5/26 武器輸出の拡大に抗議する声明発出

岸田首相は、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談した際、自衛隊車両を提供するなどウクライナ支援拡充を約束しました。 日本が軍用車両を現に紛争をしている当事国へ提供するのは初めてです。これに対して、平和フォーラム は 以下の声明を発出して武器輸出拡大に対し抗議しました。

ウクライナへの武器輸出の拡大を危惧する  日本政府は武器ではなく人道援助の拡充を

 岸田文雄首相は5月21日、ウクライナのゼレンスキー大統領と広島で会談し、自衛隊
車両を提供するなどウクライナ支援を拡充すると約束しました。同日、防衛省が公表した
「ウクライナへの装備品等の提供について」によれば、1/2t トラック、高機動車、資材
運搬車を合計100台規模で提供するとしています。高機動車は不整地走行性能が高く、
被弾しても走行できるタイヤ特性を持つ車両です。後方支援だけではなく、戦場から戦場
への兵員輸送、重火器、弾薬輸送などの戦闘支援に日本の「防衛装備品」が利用されるこ
とになります。これまでもウクライナに対しては、2022年3月以来、防弾チョッキ、
ヘルメット、小型ドローンなどが提供されてきましたが、軍用車両が現に紛争をしている
当事国に提供されるのは初めてのことです。
 そもそも日本政府は、アジア・太平洋戦争後半世紀以上に渡り、武器の輸出を原則禁じ
ていました。1967年4月、当時の佐藤栄作首相が国会で、⓵共産国、⓶国連決議によ
り武器等の輸出の禁止がされている国、➂国際紛争中の当事国またはそのおそれのある国
に武器輸出してはならないと答弁して以降、日本政府の運用基準として「武器輸出三原則
」が定着していました。しかし、安倍晋三元首相が2014年4月に、武器の輸出入を原
則認める「防衛装備移転三原則」の方針を決定して以降、2015年には武器等の技術開
発の助成を目的とした「安全保障技術研究推進制度」がはじまり、国際武器見本市の開催
や出展など、武器輸出入を念頭に置いた政府の動きが加速しました。日本学術会議の会員
候補6人の任命を菅義偉首相(当時)が拒否したのは、同会議が武器技術の開発に反対し
、安全保障技術研究推進制度に抗議の意思を示したことが理由と思われます。
 その後、武器等を他国と共同開発し、武器輸出入をさらに拡大していくこと、また規模
が縮小していた国内の軍需産業を支援するために、岸田首相が2022年12月、安保三
文書でこの防衛装備移転三原則の運用指針の見直しを検討すると明言しています。見直し
にむけた協議が続く政府与党内では、殺傷能力のある装備品を輸出できるようにする意向
すら示されています。
 敵基地攻撃能力の保有と軍事費の大幅拡大の上に進められる武器輸出の緩和は、断じて
許されません。ウクライナ支援を口実にしての「幅広い防衛装備品の移転」つまるところ
攻撃的な兵器の輸出は、平和憲法をないがしろにし、国際紛争を助長させるものでしかあ
りません。
 平和フォーラムは、日本が「死の商人」となることを許しません。岸田政権が進める武
器輸出の緩和を阻み、ウクライナへの人道支援の拡充を政府に強く求めるとりくみを力強
くすすめていきます。
                             2023年5月25日
                          フォーラム平和・人権・環境
                              共同代表 藤本泰成
                              共同代表 勝島一博

憲法施行76周年 STOP改憲5・3憲法集会の際、右翼とおぼしき街宣車両が数台、国防大切・憲法九条改正等を拡声連呼し行進していました。国が自国で武器を製造し、戦争当事者へ戦争装備品を供与拡充し市井からは国防・軍備増強の声が大きくなる様は、彼の大戦前の世相に似ている気がします。平和支援・人道支援・外交戦略での貢献は日本だからこそできる質とレベルがあります。そこに特化して欲しいです。

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