 東京東部労組 〈全国一般東京東部労組書記長 須田〉 「やよい軒」のシフト制労働者が休業手当の適正支払いを実現! 定食チェーン「やよい軒」で働くアルバイト労働者・岩佐哲弘さんが全国一般東京東 部労組に加入し、新型コロナウイルスの感染拡大を受けての営業自粛に伴う休業手当が 過少だったとして運営会社の株式会社プレナスに対して適正な支払いを求めてきました。 会社側と団体交渉を重ねた結果、このほど岩佐さんが納得いく内容で解決の協定を結 ぶことができました。今回の問題はシフト制勤務で働く多くの非正規労働者に共通する 問題であり、この解決事例を活用しながら多くのシフト制労働者がともに声を上げても らうために報告します。 昨年、国の緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などを受けて、プレナスは店舗の一 時閉店や営業時間の短縮を実施し、これに伴い該当店舗の労働者に休業を命じました。 岩佐さんもその一人ですが、支給された休業手当が労働実態に合致していない点を問題 視していました。 岩佐さんは会社側と週3日勤務で雇用契約を結んでいましたが、実際には当時、平均 して週4.5日程度のシフト勤務に入っていました。ところが、会社側から払われた休 業手当は契約書上の週3日分だけでした。 そこで岩佐さんは個人的に会社側と掛け合いましたが、解決する見通しが立たなかった ため、今年7月に東部労組に加入し団体交渉を実施しました。その結果、会社側が支給し ていた休業手当とシフトの実態に即した休業手当との差額相当分を含む解決金を支払う内 容で合意し、同9月21日付けで会社側と協定書を締結しました。 一般的にシフト制によって働く労働者は直前まで労働日や労働時間が確定的に定まらず 店舗の都合などで勤務シフトが増減します。このため所定の労働日や労働時間があいまい となり、コロナ感染拡大の状況下で休業手当の支給にあたって不利益をこうむる人が多く 発生しています。 岩佐さんの場合、契約書で一応は勤務日を定めていましたが、実際の勤務シフトは契約 書よりも恒常的に多く入っていました。労働者の生活を守るという休業手当の趣旨から考 えれば、契約書の記載よりも多く働いている実態を基準に支給されるべきです。 ところが、シフト制によって働いてきた非正規労働者がコロナ下で休業手当が支払われ ない、あるいは支払われていても不当に少ないという相談が相次いでいます。実質的に雇 い止め・失業同然の扱いを受けている人も少なくありません。 岩佐さんは今回の解決を受けて「一人では泣き寝入りするしかなかったが、労働組合で 声を上げることで納得いく解決が得られて良かった。自分以外にも同じように悩んでいる 労働者は多いはずなので、その人たちも一緒に声を上げてほしい」と話しています。 全国のシフト制で働く労働者は岩佐さんに続いて生活と権利を守るためにともに声を上 げよう! ■参照ブログ記事 「 ブログ NPO法人労働組合作ろう!入ろう!相談センター」 …………………………………………………………………………………………………………………………………… コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク (発行責任者:岡本) 〒136-0071江東区亀戸7-8-9松甚ビル2F 下町ユニオン内 TEL:03-3638-3369 FAX:03-5626-2423 https://cunn.online E-mail:shtmch@ybb.ne.jp ……………………………………………………………………………………………………………………………………
アルバイト・パート等のシフト勤務の運用はこれまで多くの問題点が指摘され、相談も寄せられていました。雇用契約時は週2日・1日5時間とされていても、多忙・人手不足を理由にフルタイムに近い働き方が常態化している、しかし、有給取得や休業補償は雇用契約の「週2日・1日5時間」から算定されることについての相談です。労基にも相当数の問合せ相談があったようで、コロナ禍の今年1月7日に「いわゆる「シフト制」により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項」という雇用管理手引きを公表しました。もっと強い指導行為がないと行き渡りません。新しい資本主義の前に旧来の悪しき実態を改善すべきです。