札幌パートユニオンは10月20日(土)札幌地区ユニオン会議室で10月6日・7日に岩手県で開催されたCUNN第30回全国交流集会参加者による報告会を開催しました。同集会には全国から400名以上の非正規労働者等が参加し、札幌地区ユニオンからは札幌パートユニオン新野会長他3名が参加しました。札幌パートユニオン組合員はそれぞれ分科会に参加し全国の仲間と意見交換した内容を報告しました。無期雇用転換時の不利益変更、労災認定に関する取り組み、職場における長時間労働・労災対応の取り組み、働き方改革関連法への対応及び憲法改悪阻止等活発な議論が交わされました。同報告会には約20名が参加し、組合員の手作り料理を肴の懇親会の中でも活発な議論が続きました。
正社員希望の派遣社員4割 厚労省調査
厚労省は17日2017年の派遣労働実態調査の内容「平成29年派遣労働者実態調査の概況」を公表しました。2017年10月1日現在の意向調査であり1万158事業所・8728人の派遣労働者から回答を得ています。注目は派遣社員の今後の働き方についての問いに対して約4割正社員で働きたいとしたことです。労働者派遣法は1986年に13業種を対象に制定されました。その後1996年には26業種に拡大し、1999年には対象業務をネガティブリスト方式に変更し「港湾運送業務」、「建設業務」、「警備業務」及び「病院・診療所での医療業務」等7分野以外は全て対象となりました。更に2004年には受け入れ期間延長となり、2007年には製造業への派遣が解禁され一般業務派遣の期間が最長3年へと改定されました。このような改定の背景には、提案者(厚労省)より、派遣労働者として働くことへのニーズが高まっている、との説明がありました。今回の調査結果は正に逆の結果であり自己実現、将来設計及び充実した労働環境がままならないことの証しではないでしょうか。10月18日の朝日新聞・日本経済新聞の内容及びCUNN有期雇用PT通信188号の内容をご紹介します。
コミュニティ・ユニオン全国ネット有期雇用プロジェクトチーム通信 (CUNN有期雇用PT通信)188号 20181020 厚生労働省の平成29年派遣労働者実態調査が公表された。 派遣労働者の約4割が正社員への登用を希望していることが分かった。 派遣で働く人の年齢層は40歳代前半が最も多く、5年前の30才代後半から上昇した。 この調査は事業所1万158か所、そこで働く派遣労働者8728人から回答を得ている。 ここまでが日経新聞の報道記事から。 4割の根拠が気になったので、細かく見ると、 「今後の働き方」という設問で「派遣労働者以外」とした人が平均で48.9%、そのう ち80.8%が「正社員」としたので、かけ合わせてちょうど40%という数字。 しかし30代後半で、62%が派遣以外と答えており、そのうち正社員を希望する割合も 81.1%なので50%。 40代前半でも派遣以外が55.6%で、そのうち正社員を希望する割合も81.0%なので 45%に達する。 ちなみに過去1年間に派遣労働者からの苦情の申し出を受けた事業所の割合は 4.8%。 内容(複数回答)をみると、「人間関係・いじめ・パワーハラスメント」54.4%、 「業務 内容」27.7%、「指揮命令関係」24.9%の順となっている。 一方で、苦情を申し出たことがある派遣労働者は17.6%となっている。 苦情の主な内容をみると、「人間関係・い じめ・パワーハラスメント」が 28.1%と 最も高く、次いで「業務内容」、7.4%、「賃金」17.5%の 順となっている。 ここでもパワハラ対策が喫緊の課題であることは明らかだ。 詳細は下記サイト参照。 厚労省「平成29年派遣労働者実態調査の概況」はこちら 〈K〉 …………………………………………………………………………………………………………………………………… コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク 事務局 (発行責任者:岡本) 136-0071江東区亀戸7-8-9松甚ビル2F下町ユニオン内 TEL:03-3638-3369 FAX:03-5626-2423 E-mail:shtmch@ybb.ne.jp ……………………………………………………………………………………………………………………………………
