やっぱり怪我と弁当は自分持ち ギグワーカー

ギグワーカーを新たな働き方として歓迎する論調がでています。労働者・生活者からすると、稼ぐ機会を失われた者が「怪我と弁当は自分持ち」の危ない場所に引き込まれていくのを、何故歓迎するのか、と首を傾げたくなります。今日、CUNNメール通信で、福祉国家デンマークで働く外国人ギグワーカーの厳しい実態が配信されました。以下をご参照下さい。

◎  CUNNメール通信  ◎ N0.1870 2021年1月23日

1.(情報)再び「労働者性」めぐる闘いへ/デンマーク/
                          食事配達のウォルトと労組
                            210123連合通信・隔日版
 ロドリゴ・ペレラさんは、コペンハーゲンで食事配達の「ウォルト」(wolt)で働
いていた昨年5月に右ひじを複雑骨折した。
走行中に自転車のチェーンが外れ、転倒したのだ。手術を担当した医者からは、治療に半
年かかり、完治は難しいと告げられた。ペレラさんは失意の中、会社の事故保険に申請を
出した。
しかし手続きに数カ月を要した上、「支給金は2606クローネ(約4万4千円)」と
いう回答を受けて、がく然とした。入院費6日分にしか相当しない金額だったからだ。
「詐欺のようだった」と振り返るが、こうした事例はペレラさんに限らない。

・貧弱な貧弱な会社の事故保険

デンマークでウォルト配達員組合を支援している合同労連(通称「3F」)によれば、
国の労災基金(AES)で手続きすれば、最低でも4万クローネ(68万円)が労働者に
支給される。仕事を休んだ場合、被雇用者であれば収入も補償される。
 しかし、ウォルトは配達員を独立事業主として扱っているため、AESに保険料を納
めておらず、労災の報告もしていない。
 同社の保険プランも、配達員の保護を怠っているという世論をかわすために急きょ設
けたもの。組合などの調査によれば、適用範囲を「四肢の損失、失明、死亡」などに限
定したとんでもないシロモノだ。
 ペレラさんは31歳のアルゼンチン人。デンマークのワーキングホリデー制度を利用
していた。今でも負傷した右ひじはまっすぐ伸びない。しかし、医者の忠告に背いて、
ここ数カ月は配達員として働いた。収入がないからだ。

・国レベルで規制の動き

 フィンランドに本社を置くウォルトは日本など世界23カ国に進出。デンマークでは、
昨夏から3Fと労働協約の交渉を始めたが、労働者性をめぐる協議は平行線をたどった
ままだ。組合は今年に入り、ペレラさんの代理人としてAESに労災を申請した。
 担当弁護士は、「ウォルト専業で働いていたから、労働者性が認められる可能性は高
い」と指摘する。3Fは過去に、違法行為のライドシェアを繰り返したウーバーをデン
マークから撤退させた実績を持つ。職場レベルで反対運動を展開する一方、ギグ経済が
広まると北欧型の福祉国家が破壊されると訴え世論の強い支持を得た取り組みだった。
 あれから5年。いま新たな局面で、その手腕が再び試されている。国レベルの動きも
出てきた。ウォルトの配達員は半数以上が外国人労働者だが国はワーキングホリデー
の新規該当者を減らし、「自営業」で働くことを禁止する形で制度を見直している。
(国際運輸労連政策部長 浦田誠)

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ニュース映像で都心のスクランブル交差点を結構なスピードで走っているギグワーカー配達員が映し出されます。札幌の冬道でもファットバイクで激走配達しているギグワーカー配達員の方を見かけます。上の配信内容のような事態にならぬよう祈るばかりです。

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