1/19配信続報-2 賃金横並びは否定/規制緩和拡大要求 経労委報告

CUNNはメール通信2070で「連合通信・隔日版」が1月22日報じた2022年版経営労働政策特別委員会報告に関する記事を配信しました。出せる企業は積極的賃上げ推奨する一方、横並び否定、ベア決定に際しても評価を重視した賃金決定の個別化を内容に「総額人件費管理の徹底」の姿勢を強調してると評しています。また、労働法制に関する規制緩和を人材確保と生産性向上に欠かせないとし、ジョブ型雇用の導入、裁量労働制の適用対象業務の拡大及び解雇の金銭救済制度の創設を強く主張しているとしています。

◎  CUNNメール通信  ◎ N0.2070 2022年1月24日

1.(情報)春闘への対応指針「2022年版経営労働政策特別委員会報告を公表/経団連
                          220122「連合通信・隔日版」

◆ベア含む賃上げ「望まれる」/2022年版経労委報告/「横並び」「一律」を否定

 経団連は1月18日、春闘への対応指針「2022年版経営労働政策特別委員会報告
(経労委報告)」を公表した。「賃金引き上げのモメンタム(勢い)を維持していく
ことが重要」とし、「新しい資本主義の時代にふさわしい賃金引き上げが実現してい
くことが求められている」と表現を強めた。一方、「業種横並び」「一律」を否定
し、貢献度に応じた分配を求める姿勢は従来のままだ。
 昨年までは「賃金引き上げ(ベア)も選択肢」としていた。今年は「社会性の視座
に立った検討が求められる」と主張。岸田首相が「3%を超える賃上げ」に期待を表
明したことを念頭に、業績が好調の企業については「ベースアップの実施を含めた、
新しい資本主義にふさわしい賃金引き上げが望まれる」と表現を強めている。
 コロナ禍の影響で業績が回復していない企業については、自社の賃金水準を踏ま
え、複数年度を見据えた賃上げの「方向性」を検討することも提起した。
 報告は、「働き手」や社会などのステイクホルダー(利害関係人)への「バランス
のとれた配慮」が必要だとして、株主偏重の近年の経営への批判に配慮した記述とし
た。併せて、中小企業での賃上げ原資を確保するために、原材料費コストなどの上昇
分を価格に転嫁できるよう、大企業の役割を強調している。
 一方、人件費を抑制すべきコストと見る「総額人件費管理の徹底」の姿勢を今年も
強調している。春闘の重要な機能である「業種横並び」「一律の賃金引上げ」につい
ても引き続き否定する姿勢を示した。ベアを行う際には、人事評価・査定などを通
じ、役割や貢献度に応じた配分が必要と述べるなど、賃金決定の個別化を図る従来通
りの姿勢を示している。

◆表看板とは裏腹に…/経労委報告/一層の労働規制緩和を要求

 2022年版経労委報告では、労働法制や最低賃金について、人件費コストの抑
制・削減につながる主張が並ぶ。「新しい資本主義にふさわしい賃上げ」を求める表
看板とは裏腹に、古い「新自由主義」の横顔をのぞかせている。
 労働法制については、残業上限規制などの「働き方改革」の次の段階として、労働
者が生み出す付加価値の最大化をめざす「働き方改革『フェーズ2』」を引き続き重
視する。
 その中で、裁量労働制の適用対象業務の拡大を強く求めるとともに、「労働時間を
ベースとする処遇と、労働時間をベースとしない処遇の組み合わせを可能とする法制
への見直しに向けた検討」を盛り込んだ。詳細は不明。昨年は「新しい労働時間法
制」を求めていた。
 「日本型雇用システムの見直し」も提唱する。長期・終身雇用と年功型賃金の見直
しや、新卒一括採用の割合の見直し、「ジョブ型雇用」の導入と活用などを促す。
 「円滑な労働移動の推進」の項では、雇用のセーフティーネットの整備が不可欠だ
とし「労働者保護に資する観点から、解雇の金銭救済制度の創設に向けて検討するこ
とも一案」とした。現在、厚労省で検討中の、違法解雇でも労働者を追い出せる「解
雇の金銭解決制」のことを指す。2000年代前半から何度も提案しては批判に遭
い、つぶされた仕組みだ。

 地域別最賃については20年度改定の1円引き上げでも影響率が4・7%もあったと
不満を表明。地方の経済団体の間で目安制度への信頼が揺らぎつつあるとし、「制度
自体のあり方や地域別最賃の決定方法についても見直す時期にきている」とするな
ど、賃上げに関する表現とは温度差のある書きぶりとなっている。

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何んともしたたかな経労委報告で、人材確保と生産性向上には導入必至を名目に、あの手この手の解説の感がします。ただ「労働者保護に資する観点から」解雇の金銭解決制度が必要と説く在り様は以前に増して性根が悪くなっているのではないでしょうか。

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