高プロ省令案 労働者側反発! 進行方法に不審感
働き方改革関連法の目玉である高度プロフェッショナル制度(高プロ)に関する具体的審議が15日に労政審分科会で始まりました。高プロの制度詳細は厚労相が発令する省令でで定めることになっています。国会等での質疑は行いません。15日の労政審分科会では厚労省が省令内容のうち年収要件を提示しただけで、詳細な説明はないとしています。労働者側委員は丁寧な説明を求めるとし強く反発しています。厚労省の省令案提示だけで終了しそうな労政審分科会です。審議傍聴・議論公開を拡大する等して審議の公正化を担保する必要があるのではないでしょうか。CUNNはメール通信NO.1486で同分科会の内容を以下の様に報じています。
◎ CUNNメール通信 ◎ N0.1486 2018年10月19日 1. (情報)年収要件をめぐり紛糾/高プロ制の省令審議/厚労省事務局は疑問に答 えず 181018連合通信・隔日版 労働時間規制を外す高度プロフェッショナル制度(高プロ制)についての省令など を議論する労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の労働条件分科会が10月15日に 開かれた。対象者の年収要件や適用業務について議論した。年収要件とされる107 5万円に一時金や交通費を含めるのかをめぐり、審議が紛糾した。 ●1075万円は低すぎ 労働側委員の柴田謙司情報労連書記長は、1075万円の数値(毎月勤労統計)に パート労働者が含まれていることを問題視した。「高プロ制の対象者は真に使用者と の交渉力があり、正社員のなかでも特に会社から引き留めがあるような労働者だと認 識している。パート労働者を除外して計算すると、年収は1600万円以上になるの ではないか」と述べた。 他の労働側委員からも「1075万円は低すぎる」という声が相次いだ。 国会質疑で厚労省は「成果で変動せず、確実に支払われるものは年収要件に該当す る」として、通勤手当などは年収に含まれると答弁していた。労働側委員は「一時金 や退職金は含まれるのか」と質問。厚労省事務局は一時金などの扱いについては明確 にしなかった。1075万円の水準を見直すことには消極的な見解を示した。 働き方改革関連法の付帯決議は、高プロ制の年収要件について「真に使用者に対し て強い交渉力のある高度な専門職労働者にふさわしい処遇が保障される水準」を求 め、具体的には労働政策審議会でていねいに議論することとしたが、厚労省事務局は 踏み込もうとはしなかった。 使用者側委員の輪島忍経団連労働法制本部長は「年収1075万円は自然な考え 方」と述べ、審議の進め方については「高プロ制をどのようにポジティブに認めてい けるのか、認識を共有していくことが必要」と注文を付けた。 ●新入社員も対象か? 高プロ制の対象者に新入社員を含めるかどうかについても議論が交わされた。UA ゼンセンの八野正一副会長は「高度な専門的知識と高い交渉力があるというのが対象 者の条件なら、ある程度の経験値がある人を想定する必要がある」と述べた。その上 で「条文の要件はあいまいであり、労政審できちんと定めていく必要がある。本人の 同意をどういうふうに決めていくのかが重要だ」と話した。 …………………………………………………………………………………………………………………………………… コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク 事務局 (発行責任者:岡本) 136-0071江東区亀戸7-8-9松甚ビル2F下町ユニオン内 TEL:03-3638-3369 FAX:03-5626-2423 E-mail:shtmch@ybb.ne.jp ……………………………………………………………………………………………………………………………………
また、朝日新聞は以下の様に審議内容を報じています。
先般の国会論戦では労働法制改悪に歯止めがかけられませんでした。しかし、国民・労働者の不審と怒りは萎えてはいません。粘り強く労働法制改悪に抗しましょう!
相談現場から-15 労災・通勤災害になるか?
