「コロナ禍における働き方」議論と施策確立を公労使で早期に

労働政策研究・研修機構(JILPT)は1月14日のメールマガジン労働情報/第1744号で、東京商工リサーチが1月13日に発表した12月の全国企業倒産状況を発表しました。内容は以下の通りです。

●12月の倒産件数、32年ぶりの低水準/民間調査

東京商工リサーチは13日、12月の全国企業倒産状況を発表した。倒産件数は504件
(前年同月558件)で、7カ月連続で前年同月を下回った。12月としては2年連続で
500件台にとどまり、1989年(493件)以来、32年ぶりの低水準となった。
負債総額は2カ月連続で前年同月を下回った。「新型コロナウイルス」関連倒産は
143件(前年同月比52.1%増)で、2020年2月以降の累計は2,467件。

東京商工リサーチが1月13日に公表した月次全国企業倒産状況

同社は2021年の年間企業倒産状況の公表しています。倒産件数は前年を下回り52年ぶりの低水準としています。コロナ禍で打撃を受けた企業・事業者向けの政府による資金繰り支援がこの要因として指摘されています。ただ、この返済が本格化する2022年以降は倒産件数が反転増となるとの不安も指摘されています。理由は、倒産件数が減少したとはいえ、コロナ関連の倒産件数は増えていること、現在稼働する事業所においても減少した売り上げがコロナ禍以前の数値に回復するまで維持可能かどうかは政策支援次第としているためとしています。経営的視点による不安要素です。労働相談現場では、それ以上に従業員の勤務の目的が退職条件向上とする傾向が増えていることが最も危険で回避しなくてはならない状況と感じます。12月に相談が多く寄せられる、人手確保の困難な職場には、従業員の酷使が「人間」の尊厳を否定するところまで達するところもあります。その職場では出勤目的が退職条件を揃え向上させるためだけとする従業員が増えています。経営危機の内容を説明されない一方的な労働条件切り下げ強要、退職雇止めの強行がこの上ない「無慈悲」な措置と映り、経済的弱者である労働者にとってはやむを得ない自己防衛措置と言えます。新型コロナウィルス対策は「ウィズコロナ」を念頭に諸政策を展開しています。経済活動を縮小させないための方便ではないかという指摘もありますが、労働者被害を発生させないという意志が強く感じられる政策であれば、労働者の勤労意思は向上します。「ウィズコロナ」の経済政策と働き方について、政府・事業者・労働者のしっかりとした意思確認が必要です。厚生労働省が1月11日に公表した「シフト制」により就業する労働者の適切な雇用管理を行うための留意事項は、最良の試金石であり、この周知を契機に公労使による「コロナ禍における働き方」を議論し早期に確立すべきです。また、この留意事項公表には、市井で生ずる非正規・シフト労働者の被害とこれに丁寧に応じる民間労働相談窓口による問題提起が支えとなっています。労働者からの相談を政策立案・見直しのための公共財として活用する工夫も必要と強く感じます。

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