新型コロナ禍により職場・住むところ・生活が失われるという被害に見舞われたたまま年越しを迎える方に対する相談会を「コロナ被害相談村」が実施しました。開催した12月29日・30日・1月2日の概要を実行委員会の棗一郎弁護士から報告されました。CUNNメール通信NO.1863が配信しています。
◎ CUNNメール通信 ◎ N0.1863 2021年1月6日 1.(報告)年越し支援コロナ被害相談村/東京 首都圏のユニオンのなかまも実行委員会事務局、ボランティアとして多く参加しま した。 以下、実行委員会の棗一郎弁護士による報告です。 〈弁護士 棗一郎 旬報法律事務所 日本労働弁護団闘争本部長〉 労働弁護団、労働組合の皆さん 12月29日・30日・1月2日に開催したコロナ被害相談村の活動結果を報告しま す。3日間で、337件の相談があり、うち女性の相談が57件(約17%)でした。外 国人労働者も20名程度いて、移住連に協力していただきました。LGBTQの相談 対応もLGBT法連合会に頼んでやってもらいました。 年代別では、10代1名、20代18名、30代52名、40代74名、50代71名、60代55名、70代 23名、80代7名、不明。 支援内容としては、相談者の皆さんはほとんど所持金がないか、数百円数千円の人た ちでしたので、少額の食事代と食料品・お弁当を配布しました。東京都が年末年始の 一時的宿泊施設として借り上げたビジネスホテルに70~80名ほど同行案内しまし た。生活保護の必要がある方も多く、反貧困ネットのケースワーカーの人たちに相談 に入ってもらって助けて頂きました。新宿区へ同行申請した方も最後の日だけでも1 5名ほどいました。 12年前のリーマンショック・派遣村の時は6日間で相談者が520名ほどでしたの で、それを上回る規模の相談件数になりました。派遣村の時は製造業派遣の男性がほ とんどで女性は数人しかいませんでしたが、今回のコロナ被害相談の特徴は、女性の 相談者が多かったこと、外国人の相談者が多かったことです。女性相談専用のテント と会議室を設けて完全にプライバシーを保護する形で女性スタッフが相談に臨んだこ とが良かったと思います。具体的な相談内容は、相談票の整理と集計が終わった後 に、相談村のTwitterでもご報告します。 実行委員会の活動には、各労働組合に呼びかけて、個人での有志参加が多かったです が、登録ボランティアの数は約350人に上りました。 (中略) 医療スタッフも3日間常駐してもらい、診療・健康相談にも対応していただきまし た。幸い一人の感染者も出ていません。 カンパは合計で200万円ほど集まりました。ありがとうございました。 ナショナルセンターの各代表にも激励に来ていただき、1月2日に連合の神津会長や 全労連の小畑議長にも激励のあいさつとカンパを頂きました。ありがとうございまし た。 実行委員会の結成を決めたのが12月19日の夜でしたので、わずか10日の準備期 間しかなかったにもかかわらず、よくこれだけの支援活動ができたと思います。 また、労働組合だけでなく、新型コロナ災害緊急アクションほかの民間団体(大人食 堂、反貧困ネットワーク、もやい等)にも活動に協力いただき、コロナ被災者・被害 者の大きな支援のネットワークが出来上がったと思います。民間団体の皆さんから は、コロナ感染拡大は当分は収まる気配はなく、これからますます多くの被災者・被 害者が増えるので、継続的な支援活動を労働組合や労働弁護団と是非一緒に取り組ん でいきたいと申入れがありました。 全国各地でその要請に応えなければならないと思います。 もちろん、労働弁護団や労働組合は労働事件・相談に取り組む団体ですから、コロナ 禍による倒産・廃業、解雇・雇止め事件等に対応していかなければなりませんが、そ れだけではコロナ被害者を救済できませんので、それを超えた幅広い活動と民間団体 や行政との連携が求められると思います。今後は、労働弁護団主催のコロナ会議を開 いて活動を呼びかけたいと思いますので、ご協力よろしくお願いします。 コロナ被害相談村のTwitterも立ち上げましたので、ご覧ください。 https://twitter.com/covid19sodan/status/1345284814983688192?s=20 https://twitter.com/ibu61/status/1345515142004449280?s=20 ……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………… コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク (発行責任者:岡本) 〒136-0071江東区亀戸7-8-9松甚ビル2F下町ユニオン内 TEL:03-3638-3369 FAX:03-5626-2423 https://cunn.online E-mail:shtmch@ybb.ne.jp ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
文中、リーマンショック時の年越し派遣村の取り組みが記載されています。札幌でも2008年暮れから2009年は大変な年でした。老舗百貨店の丸井今井の民事再生が報じられ、札幌地区連合が「がんばろう丸井今井」のキャンペーンを張り、連合加盟組合タクシー利用促進キャンペーンも全市的に取り組みました。労働相談担当者は12月16日~18日を札幌市と協働(札幌市はサンプラザ内、札幌地区連合はさっぽろ労働相談センター内)で、相談対応に張り付きました。また、12月29日・30日も追加対応を余儀なくされ相談電話に張り付いたと聞いています。ここから感じた市井の肉声を議員等を通じて行政に持ち込み、麻生総理まで続いた新自由主義経済は「やっばりおかしい」という世論ができあがり、民主党政権が誕生しました。しかし、経験と歴史のない組織は責任者が生まれず、批判勢力に戻ってしまいました。今回のコロナ禍よる被害も、直前まで労働法制改悪論が席巻し、途中から「やっぱりおかしい」という世論が出来上がってきています。2021春闘でその理不尽の是正を非正規として働く当事者から発言して、働きやすい労働法制を実現しましょう! ガンバロー!