出勤途中・会社から帰宅途中に罹災した怪我は労災対象となります。この場合療養給付や休業補償の給付により安心して治療に専念できます。労災適用の判断は労働基準監督署が行います。会社の労務・総務担当者が判断するものではありません。時には、第一次判定者をきどる労務・総務担当管理職が罹災した従業員に迷惑をかける場合があります。こんな相談がありました。
【相談内容】
1.札幌市内・郊外の高齢者介護施設に勤務。正職員。 ヘルパー、資格あり。介護職員初任者研修。 2.通勤は汽車通勤。JR最寄り駅まで自転車10分、最寄り駅からJRで30分、 その後徒歩5分。帰宅はその逆パターン。 3.今月初旬、帰宅途中に坂道で躓き転倒し、肩を痛めた。 4.整形外科で診断を受け、診察の結果は「亜脱臼」とのこと。 5.現在、治療は整体クリニックにメインで通っている。 6.勤務は軽作業。今でも力を入れると痛いので、職長に説明し振り替えてもらっている。 7.労災申請について、通勤災害としたい旨を職長に申し出たが、職長は、届け出の 通勤ルート・手段と異なるとし、法人内の理解が得られない、としている。 8.実際、罹災した日は、雨のため、JR駅から自転車で帰宅することができずに、 徒歩で帰宅たもの。 8.通勤災害とは認められないケースだろうか?
【以下のようにアドバイスしました】
1.労災適否の判定は労働基準監督署の専権事項です。 職場上司・労務・総務担当者が判断するものではありません。 2.便宜上資料管理がしやすいということで会社等から届け出るケースが多いだけです。 3.本来は本人申請です。 4.今回のケースは通勤経路は一致しているが、手段が異なるだけ。 手段が異なることにも合理性があり、純然たる通勤の範囲です。 5.通勤災害として認められます。 6.会社から申請しないと言われた場合、本人申請することを告げることです。 7.その件で不利益があれば再度電話してください。
職場でのトラブル・働くうえでの困り事、あきらめずに電話してみませんか!電話番号はこちらです。相談無料・秘密厳守です。
札幌パートユニオン 011-210-1200
札幌地区ユニオン 011-210-4195
相談現場から-14 有期雇用契約期間中に解雇
期間の定めのある雇用契約で働く方の選別が事業者側から恣意的に強行されるケースが多いのではないでしょうか。人手不足とはいえ、パート・アルバイト・契約社員等の有期雇用契約で働く方々の職場は、人の入れ替わりが激しく、その理由に「事業者に気に入らない」とされた、という内容が結構存在します。以下のような相談が寄せられました。
【相談内容】
1.飲食レストランのホールスタッフ。時間給契約社員。2012年9月1日付採用。 雇用契約書は2月末までの6カ月雇用となっている。3月~8月が次の契約。 6カ月雇用の繰り返し。勤続6年経過。 2.更新の有無は、更新する場合があるとされている。 3.今日、16日に解雇予告を受けた。書面あり。解雇日は30日以上後の11月末日。 給与が末締めの翌月15日支払なので配慮したといわれた。相手は店長。 4.フルタイム勤務なので、雇保・社保は加入している。 5.書面に記載される解雇理由は就業規則の解雇理由に基づくとし、「勤務態度が著しく 不良で職場の風紀を正常な業務運営を阻害する」及び「他の社員との協調性に著しく 欠け、改善の意思がない」となっている。身に覚えがないし、例示説明もない。 以前より、店長とは相性が悪いと思っていた。 6.本人としては体もキツイので、解雇を受けてれてもよいかなと思うが、契約期間の 2月末までは雇用期間を保つのが妥当ではないかと思う。 7.このようなことは無理か? 8.ネットでは労働契約法第17条に、「やむを得ない事由」があれば有期雇用契約を解消 できるとされている。本人にもこれにあてはまるのか。
【以下のようにアドバイスしました】
1.6カ月の反復更新を6年繰り返しているので事実上は雇用の期限はなくなっています。 今は、雇用契約を解消する場合は正社員同様に合理的理由が必要です。 これは、労働契約法第17条の適用時も同様で、「やむえない理由」であっても 合理性がなければ解雇権濫用とされ無効となります。 2.合理性があるとは、客観的事実について双方がこれを認め、これが就業規則や法令に 照らし明らかに反するということです。 3.なので、今回の書面の様に指摘しただけでは合理的な解雇理由があとはいえません。 4.あくまでも事実を客観的に確立することが必要で、その事実が規則に反すること、 そして、会社が改善の努力をしたかどうが問われます。 5.会社の主張がとても不足しています。 ご本人は一度、労組・弁護士等と相談し主張を整理した方が良いです。 6.2月まで雇用期間を確立することは困難ではありません。
皆さん、相性が合わなくても、気に入らない上司と思っても、理不尽な対応には、投げやりにならず、ちょっと勇気を出して相談してみましょう!相談電話は以下です。
札幌パートユニオン 011-210-1200
札幌地区ユニオン 011-210-4195
「ハラスメント防止法」を成立させよう!
パワハラやセクハラによる職場被害は労働相談の定番です。地方労働局への相談も年々その数は増え、内容は深刻化しています。労政審ではこれらハラスメント被害に対する防止策が議論されています。連合委員からは法制化の必要性を訴えています。しかし、労政審事務方・使用者側はガイドライン程度で良いとしています。日本労働弁護団は、ハラスメント防止法の立法化は必要であるとし、提言を出しています。そして、なんとか労政審で立法化に向けた議論が進むよう支援を呼びかけ、「ネット署名」を展開しています。この度CUNNより「ネット署名」への協力呼びかけがありました。皆さんも主旨ご理解の上、署名参加おねがいします。CUNNメール通信の内容は以下のとおりです。
◎ CUNNメール通信 ◎ N0.1485 2018年10月15日 1. (要請)ハラスメント防止法の法制化を求めるネット署名/日本労働弁護団 〈日本労働弁護団幹事長 棗一郎〉 労働弁護団は今年6月に「ハラスメント防止法の立法提言」を発表していますが、現 在労働政策審議会において、ハラスメント対策が議論されています。 ところが、使用者側と厚労省事務局は立法にとても消極的で、ガイドラインなどで誤 魔化そうとしています。 連合の委員は立法が必要だと頑張ってくれていますが、年内には報告書・答申が出て しまいます。 皆で労政審の連合委員を応援して、ハラスメント防止法の立法を要求していきましょ う。 そのためのネット署名を始めましたので、全国の会員の皆さんに署名していただき、 それぞれの知人、友人、労働組合、市民団体などに署名を呼び掛けていきましょう! どうぞご協力お願いいたします。 ………………………………………………………………… コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク 事務局 (発行責任者:岡本) 136-0071江東区亀戸7-8-9松甚ビル2F下町ユニオン内 TEL:03-3638-3369 FAX:03-5626-2423 E-mail:shtmch@ybb.ne.jp …………………………………………………………………
賛同していただける方のネット署名はこちらから!
相談現場から-13 みなし残業手当の誤った運用
会社にとって人手不足は深刻な問題です。しかし当節、労働環境の悪い会社には中々人材が定着しません。悪い労働環境の代表が長時間労働と残業手当の不払です。そして、残業手当不払のために悪用されるのが「みなし残業手当」・「固定残業手当」です。両者とも同じです。寄せられた相談事例は次の通りです。
【相談内容】
1.札幌市内の居酒屋・食事チェーン店管理職。道内に10店舗を展開している。正社員。 2.就業規則では、公休4週8休、1日8時間のシフト勤務と定めている。 3.店長は管理職とされ、みなし残業手当が支給される。 そのため残業手当は支給しないとされている。 4.人手不足もあり、公休は月1日程度、22時以降明け方までの勤務も頻繁にある。 5.膨大な残業時間とみなし残業手当の額を比較する納得ができない。 6.就業規則の記載も表題があるだけで、時間・金額の記載が全くない。 7.当面、直には退職しないものの、不利益分の回収はしたい。 8.可能か。
【以下のとおりアドバイスしました】
1.みなし残業手当(固定残業手当)を運用するためには、就業規則への記載が必要です。 そして、①従業員へ周知、②金額と時間を明確に記載する、ことが要件とされます。 今回はいずれも履行されていないので法律違反です。 2.金額と時間が従業員毎に異なるのであれば、就業規則を基に個別労働条件説明書等を作成し 要件部分の内容を明記し当該従業員に説明し同意を得なければなりません。 3.現在の状況で不利益分を回収(未払い残業清算)するためには、総残業時間・手当から 支給された手当の総計を控除して金額を算出し請求するのが簡便です。 4.資料作成の時間とノウハウが必要です。 5.詳細は、労働組合等に相談して進めてはどうでしょう。一人では気持が折れがちです。
怒り心頭に発して、辞めてしまう前に労働組合に相談してみましょう!同じ経験を味わった組合員もいると思います。是非、ご相談ください。
札幌地区ユニオン 011-210-4195
札幌パートユニオン 011-210-1200
相談現場から-12 間違えたらお前が払え!
コンビニ店に勤務するアルバイトの若者から寄せられる相談の上位には「弁償」が出てきます。何年経っても改善されない問題です。今日、私たちのところにも寄せられています。内容は以下のとおりです。
【相談内容】
1.札幌市内のコンビ店のアルバイト。10月1日付で採用され勤務している。 週3日・5時間(原則午前中)・シフト勤務。時間給850円。 2.雇用契約書が今日手交された。全店統一の雇用契約書。 ただ、特記欄に、店長(オーナー)直筆で次の記載があった。 ①レジ担当の際、締め業務で過不足が生じた場合、 100円を超えるマイナスは、その担当者が負担する。 ②店内商品破損(食品も含む)はその担当者が負担する。 この②は、レジ横のおでん、肉まん及び揚げ物等を落として、取り替えた場合も含む、 と言われた。 3.これは、採用面接の際に言われていないものであるが、 店長曰く「全店同じだから」とのこと。 4.これは法律上許されることなのか。
【以下のようにアドバイスしました】
1.雇用契約としては倍賞予定の内容であり、労基法第16条に反する。 会社に損害を被らせた場合はその金額を弁済しろというのは労基法で禁じている。 2.このような契約内容に嫌気がさし、途中で退職を申し出た場合、「やめたら違約金を払え」 と脅す事業主がいますが、これも賠償予定禁止の規則に反するものです。 3.ご本人は、請求されても堂々と拒否することができます。 賃金から勝手に控除された場合は、賃金未払として労基に申し出ることです。 4.このような労基法違反の内容を雇用契約として主張する事業主に対しては、 不法行為の強要を理由に即日退職も可能です。 5.心配なところがあれば、いつでもご相談ください。
管理監督者は労務管理に対して一定の水準を持つべきです。コンビニFC本部は契約時に労務管理の一定水準保持を必須条件とすべきではないでしょうか。高い契約料を支払ったオーナー店長には酷ですが。レジのお金が不足すると店員に払わせ、多かったらどうするつもりなんでしょう、と言いたくなります。
労働相談はこちらへ‼
札幌パートユニオン 011-210-1200
札幌地区ユニオン 011-210-4195
気になる労働裁判「NHKとIBM」
今朝、北海道新聞と朝日新聞はNHKの不当労働行為確定とIBM社員が賃金減額で提訴したとの内容を報じました。NHKは大阪府労委が2013年に認定した不当労働行為を不満として最高裁まで争い敗訴しました。案件は団体交渉拒否です。団体交渉を申し込んだのは全日本放送受信料労働組合南大阪支部です。受信料の集金スタッフで構成する労組です。NHKは「最高裁の決定を踏まえ、真摯に対応する」とコメントしています。団体交渉拒否で最高裁まで争うのはあまり例を見ません。IBMは賃金減額に関する訴訟はこれまでにも何件か報じられています。何度も争わなければならない賃金制度というものは、それ自体コストがかかると思うのですがどうでしょうか。
相談現場から-11 就業規則の不利益変更は怖い!
就業規則の不利益変更は労働契約法(2012年成立)の第8条、第9条及び第10条で危ういとはいえ要件が定められました。前提としては原則不利益変更は不可で、どうしてもという場合であっても労働者の合意が必要ということです。しかし、2012(平成24)年以前の就業規則の不利益変更について労働者が被害を受けているという相談が寄せられました。
【相談内容】
1.ホテル風の旅館従業員。正社員。本人等は昭和の時代からの勤務。 部屋付き係・担当さん、との呼称。 2.宿泊客の接客。部屋単位に対応し、チェックイン時→食事→就寝→朝食→チェックアウト まで一通り対応する。 3.採用時定年年齢は60歳であったが平成18(2006)年に定年が63歳に 平成26(2014)年には65歳へと引き上がった。 4.会社就業規則に勤続手当・退職慰労金という規定がある。 5.勤続手当は以下のとおり。 (1)正社員の勤続2年目から5年目までは月額2千円、それ以降勤続1年毎に1千円が 加算される。 (2)上限は1万円とされているので、勤続13年目からは1万円となる。 (3)定年年齢を超えた者及び定年退職後の再雇用には支給しない。 6.退職慰労金は以下のとおり。 (1)正社員の退職者につき勤続3年満了者に2万円支給。9年満了まで1万円を加算し、 10年満了者は10万円。 (2)10年を超える者は1年に就き1万円を加算する。 (3)定年年齢を超えた者及び定年退職後の再雇用には支給しない。 7.会社は、平成28(2016)年60歳を超えた本人に対して、勤続手当をカットし 退職慰労金を支給するとした。ただし、就業規則に基づき65歳(2021(平成33)年) までは正社員雇用とするとした。 8.本人等は、就業規則では勤続手当、退職慰労金は定年年齢まで継続する定めであると 主張した。 9.会社は、平成18(2006)年に定年年齢を63歳に改定したさい、 60歳以降の者には勤続手当は支給せず、退職慰労金は60歳で清算し 60歳以降は適用しないと、定めているとした。 10.本人等はそのような説明は受けていないし、改定したという就業規則そのものも 閲覧したことはないとした。 11.会社は本人の求めに応じられないとした。 本人等は納得できないが時も経過している。どのように対応すべきか。
【以下のとおりアドバイスしました】
1.労働条件の不利益変更。 2006年の改定時の状況がポイントだが現行就業規則が不開示状態にあることは違反。 2.2006年は労契法成立前なので、労働条件は労使対等で決定すること(労基法第2条)、 作成、変更にあたって従業員の意見を十分聞き(90条)、従業員に周知する(80条) という手続きであった、この手続きが存在したか確認する必要がある。 当然会社は従業員代表に説明したという証拠書類を持っていることが要件。 3.手続きの不備と変更理由に合理性があるかどうかがポイント。 その上で本人等の主張を公序良俗違反に絞る方が良い。 4.2014年改定の際は労契法成立後であるが、変更内容が不利益ではないかどうか精査する 必要がある。 5.65歳定年の法制化は2013年4月であり、会社の対応は遅れている。 この点については就業規則改定時に説明する義務がある。 法律を下回る就業規則は法定内容まで引き上げられるので、その時点の不利益者が いないかどうか、チェックし、本人等の議論に参加するよう呼び掛けてはどうか。 6.いずれにしても、個人レベルの話では成果は期待できない。労組対応を強く勧めます。
最近の労働相談に、「知らぬ間に就業規則が変更されていた」、ことについての不利益被害が寄せられています。労働契約法成立後の不利益変更には、手続き面や実際の不利益被害を被ることに合理性があるかどうか等を争点にすることで会社との話し合いが維持できますが、社内立場としてアウェイ感の強い状態ではとても就業規則の不利益変更に対抗できません。また、労働契約法成立前の不利益変更は時限爆弾みたいもので、突然不利益が降りかかるというダメージが出てきます。働くこと、生きることに1人で精を出すことが難しい時代です。労働組合へ参加し、個の力を結集して個を守りましょう。
札幌地区ユニオン 011-210-4195
札幌パートユニオン 011-210-1200
相談電話をお待ちしています。